2月2日、BWF(世界バドミントン連盟)が発表する世界ランキングが更新された。新型コロナウイルスの感染拡大により、各種国際大会が延期・中止となったことを受け、BWFは昨年3月31日に同ランキングを一時凍結することを発表(順位・ポイントは3月17日付で凍結)。また、同年10月には凍結期間中に開催された大会のポイントは、解除後に反映することも発表していた。
各種大会が中止となるなか、昨年は11月に世界トップランカーも参戦したデンマークOP(Super750)を実施。そのほか、ヨーロッパではザーロールクスOP(ドイツ/Super100)やラトビア国際などが開催されており、これらの結果と今年1月に行なわれたヨネックスタイOP、トヨタタイOP(ともにSuper1000)、そしてワールドツアーファイナルズのポイントを反映したのが、今回発表されたランキングとなる。
日本や中国といった世界の強豪国がタイOP、WTファイナルズに参加できなかったため、各種目の上位陣にも変動があった。ここでは、ダブルスのランキングについて紹介する。
【男子ダブルス】
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1月のタイOPの参加を見送っていたギデオン(左)/スカムルヨが1位を堅持。WTファイナルズ準優勝のセティアワン/アッサンが2位と、インドネシアペアのワンツーは前回と変わらず。セティアワン/アッサンも10万ポイントを超え、他国のライバルを大きく引き離している。
タイの3大会で連続優勝を果たした王齊麟(ワン・チーリン)/李洋(リー・ヤン/台湾)が、4ランクアップの3位に浮上。インドネシアペアを追っていた李俊慧(リ・ジュンフイ)/劉雨辰(リュウ・ユチェン/中国)を逆転した。それにともない、園田啓悟/嘉村健士が5位、遠藤大由/渡辺勇大が6位と、日本の2ペアもそれぞれ一つ順位を落とす形となった。
10位以下では、ゴー・V・S/タン・W・K(11位)、オン・Y・S/テオ・E・Y(13位)と、マレーシアの2ペアが大きく4ランクアップ。保木卓朗/小林優吾はあおりを食って3ランクダウンの14位に後退した。
A代表の古賀輝/齋藤太一は31位。B代表入りした竹内義憲/松居圭一郎は44位、小野寺雅之/岡村洋輝は50位、金子真大/久保田友之祐は56位。それぞれのスタート地点が定まった。
【女子ダブルス】
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3月17日付のランキングでは2位だった福島由紀(上写真左)/廣田彩花が、11月のデンマークOP優勝のポイントが加算され首位に返り咲いた。実力拮抗の女子ダブルスは5種目の中で唯一、1位が10万ポイントを超えていないが、9万9108ポイントと10万超え目前だ。2位に陳清晨(チェン・チンチェン)/賈一凡(ジャ・イーファン/中国)を挟み、松本麻佑/永原和可那が3位で後を追う。
松本/永原を猛追しているのが、WTファイナルズ決勝を争った韓国2ペア。優勝した李紹希(イ・ソヒ)/申昇瓚(シン・ソンチャン)が4位、準優勝の金昭英(キム・ソヨン)/孔熙容(コン・ヒヨン/韓国)が5位で、ポイント差も詰めてきている。なお、韓国勢は張藝娜(ジャン・イェナ)/金慧麟(キム・ヘリン)が9位におり、ベスト10に3ペアがランクインしている。
日本勢は志田千陽/松山奈未が12位、櫻本絢子/髙畑祐紀子が19位と10位台をキープ。パリ五輪に照準を合わせる2ペアは、切磋琢磨しながら未来へ突き進んでいくだろう。
【混合ダブルス】
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鄭思維(ツェン・シーウェイ/上写真右)/黄雅瓊(ファン・ヤーチョン)は、10万ポイントを超えて首位をキープ。タイOP、WTファイナルズと3週連続優勝を果たしたデチャポル/サプシリー(タイ)が2位に浮上した。長く2位を守ってきた王懿律(ワン・イーリュ)/黄東萍(ファン・ドンピン/中国)を逆転し、ついに10万ポイントを超えた。
日本の第一人者、渡辺勇大/東野有紗は、徐承宰(ソ・スンジェ)/蔡侑玎(チェ・ユジュン/韓国)にかわされてワンランクダウンの6位。渡辺/東野とはポイント差が離れているが、ゴー・S・H/ライ・S・J(マレーシア)が3ランクアップの10位、WTファイナルズ初出場でベスト4に入ったジケル/デリュー(フランス)が3ランクアップの13位と、それぞれ順位を上げている。また、ヨーロッパ勢は、イングランドがエリス/スミス(9位)、C・アドコック/G・アドコック(14位)の2ペアと、ドイツのラムスフス/ハートリッチが15位に食い込んでいる。
日本勢2番手は、全日本総合準優勝で堂々のA代表入りを果たした金子祐樹/松友美佐紀。過去の国際大会では男女ダブルスと兼ねて混合ダブルスにも出場しており、今回の発表では4ランクダウンの23位。
男女ダブルスA代表同士が組む保木卓朗/永原和可那は、2ランクダウンの27位。B代表ペアは、山下恭平/篠谷菜留の73位が最高。まずは、上位レベルの大会に出られる順位まで上がっていきたい。
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO