10月28日、S/Jリーグで活躍する実業団選手などが集結した女子個人戦Premiumサーキット2020が、広島県三次市で開催された。実業団女子チームのスタッフの有志によって独自に開催するこの大会には、実業団の若手選手を中心に数名の大学生、実業団への内定が決まっている高校生などが参戦。新型コロナウイルスの影響で出場人数に制限をかけて実施されたが、普段はなかなか参戦しない日本代表クラスが出場したこともあり、実業団の若手選手らを中心にどの試合も緊張感のある戦いを繰り広げた。
大会は26、27日に各種目の予選リーグを行ない(1リーグ4名/4ペア、4つのリーグに分かれて実施)、大会3日目の28日は1位から8位までを決める決勝トーナメント、9位から16位までを決める下位トーナメントに分かれて争った。29日には、シングルス、ダブルスの決勝戦と順位決定戦を行なう。
※お詫びと訂正
今回行なわれた大会は、従来のクイーンズサーキットとは異なり、実業団チームの有志によって開催された大会です。そのため、大会名は「Premiumサーキット2020」となります。大会関係者、およびクイーンズサーキットを運営されている関係者の皆様にお詫びし、訂正いたします。
【ダイジェスト】
女子シングルスの決勝に勝ち進んだのは、ヨネックスの佐藤冴香(上写真)と髙橋明日香。予選リーグを1位で通過した二人は、佐藤が決勝T・準々決勝で筑波大の佐川智香、準決勝で七十七銀行の池内萌絵に勝利。髙橋も地元・広島ガスの下田菜都美、日本ユニシスの海老原詩織に連勝してトーナメントを勝ち上がった。「ベテランの佐藤と、これからを担う髙橋が決勝に進めたのはよかった。チームにとっても意味のある戦いになりそうです」とヨネックスの内藤祐輔監督。ともに6試合目となる決勝だけに、頂上争いは体力・気力の勝負となりそうだ。
女子ダブルスは、日本ユニシスの中西貴映/岩永鈴と、ヨネックスの櫻本絢子/髙畑祐紀子が、ともに準決勝のファイナル勝負を制して決勝に進出した。
中西/岩永(上写真・左)は準決勝でACT SAIKYOの柏原みき/加藤美幸と対戦。互いに1ゲームずつを奪い合いファイナルゲームに突入すると、中西/岩永が相手の強打を抑えながらポイントを重ねて21-5で勝利。櫻本/髙畑も第1ゲームを失う展開となったが、最終ゲームは緩急をつけた攻撃で点差を広げて決勝の切符をつかんだ。「自粛期間中などに積み上げてきたものが出せていたり、まだそれがうまくいかない部分などもありました。試行錯誤する中でしたが、勝ちきれたのが成長です」と櫻本。一方、日本ユニシスの中西は「緊張もある中でしたが、パフォーマンスは悪くなかったです。練習でやってきたことを出せていると思います」と手応えをつかんでおり、決勝は白熱した勝負が展開されそうだ。
28日に行なわれた1〜8位トーナメントの結果は以下の通り。
【女子シングルス】
▼決勝トーナメント・準々決勝
池内萌絵(七十七銀行)②〔21−17、21−15〕0●郡司莉子(八代白百合学園高)
佐藤冴香(ヨネックス)②〔17−21、21−8、21−15〕1●佐川智香(筑波大)
海老原詩織(日本ユニシス)②〔14−21、21−13、21−13〕1●林樂(ACT SAIKYO)
髙橋明日香(ヨネックス)②〔21−11、15−21、21−12〕1●下田菜都美(広島ガス)
▼準決勝
佐藤冴香②〔21−19、21−15〕0●池内萌絵
髙橋明日香②〔21−16、22−20〕0●海老原詩織
▼決勝
佐藤冴香 ― 髙橋明日香
【女子ダブルス】
▼決勝トーナメント・準々決勝
櫻本/髙畑(ヨネックス)②〔15−21、21−18、21−10〕1●水津/重田(ACT SAIKYO)
川島/齋藤(ACT SAIKYO)②〔17−21、21−12、21−14〕1●尾﨑/垣岩(NTT東日本/再春館製薬所※)
柏原/加藤(ACT SAIKYO)②〔21−12、21−14〕0●朝倉/永井(NTT東日本)
中西/岩永(日本ユニシス)②〔21−7、21−18〕0●今井/中村(ACT SAIKYO)
▼準決勝
櫻本/髙畑②〔21−19、19−21、21−15〕1●川島/齋藤
中西/岩永②〔21−10、16−21、21−5〕1●柏原/加藤
▼決勝
櫻本絢子/髙畑祐紀 ― 中西貴映/岩永鈴
※予選リーグは尾﨑/森で出場。決勝トーナメントは森が欠場した垣岩コーチが代わって出場
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/早浪章弘