3月15日に開催されたBWFワールドツアー・ヨネックス全英OP(バーミンガム/Super1000)最終日は、各種目の決勝戦が行なわれた。ここでは、ダブルスのダイジェストをお届けする。
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大会の最終日、最初と最後に日の丸が輝いた。ダブルスは、男子と女子で日本のペアがそれぞれ初優勝を飾った。
第1試合に登場したのは、女子ダブルスの福島由紀/廣田彩花(上写真左)。中国の強敵、李茵暉(リ・インフイ)/杜玥(ドゥ・ユエ/中国)にストレートで完勝した。試合はテンポの速いラリーで得点を重ね、福島が後衛からチャンスを作り、廣田が前衛で決める形が多く出た。第2ゲームの中盤からは、相手を大きく動かす展開に持ち込み、焦って攻める相手にカウンターで攻撃。5−9から5連続得点で逆転すると、さらに10オールから4連続得点で突き放し、そのまま試合を押しきった。
これまで、全英OP(18年)、スーパーシリーズファイナルズ(17年/現WTファイナルズ)、世界選手権(18、19年)と、ビッグタイトルでは準優勝止まりだっただけに、殻を破る優勝の手応えは大きかった。チャンピオンシップポイントを制した瞬間、コートに突っ伏し、ヒザをついたままガッツポーズを繰り出した福島は「ずっと2位だったので、乗り越えられてうれしい」と喜んだ。
最終試合では男子ダブルスの遠藤大由(上写真左)/渡辺勇大が、世界ランク1位のギデオン/スカムルヨ(インドネシア)との大激戦を制した。
守備時には遠藤が、相手に徹底的にねらわれて強打にさらされたが、押される中でも渡辺が前に出ていく強気のプレーで第1ゲームを先取。第2ゲームは、リターンミスが続いて押しきられたが、ファイナルゲームでは序盤に5連続得点などでリード。少しずつ差を詰められ15オールに持ち込まれると、激しいラリーの攻防が繰り広げられ19オールのしびれる展開に。ここから我慢強く戦ったのが日本ペア。ドライブ戦で渡辺がジリジリと前に出てラリーを制し、最後は相手のミスを誘って21-19。遠藤は天を仰ぎ、渡辺はその場にしゃがみ込んで、勝利の雄叫びをあげた。
遠藤は「試合の最後の方に、勇大が手を出してくれましたが、度胸があるんでしょうね(笑)。優勝する選手は、そういうところで手が出ますし、それが優勝できるかできないかの差なんだろうと、終わった後にわかりました。なかなか難しい試合でしたが、勇大がすごくカバーしてやってくれたので、8割は渡辺選手のおかげで勝ったといってもいいくらいです」とパートナーを絶賛。渡辺は「世界ランク1位、2位のペアにぶつかって勝って優勝できたことが財産。何でも最初の1番は気持ちがいいものです」と、日本男子ダブルス初のビッグタイトル獲得を喜んだ。
混合ダブルスは、インドネシアのジョルダン/オクタヴィアンティが2−1でタイのデチャポル/サプシリー(タイ)を破り、初優勝を飾っている。
決勝戦の結果は以下の通り
【男子ダブルス】
遠藤大由/渡辺勇大②〔21−18、12−21、21−19〕1●ギデオン/スカムルヨ(インドネシア)72分
【女子ダブルス】
福島由紀/廣田彩花②〔21−13、21−15〕0●李茵暉/杜玥(中国)46府
【混合ダブルス】
ジョルダン/オクタビアンティ(インドネシア)②〔21−15、17−21、21−8〕1●デチャポル/サプシリー(タイ)62分
取材・文/平野貴也
写真/BADMINTONPHOTO