3月12日に開催されたBWFワールドツアー・ヨネックス全英OP(バーミンガム/Super1000)2日目は、各種目2回戦が行なわれた。5種目で勝ち進んだ日本代表だが、海外のライバル勢に苦戦を強いられている。ここでは、ダブルスのダイジェストを紹介する。
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女子ダブルスは、世界ランキング上位3組がベスト8に勝ち上がった。注目された松本麻佑/永原和可那(上写真右)と志田千陽/松山奈未の日本勢対決は、第2シードの松本/永原が逆転で制した。第1ゲームは、動きに硬さが目立つ松本/永原に対し、志田/松山が勢いのよく攻撃を仕掛けて先制。強打で松本/永原を下げ、ネット前の空いたスペースを突く展開でポイントをつかんだ。第2ゲームは、18オールから3連続得点をあげた松本/永原がねばり勝ち。ファイナルゲームは、落ち着きを取り戻した松本/永原が主導権を握り、そのまま押しきった。
第3シードの福島由紀/廣田彩花も逆転勝利で準々決勝へと勝ち上がった。韓国の鄭景銀/ベク・ハナに対し、相手の守備を崩せずに第1ゲームを失ったが、低い球を使い出した第2、3ゲームは圧倒。準々決勝でも同じ韓国の金昭英(キム・ソヨン)/孔熙容(コン・ヒヨン/韓国)との対戦が決まり、廣田は「相手は強打から連打してくるので、レシーブで上げているだけでは勝てない。後ろで振ったり、前を使ったりして攻撃の形を作りたい」と意気込みを語った。
第7シードの髙橋礼華/松友美佐紀は、インドペアにストレート勝ち。準々決勝では第1シードの陳清晨(チェン・チンチェン)&賈一凡(ジャ・イーファン/中国)と対戦する。髙橋は「4年前に優勝した時は中国ペアを3ペアを破った。その時の気持ちを思い出して臨みたい」と抱負を語った。
一方、男子ダブルスの勝ち上がりは遠藤大由/渡辺勇大(上写真右)のみ。ロシアの長身ペアと対戦した園田啓悟/嘉村健士は、第1ゲームを奪われたものの、第2ゲームは素早いローテーションから21-15で制してファイナル勝負に持ち込む。その最終ゲームも終盤まで競り合い、19オール。すると、次のラリーで嘉村がスペースをうまく突いてライン際に落としたシャトルの判定が、惜しくもアウト。マッチポイントを握られても連続攻撃を繰り広げたが、最後は嘉村のショートストップがネットに掛かり失点。ファイナルゲーム19-21と、悔しい形で敗退が決まった。
保木卓朗/小林優吾は、昨年の世界選手権決勝で対戦したセティアワン/アッサン(インドネシア)に善戦も、1−2で敗戦。混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗は、地元イングランドペアに0−2のストレートで敗れ、上位進出はならなかった。
海外勢では、混合ダブルスの前回王者で第1シード・鄭思維(ツェン・シーウェイ)/黄雅瓊(ファン・ヤーチョン/中国)が、格下のオランダペアにまさかの敗戦。男子ダブルスでも、李俊慧(リ・ジュンフイ)/劉雨辰(リュウ・ユチェン/中国)が中国対決に敗れて2回戦で姿を消している。
日本選手の結果、準々決勝の対戦カードは以下の通り。
【男子ダブルス】
▼2回戦(3月12日)
園田啓悟/嘉村健士●1〔14−21、21−15、19−21〕②イワノフ/ソゾノフ(ロシア)59分
保木卓朗/小林優吾●1〔21−14、15−21、14−21〕②セティアワン/アッサン(インドネシア)46分
遠藤大由/渡辺勇大②〔21−11、21−12〕0●李哲輝/楊博涵(台湾)27分
▼準々決勝(3月13日)
ギデオン/スカムルヨ(インドネシア) − A・チア/ソーWY(マレーシア)
ラングリッジ/エリス(イングランド) − イワノフ/ソゾノフ(ロシア)
劉成/黄凱祥(中国) − 王齊麟/李洋(台湾)
遠藤大由/渡辺勇大 – セティアワン/アッサン(インドネシア)
【女子ダブルス】
▼2回戦(3月12日)
髙橋礼華/松友美佐紀②〔21−13、21−14〕0●ポンナッパ/レッディ(インド)38分
福島由紀/廣田彩花②〔16−21、21−11、21−12〕1●鄭景銀/ベク・ハナ(韓国)77分
松本麻佑/永原和可那②〔17−21、21−18、21−17〕1●志田千陽/松山奈未70分
▼準々決勝(3月13日)
福島由紀/廣田彩花 – 金昭英/孔熙容(韓国)
張藝娜/金慧麟(韓国) − 李紹希/申昇瓚(韓国)
松本麻佑/永原和可那 − 李茵暉/杜玥(中国)
髙橋礼華/松友美佐紀 – 陳清晨/賈一凡(中国)
【混合ダブルス】
▼2回戦(3月12日)
渡辺勇大/東野有紗●0〔15−21、10−21〕②エリス/スミス(イングランド)38分
▼準々決勝(3月13日)
鄧俊文/謝影雪(香港) − エリス/スミス(イングランド)
王懿律/黄東萍(中国) − ジョルダン/オクタビアンティ(インドネシア)
デチャポル/サプシリー(タイ) − ファイザル/ウィジャジャ(インドネシア)
徐承宰/蔡侑玎(韓国) − タベリング/ピキ(オランダ)
取材・文/平野貴也
写真/BADMINTONPHOTO