12月11日(金)から13日(日)の日程で、BADMINTON S/J LEAGUE WEST in山口2020が、山口県の下松スポーツ公園体育館で開催された。
この大会には、国内最高峰の団体戦・S/Jリーグに所属する女子チームのうち、西日本に拠点を置く再春館製薬所、ACT SAIKYO、山陰合同銀行、広島ガスの4チームが参加した。S/Jリーグと同じく2複1単方式で実施された試合は、各チームが各日1試合ずつを行ない、3日間で全チームと対戦。期間中は感染症対策を徹底し、観客を入れた中での試合となったため、選手たちは緊張感のある中で熱戦を繰り広げた。
【最終日ダイジェスト】
ともに2連勝を飾り、全勝同士の対戦となった再春館製薬所とACT SAIKYOの試合は、S/Jリーグ優勝経験のある再春館が強さを見せつけた。
再春館は、第1ダブルスに日本A代表の志田千陽と内定選手の廣上瑠依(ふたば未来学園高)を起用。チームの期待に応え、第1ゲームを13本で制した志田/廣上だったが、「第2ゲームは考え過ぎて、相手に向かっていけなかった」(廣上)と、ACT SAIKYOの柏原みき/加藤美幸に9本で奪われ、スコアを1−1のタイに戻された。それでも、「自分の役割を果たすことだけを考えた」と廣上。志田も後輩のプレーをしっかりとカバーして、ファイナルゲームは再び13本で勝利を手にした。
これで流れをつかんだ再春館は、続くシングルスでエースの山口茜(上写真)が、「同級生の齋藤(栞)選手が相手。気を引き締めて臨んで、勝ちきる事ができてよかった」と13本、17本のストレート勝ちでチームの勝利を確定付けた。第2ダブルスでも福本真恵七/小野菜保が制した再春館は、3試合9対戦で一つも星を落とすことなく、堂々の優勝を果たした。
もう一試合は、山陰合同銀行VS広島ガス。最終戦で初白星を得たい両チームの対戦は、広島ガスが先制する。山藤千彩と内定の志波寿奈(龍谷大)が組んだ広島ガスの第1ダブルスは、山陰合同の横山恵里香/矢﨑月子に対して第1ゲームを17本で先取。山藤/志波は第2ゲームこそ落としたものの、ねばる横山/矢﨑をファイナルゲーム14本で振り切った。
しかし、意地でも負けられない山陰合同。シングルスの漆﨑真子は「全敗で終わるわけにはいかない。今日は絶対に勝つとチームで話していた」と、広島ガスの濱北ももに対してファイナルゲーム11本で勝利。漆﨑からバトンを受けた第2ダブルスの横山めぐみ/久後あすみ(上写真・手前)も、「内容どうこうではなく、気持ちで戦いました」(横山)と、気迫で上回って石村亜美/日野智然を撃破。山陰合同銀行が最終戦を白星で締めくくった。
■試合結果(全試合)
▼12月11日
ACT SAIKYO(1勝)2−1 山陰合同銀行(1敗)
中村麻裕/今井優歩●1〔19-21、23-21、18-21〕②矢﨑月子/横山恵里香
齋藤栞②〔21-16、21-14〕0●橋詰有紗
柏原みき/加藤美幸②〔21-16、21-7〕0●横山めぐみ/髙崎夏実
再春館製薬所(1勝)3−0 広島ガス(1敗)
志田千陽/松山奈未②〔21-17、21-13〕0●山藤千彩/志波寿奈
山口茜②〔21-14、21-11〕0●濱北もも
小野菜保/福本真恵七②〔21-9、21-15〕0●石村亜美/日野智然
▼12月12日
再春館製薬所(2勝)3−0 山陰合同銀行(2敗)
志田千陽/廣上瑠依②〔21-18、21-9〕0●髙崎夏実/佐藤茅穂
山口茜②〔21-12、21-14〕0●橋詰有紗
小野菜保/福本真恵七②〔21-16、21-19〕0●矢﨑月子/横山恵里香
ACT SAIKYO(2勝)3−0 広島ガス(2敗)
中村麻裕/今井優歩②〔21-16、21-16〕0●山藤千彩/志波寿奈
齋藤栞②〔21-19、16-21、21-18〕1●下田菜都美
重田美空/水津優衣②〔21-12、21-10〕0●石村亜美/日野智然
▼12月13日
再春館製薬所(3勝)3−0 ACT SAIKYO(2勝1敗)
志田千陽/廣上瑠依②〔21-13、9-21、21-13〕1●柏原みき/加藤美幸
山口茜②〔21-13、21-17〕0●齋藤栞
小野菜保/福本真恵七②〔21−13、21-17〕0●齋藤夏/川島美南
山陰合同銀行(1勝2敗)2−1 広島ガス(3敗)
横山恵里香/矢﨑月子●1〔17-21、21-8、14-21〕②山藤千彩/志波寿奈
漆﨑真子②〔15-21、21-8、21-11〕1●濱北もも
横山めぐみ/久後あすみ②〔21-17、22-20〕0●日野智然/石村亜美
▼最終順位
優勝:再春館製薬所(3勝)
2位:ACT SAIKYO(2勝1敗)
3位:山陰合同銀行(1勝2敗)
4位:広島ガス(3敗)
取材・文/吉井信行
写真/湯浅芳昭