3月13日に開催されたBWFワールドツアー・ヨネックス全英OP(バーミンガム/Super1000)3日目は、各種目準々決勝が行なわれた。当日、BWFから全英OP後の3月16日から4月12日まで開催される公認トーナメントの中断が発表される中、選手たちは白熱した戦いを見せている。ここでは、男女シングルスのダイジェストを紹介する。
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東京五輪前最後のビッグタイトル
全英オープン2020 CSテレ朝チャンネル2で
1回戦から決勝まで連日放送!!
ダブルスは、女子2ペアと男子1ペアが準決勝に進んだ。
女子ダブルスは、髙橋礼華/松友美佐紀(上写真右)が、今後の大会中止の報を受けた直後に、重要な一戦を勝利した。直前に知らせを聞いた髙橋は「逆に、熱くなりました。これがレースの最後になるのだとしたら、絶対に優勝して終わりたいという気持ちにさせられた」と高い集中力を持って試合に臨んだことを明かした。
第1シードの陳清晨(チェン・チンチェン)/賈一凡(ジャ・イーファン/中国)との試合は、互いに主導権を奪い合う、高度なラリー戦となった。第1ゲームは、8-11から12連続得点で一気に試合の流れを奪った日本ペアが先取。第2ゲームは、序盤に押されてリードを奪われたが、じりじりと巻き返して20-19でマッチポイントをつかむも決め切れず、20-22で落とした。ファイナルゲームは中盤まで競り合ったが、13-12から再び8連続得点と一気に流れを引き込み、世界ランク1位のライベルを撃破した。
福島由紀/廣田彩花も4強入り。韓国の金昭英(キム・ソヨン)/孔熙容/(コン・ヒヨン)を相手に、第1ゲームは終盤に連続攻撃から得点を重ねて先制。第2ゲームは中盤以降に追い上げを受けて苦しむも、最後は相手のクリアーがバックアウトになり、23-21でモノにした。準決勝では、高橋/松友との日本勢対決が実現。廣田は「ほかの大会が中止になる中、バドミントンができることに感謝して、昨年のベスト4を2人で乗り越えたい」と意気込みを語った。
松本麻佑/永原和可那は、李茵暉(リ・インフイ)/杜玥(ドゥ・ユエ/中国)に逆転負けを喫した。第1ゲームはドロップなど柔らかい球を織り交ぜた巧みなラリーで得点を重ねて先取した。しかし、相手がフットワークのスピードを上げた第2ゲームを16オールから4連続失点を喫して落とすと、ファイナルゲームは11-14から5連続失点と終盤に失速して敗れた。
男子は、遠藤大由/渡辺勇大が、世界王者のセティアワン/アッサン(インドネシア)に勝利。1、2回戦で日本ペアを破って勝ち上がっていたレジェンドに一矢を報いた。第1ゲームを21-19で押し切った後、第2ゲームは序盤にリードを許したが、遠藤が「あの場面でも落ち着いてできた」と話したとおり、徹底して相手が得意とする低い展開を避け続けて試合のペースをばん回。最後は、渡辺のスマッシュ連打から遠藤が前に出て力強いプッシュをたたき込んで勝利を収めた。
準々決勝の結果、準決勝の対戦カードは以下の通り。
▼準々決勝(3月13日)
【男子ダブルス】
ギデオン/スカムルヨ(インドネシア)②〔21−17、21−19〕0●A・チア/ソーWY(マレーシア)34分
イワノフ/ソゾノフ(ロシア)②〔21−18、11−21、21−8〕1●ラングリッジ/エリス(イングランド)71分
王齊麟/李洋(台湾)②〔18−21、21−18、21−14〕1●劉成/黄凱祥(中国)59分
遠藤大由/渡辺勇大②〔21−19、21−18〕0●セティアワン/アッサン(インドネシア)35分
▼準決勝(3月14日)
遠藤大由/渡辺勇大 – イワノフ/ソゾノフ(ロシア)
ギデオン/スカムルヨ(インドネシア) − 王齊麟/李洋(台湾)
【女子ダブルス】
▼準々決勝(3月13日)
福島由紀/廣田彩花②〔21−17、23−21〕0●金昭英/孔熙容(韓国)
李紹希/申昇瓚(韓国)②〔21−17、21−23、21−11〕1●張藝娜/金慧麟(韓国)82分
李茵暉/杜玥(中国)②〔14−21、21−18、21−13〕1●松本麻佑/永原和可那70分
髙橋礼華/松友美佐紀②〔21−12、20−22、21−12〕1●陳清晨/賈一凡(中国)79分
▼準決勝(3月14日)
髙橋礼華/松友美佐紀 – 福島由紀/廣田彩花
李茵暉/杜玥(中国) − 李紹希/申昇瓚(韓国)
【混合ダブルス】
▼準々決勝(3月13日)
エリス/スミス(イングランド)②〔24−26、22−20、21−11〕1●鄧俊文/謝影雪(香港)84分
ジョルダン/オクタビアンティ(インドネシア)②〔15−21、21−19、21−19〕1●王懿律/黄東萍(中国)71分
デチャポル/サプシリー(タイ)②〔21−17、21−11〕0●ファイザル/ウィジャジャ(インドネシア)37分
徐承宰/蔡侑玎(韓国)②〔21−16、21−19〕0●タベリング/ピキ(オランダ)36分
▼準決勝(3月14日)
徐承宰/蔡侑玎(韓国) − デチャポル/サプシリー(タイ)
エリス/スミス(イングランド) − ジョルダン/オクタビアンティ(インドネシア)
取材/平野貴也
写真/BADMINTONPHOTO