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【全英OP2021】世界王者・桃田賢斗が2年ぶりの全英制覇をねらう!<男子シングルス展望>

3月17日から21日までBWFワールドツアー・ヨネックス全英OP(イングランド・バーミンガム/Super1000)が開催される。この1年間、新型コロナの影響で多くの大会が中止、延期となる中、昨年に続き大会を開催。格式高い全英OPは、今回で111回目を迎える。ここでは、世界トップの誰もが憧れる全英OPの各種目の展望を紹介。第1回は混戦必至の男子シングルスにクローズアップする。

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男子シングルスの優勝候補は、2年前の全英王者に輝いた桃田賢斗(上写真)だ。復帰戦となる予定だった1月のタイOP2大会は、出国直前のPCR検査で桃田に陽性反応が出たため、出場を見送った。今回は万全を期しての出場となるだけに、1年2カ月ぶりに国際大会のコートに立つ桃田のプレーに、世界の注目が集まる。

その桃田のライバルとなるのが、前回大会優勝のビクター・アクセルセン(デンマーク)。今年はタイOP2大会で連続優勝を果たし、翌週に開催されたWTファイナルズ2020も準優勝を飾った。3月上旬のスイスOP(Super300)もすべて2-0のストレート勝ちで制するなど、安定感も抜群だ。2年前の決勝では桃田に敗れて準優勝。昨年は、桃田が事故の影響で欠場し対戦なく優勝を飾ったが、今年はライバルとの頂上決戦、そしてリベンジVが最大の目標となる。

2連覇をねらうビクター・アクセルセン

このほかに上位をめざすのが、デンマークとインドネシア勢だろう。デンマークは世界ランク3位のアンダース・アントンセンや、同12位のラスムス・ゲンケがエントリー。また、インドネシアからはアンソニー・S・ギンティンとジョナタン・クリスティが出場する。ギンティンは桃田がいる山に入り、勝ち進めば準決勝で激突しそう。そのほかの3名はアクセルセンの山にいるため、上位進出は一筋縄ではいかないだろう。なお、中国代表は全員が全英OPの出場を見送っている。

日本勢は常山幹太、西本拳太、渡邉航貴の3選手も出場。どちらも桃田とは反対の山にいるため、初戦から強敵との勝負が続く。日本勢は久々の国際大会という選手が多いだけに、序盤から勢いをつけて勝ち星をつかむことが上位進出への鍵となりそうだ。

桃田賢斗(1位)
1回戦:カシャップ・パルパリ(インド/26位)

1年2カ月ぶりの国際大会出場となる世界王者の桃田。初戦の相手はインドのカシャップ・パルパリだ。パルパリは今年1月のタイOP2大会と、3月上旬のスイスOPに出場しているが、3大会ともすべて1回戦負けと不調続き(タイOPどちらも途中棄権)。桃田にとっては、ここをしっかり勝ち抜いて2回戦以降につなげていきたいところだ。桃田と準々決勝で激突しそうなのは、マレーシア期待のエース、リー・ジジャ。準決勝にはアンソニー・S・ギンティン(インドネシア)、スリカンス・キダムビ(インド)などの実力者が勝ち上がってきそうだ。

常山幹太(14位)
1回戦:トビー・ペンティ(イングランド/54位)

昨年の全日本総合決勝では、桃田と熱戦をくり広げた常山。1回戦はイングランドのペンティと対戦する。相手は長身サウスポーだが、これまで目立った成績は挙げておらず世界ランクも54位と格下。実力的には常山が一枚上手だろう。1回戦を突破すると、2回戦では西本拳太、ラスムス・ゲンケ(デンマーク)の勝者と対戦する。

西本拳太(WR41位)
1回戦:ラスムス・ゲンケ(デンマーク/12位)

昨年のデンマークOP4強の西本は、初戦でデンマークのラスムス・ゲンケと激突する。世界ランク12位に位置するゲンケとの対戦は、そのデンマークOP準決勝で争って以来。この時は西本が14本、17本に抑え込まれて敗戦した。初戦から厳しい相手との勝負となるが、なんとかリベンジを果たして2回戦で当たりそうな常山との勝負に進みたい。

渡邉航貴(16位)
1回戦:ビクター・アクセルセン(デンマーク/2位)

全英OP初出場となる渡邉は、1回戦から前回大会優勝のアクセルセンとの勝負に挑む。Super1000の大会も初めてとなる渡邉だが、アクセルセンとも初対戦。慣れない大舞台の中で、どれだけ自分のパフォーマンスを発揮できるかに注目したい。

【全英選手権】

1899年に第1回大会をロンドンで開催。当初は男子ダブルス、女子ダブルス、混合ダブルスの3種目で行なわれた(翌年から男女シングルスも実施)。バドミントンの国際大会としては、最も古い歴史を持つオープントーナメントとして知られている。

1977年に世界選手権が開催される以前は、世界の頂点を決める大会として世界のトップ選手が出場し、多くの名勝負を繰り広げてきた。

日本選手は1960〜70年代にかけて、女子シングルスに出場した高木紀子、湯木博恵、竹中悦子などが優勝。女子ダブルスでも相沢マチ子/竹中悦子、徳田敦子/高田幹子などが頂点に立っている。最近では2016年に女子シングルスの奥原希望、女子ダブルスの髙橋礼華/松友美佐紀が単複W制覇を遂げたほか、2018年は混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗が、同種目日本勢初の優勝。2019年は男子シングルスの桃田賢斗が同種目初優勝を遂げ、2020年は男子ダブルスの遠藤大由/渡辺勇大、女子ダブルスの福島由紀/廣田彩花が頂点に立っている。※選手名は当時

【注意】

記事内の展望は3月3日時点でのエントリー状況などから作成しています。海外選手などは欠場する場合がありますので、あらかじめご了承ください。

文/バドミントン・マガジン編集部

写真/BADMINTONPHOTO

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