12月26日に開催された第74回全日本総合(東京・町田市立総合体育館)5日目は、5種目の準決勝が行なわれた。ここでは、熱戦となった男子ダブルスのダイジェストを紹介する。
記事・コメント・トーナメント表
一覧はこちら
【男子ダブルス】
第1シードの遠藤大由/渡辺勇大(日本ユニシス/上写真・左)は、朝一番に登場。昨年もベスト4に入ってA代表入りした古賀輝/齋藤太一(NTT東日本)の挑戦を受けた。
古賀輝/齋藤は鉄壁のレシーブを誇る遠藤/渡辺に対し、ボディをねらったり、体から離れた位置に打ったり、シャトルを細かく散らしてチャンスを作る。持ち前のスピード感あふれるラリーを展開しながら、最後の最後にアウトやネットミスが出てしまったのが悔やまれる。第1ゲームは終盤まで競ったが、21−17で遠藤/渡辺が奪った。
第2ゲームは序盤で9−2と遠藤/渡辺が一気に離し、そのまま追い上げを許さず。21−11で勝って、決勝進出一番乗りを果たした。
もう1試合の準決勝は、トナミ運輸ペア同士の対決。3年連続の決勝進出をめざす園田啓悟/嘉村健士に、後輩ペアの保木卓朗(上写真・左)/小林優吾が挑んだ。
同じチームで同じA代表。互いの手の内を知り尽くした者同士、第1ゲームは園田/嘉村が相手ペアの隙をうまく突いてチャンスを仕留め、21−14で奪った。このまま一気にいくかと思いきや、保木/小林は冷静だった。第2ゲームに入ると、サービスを打つ前にサインを出し、ラリー序盤から主導権を握る。前衛を得意とする嘉村に仕事をさせない展開を作り、6−0と一気にリード。14−14で並ばれたが、4連続得点で離して18−14。園田/嘉村も前に出て勝負をかけて17−18と迫るが、保木/小林が3連続得点で21−17。第2ゲームを奪い返した。
ファイナルゲーム序盤は競り合う展開。どちらも後ろに下がらず攻め続ける。そして、7−5と園田/嘉村(上写真・左)が2点リードの場面から、保木/小林が連続得点で11−7。チェンジエンズ後も得点を重ね、13−7と一気に突き放す。園田/嘉村も5連続得点などで一時は1点差まで追いすがるが、追いつき逆転することはできず。流れが悪くなりかけると保木が小林に声をかけ、「ホキコバ」らしいダイナミックなラリーを展開し続けた。
20−16とマッチポイントの場面でも、保木がサービスに入る小林に声をかけて一呼吸。最後はサウスポーの小林がフォアからクロススマッシュを突き刺す、一番得意な形で勝負を決めた。保木/小林は2017年以来、3回目の決勝進出。先輩ペアの思いを背負い、悲願の初優勝をめざして戦う。
▼準決勝
遠藤大由/渡辺勇大(日本ユニシス)②〔21-17、21-11〕0●古賀輝/齋藤太一(NTT東日本)
保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)②〔14-21、21-17、21-16〕1●園田啓悟/嘉村健士(トナミ運輸)
▼決勝
遠藤大由/渡辺勇大 − 保木卓朗/小林優吾
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳