【全日本総合2020】「自信のあるショットがほとんどなくて緊張感がいつもより増している」(桃田)24日/2回戦後コメント

12月24日に開催された第74回全日本総合選手権(東京・町田市立総合体育館)3日目は、男女各シングルス、男女各ダブルス、混合ダブルスの2回戦が行なわれている。ここでは、2回戦に勝利した桃田賢斗のコメントを紹介する。

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桃田賢斗
(NTT東日本)

2回戦結果:秦野陸(トナミ運輸)に2-0で勝利

――今日は昨日とはまた違う展開で、少し速いペースで試合が続きました。

速かったですか? 自分では緊張しすぎて、どういう展開なのか全然覚えていないくらいです。返すのが精いっぱいで、1ゲームを取ってからは少し力が抜けて自分らしくプレーできましたが、1ゲームの出だしはバタバタしました。相手はすごく長身の選手だったので、いつ強打がくるんだろうと思って、ちょっと後手になっていた。そこはしっかり修正していきたいと思います。

――2回戦でも緊張は取れないものか?

緊張しますね。試合に慣れてないですし、大丈夫かなという不安はすごく大きいです。でも、焦ったところで自分のできることは変わらないと思うので、明日はしっかり気持ちを切り替えて、出だしから自分のペースで試合に挑めたらいいかなと思います。

――試合中に緊張している自分を切り替える工夫は?

たまに自分と会話するというか、自分を客観視するようにしてます。自分は緊張しているなというのを、外から自分を観察するみたいな感じです。ここがこう焦っているなというのを認識しながら、少しずつ慣らしていくのが自分のスタイルかなと思います。

――今回は無観客ですが、観客がいるか、いないかは影響ありますか。

そうですね。観客の方がいたらもっと緊張すると思うんですけど、まだ知ってる人ばかりなので、そこは助かっています。

――いつも、何試合しても緊張するもの?

そうですね、相手の特徴や得意のショットを自分の中で分析した時に、自分のこれは通用するのか、ここはこういうプレーで大丈夫なのか考えすぎて、不安になり、緊張していきます。今回は自信のあるショットがほとんどない。久しぶりの試合で、感覚は悪くないんですけど、このショットは安定して打てる、というのがまだないので、いつもより緊張感は増してると思います。

――昨日は眠れましたか。

寝ることはできましたが、なるべく考えないようにしようとマンガを読んだり、ほかのことに時間を使って寝るように心がけました。

――試合の間の過ごし方も、大会がないとわからなくなる?

ずっと連戦の時は、こうしておけば大丈夫だろうというのがあったんですけど、久しぶりの試合なので、ソワソワしちゃうというか落ち着きがない。時間を有効に使って、明日も試合に挑めたらいいなと思います。

――昨日と比べて今日の体調は?

特に変わらず、疲れもたまっていないです。いい調子でプレーできているかなと思います。

――大会期間中の体調管理は得意?

特にこれを食べようとか早く寝なきゃというのは考えずに、いっぱい食べて、お風呂につかって、いっぱい寝るというのを心がけています。それ以外は自分の好きなように、ストレスがたまらないように生活しようと思っています。

――今日の相手はネット前でも仕掛けてきているイメージがありました。プレッシャーを感じましたか。

たぶん自分とのラリーを切ろうと思って先手先手できてましたけど、そこでも点差を離されずに1ゲーム目11―9でリードできたので、それはすごくよかったんじゃないかと思います。

――相手からネットプレーを仕掛けられたら、そこでも負けないぞという気持ちが出ててくるか。

いや、今日は特にそこで勝負するんではなくて、しっかり相手を見て、決められないようにミスしないように丁寧にラリーしました。

――今日で2試合目ですが、自分がイメージしているプレーにどれくらい近づいているか。

正直、今回入った時は急ぎながらラリーしてしまったというか、昨日も速く速く、際どくだったので、余裕のない展開が多かった。でも、今日の2ゲーム目はしっかり相手の動きを見て外して、自分が先手でシンプルに返していく戦術を、少しずつイメージ通りできたので、最後の展開はよかったと思います。

――試合でないとわからない部分はあると思うが、一番確認したいのは。

試合がなかったぶん、今、自分がどの位置にいるかわからない状況。練習と違う緊張感の中で、どれだけ動き続けることができるか、どれだけ精度の高いショットを打てるかわからずに安全策をとってしまっている。自分の中でまだまだ納得いかない部分なので、明日は相手のレベルも上がると思いますが、そういう部分も確認しながらプレーしたいと思います。

――実戦を通して、以前よりさらにレベルアップしたプレーは。

コートカバー力というか、それは以前よりも増して、軽く動けているという手ごたえはあるんですけど……どうですかね(笑)。

――それは守備と攻撃と両方?

相手に外された時や、逆をつかれたときの一歩目の速さは、前より速くなっているという感じはあるけど、タイミングが合わずいきすぎちゃう部分がある。そこのイメージはまだつかめずに慌ててしまってコントロールできない場面が多いので、そこは修正点かなと思います。

――コートカバー力が向上したのは、ウエートトレーニングの成果か。

けっこうコートに入って練習する時間が多かったので、練習時間がとれていたことも大きかったと思います。フィジカルトレーニングの成果もしっかり出ていると思いますね。

――体がひきしまったように見えますが、筋肉量の変化は。

筋肉量は変わってないか、ちょっと増えたくらいです。体脂肪がちょっと減っていると思うので、数値的にはわからないですけど、体重は若干減りました。2キロくらいは落ちているんじゃないかな。

――意識して落としたというよりトレーニングの流れで。

そうですね。いつもお腹いっぱいまでごはんを食べているんですけど、そのぶん練習しているので、勝手に絞れていったかなと思います。

――明日の対戦相手はまだ決まっていませんが、試合が終わって、すぐ次のことは、まだ考えられない?

いえ、試合が終わった段階から明日のことに集中しているので。下農(走)選手だったら左利きでキレのあるショットを打ってくるんで、しっかり自分のほうが動いて我慢して、相手の強打を拾っていく展開から、自分のペースにもっていけたらいいかなと思います。奈良岡(功大)選手とはあまり羽根を打ったことがないので、どういうプレースタイルかやってみないとわからないですが、いつも試合時間が長いイメージがあるんで、そこで気持ちで負けないように我慢してプレーできたらいいかなと思います。

取材・構成/江國晴子、バドミントン・マガジン編集部

投稿日:2020/12/24
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