【全英OP2020展望】最強インドネシアペアから全英タイトルを奪還するのは!?<男子ダブルス>

3月11日から15日まで開催されるBWFワールドツアー・ヨネックス全英OP(イングランド・バーミンガム/Super1000)。格式高い伝統の大会は、今回で110回目を迎える。ここでは、世界トップの誰もが憧れる全英OPの各種目の展望を紹介。第3回はダブルスにクローズアップする。

東京五輪前最後のビッグタイトル
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【男子ダブルス展望】

第1シードに世界ランク1位のギデオン(上写真右)/スカムルヨ、第2シードには前回優勝のセティアワン/アッサンのインドネシア2ペアが入った。

17、18年に全英2連覇を達成した実績を持つギデオン/スカムルヨは、今季も1月のインドネシアマスターズ(Super500)優勝を果たしており、2月のアジア団体選手権でもインドネシアの優勝の立役者に。1回戦ではインドの若手エース、シェティ/ランキレッディとの対戦となるが、ここできっちり白星を手にして勢いに乗れば、全英3回目の優勝も見てくる。難関となりそうなのは準決勝。順当に勝ち上がれば、中国の1番手、李俊慧(リ・ジュンフイ)/劉雨辰(リュウ・ユチェン)との対戦が予想される。

セティアワン(上写真右)/アッサンの山には、同胞のアルディアント/アルフィアンや、日本の園田啓悟/嘉村健士、遠藤大由/渡辺勇大、16年の全英覇者・イワノフ/ソゾノフ(ロシア)などがひしめく。セティアワン/アッサンは初戦で日本の古賀輝/齋藤太一と対戦し、勝てば2回戦で保木卓朗/小林優吾と韓国の催率圭(チェ・ソルギュ)/徐承宰(ソ・スンジェ)の勝者と激突する。

なお、男子ダブルスは11カ国から32ペアが出場。そのうち中国から6ペア、日本・インドネシア・台湾から4ペア、韓国・マレーシアから3ペアが参戦する。

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【日本選手の1回戦】
(世界ランキングは3月3日付)

園田啓悟(手前)/嘉村健士
1回戦:廖敏竣/蘇敬恒
(台湾/15位)

日本の1番手である園田/嘉村は、1月のマレーシアマスターズ(Super500)に出場したものの、翌週のインドネシアマスターズは嘉村が肩を痛めた影響もありキケン。2月のアジア団体選手権も回避して治療に専念した。1回戦は日本のS/Jリーグでもプレーしていた廖敏竣(リャオ・ミンチュン)/蘇敬恒(スー・チンヘン)と対戦。国際大会での対戦成績は2勝1敗と勝ち越しているが、相手は東京五輪出場に向けて、全英で高ポイント獲得をねらっている。決して侮れない存在だ。

遠藤大由(左)/渡辺勇大
1回戦:ラーン/ベンディ
(イングランド/32位)

初戦は地元イングランドのラーン/ベンディとの勝負に挑む遠藤/渡辺。世界ランクでは格下の相手とは初顔合わせとなるが、1〜2月の大会出場を見送った遠藤/渡辺にとっては、この全英OPが久々の実戦。本来はドイツOP(Super300)で調整をしたいところだったが、ぶっつけ本番の全英となる。試合勘を取り戻しながら白星を重ねていく必要があるものの、遠藤は過去の全英で3度決勝まで進んだ経験があり(ペアは早川賢一)、渡辺も2017年の混合ダブルスで優勝(ペアは東野有紗)するなど、相性がよい大会なのは間違いない。まずは初戦をしっかり勝ちきり、いい流れを生み出したい。

保木卓朗(右)/小林優吾
1回戦:催率圭/徐承宰
(韓国/世界ランク9位)

今季はタイマスターズ(Super300)でベスト8に入るなど、まずまずのスタートをきった保木/小林だったが、2月のアジア団体では3試合を戦って勝ち星に恵まれず。この連敗で生まれた課題をどこまで修正してきたかが、この大会を勝ち抜くうえでのポイントとなりそうだ。初戦は韓国の1番手、催率圭/徐承宰。1月のインドネシアマスターズで敗れた相手でもあるだけに、全英の舞台できっちりリベンジを果たしたい。

古賀輝(手前)/齋藤太一
1回戦:セティアワン/アッサン
(インドネシア/世界ランク2位)

全英OP初出場の古賀/齋藤にとって、初戦の相手はいきなり世界王者のセティアワン/アッサンとなった。厳しい相手であることに違いはないが、今季A代表に入って上位大会を転戦する2人にとっては、トップとの対戦が今後の大きな財産となっていくはず。前回の全英王者から大金星をつかむ気持ちでトライしたい。

【全英選手権】

1899年に第1回大会をロンドンで開催。当初は男子ダブルス、女子ダブルス、混合ダブルスの3種目で行なわれた(翌年から男女シングルスも実施)。バドミントンの国際大会としては、最も古い歴史を持つオープントーナメントとして知られている。

1977年に世界選手権が開催される以前は、世界の頂点を決める大会として世界のトップ選手が出場し、多くの名勝負を繰り広げてきた。

日本選手は1960〜70年代にかけて、女子シングルスに出場した高木紀子、湯木博恵、竹中悦子などが優勝。女子ダブルスでも相沢マチ子/竹中悦子、徳田敦子/高田幹子などが頂点に立っている。最近では2016年に女子シングルスの奥原希望、女子ダブルスの髙橋礼華/松友美佐紀が単複W制覇を遂げたほか、2018年は混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗が、同種目日本勢初の優勝。2019年は男子シングルスの桃田賢斗が、同種目初優勝を果たしている。※選手名は当時のもの

【過去10年の優勝者】

文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO、井出秀人

投稿日:2020/03/09

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