春は別れと出会いの季節でもあります。
バドミントン・マガジン3月号では、この春、現役引退を決めた実業団選手を独自に調査。2月10日時点で公表された選手情報に関して、紹介しています。また、カラーページでは、ペアとしてともに現役引退を表明した米元小春さんと田中志穂さんのインタビューを掲載しています。
米元/田中ペアは、2017年にはツアー最終戦のスーパーシリーズファイナル(現ワールドツアーファイナルズ)で優勝し、世界の頂点に立ったダブルスペア。東京五輪出場をめざし、熾烈な出場権争いの渦中にいましたが、2019年の世界選手権で米元さんが左アキレス腱を断裂。五輪レースからの離脱を余儀なくされました。昨年12月の全日本総合で約1年4カ月ぶりに公式戦に復帰。4強入りとあらためて力を示していましたが、今年1月に現役引退を表明しました。
1月末に所属する北都銀行の拠点である秋田で、すでに会見と引退試合を行なっていた米元さんと田中さん。選手としての生活から離れ、第二の人生を歩み始めた二人に、あらためて引退を決めた経緯やその胸の内、五輪レース中に米元さんが負った左アキレス腱断裂という大ケガ、そこからの日々など率直な思いを語っていただきました。
【担当者メモ】
「目標としていたものすべてが一気になくなって、喪失感で目の前が真っ暗になった」
2019年の世界選手権でケガを負った瞬間のことを、そう振り返った米元さん。その後も「3週間くらいは眠れない、食べれないという日々が続いた」と、当時の苦しい心の内を語ってくれました。
そこから、復帰に向けて動き始める原動力になったのは、周囲の励ましやサポート、これまで関わってこなかった人たちの応援の声だったと言います。そして、何よりも米元さんに「このままじゃいけない」と思わせたのは、「こんな状況でも練習しないといけない田中は、自分よりもつらい思いをしているはず」と思いを馳せたパートナーの存在でした。
復帰に向かう中で、今後について何度もペアで、そして佐々木翔監督と話し合ったと言います。そしてコロナ禍の2020年を過ごしていくうちに、徐々に自分たちの進むべき道が見えてきたそうです。
その経緯、そして苦しんだ時間が導いた、それぞれの道について、インタビューではじっくりと話してくれたので、ぜひ二人の思いに触れていただきたいと思います。
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文/バドミントン・マガジン編集部