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【記者会見】「感覚はいままで通り、納得できる精度で打てている(桃田)」<会見コメント-4>

3月6日(金)、1月にマレーシアで交通事故に巻き込まれた桃田賢斗(NTT東日本)が、事故後、初めての記者会見を行なった。ここでは、会見で語られた桃田のコメントを紹介する。

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――(復帰後に)コートの中で練習をしていると思うが、具体的にどこまで(シャトル)打てる状態か。試合はできるのか、全力でスマッシュを打てるのか、ヘアピンなどの感覚などはどうか

桃田 試合はまだできない状態です。本当に少しずつ(練習の強度を)上げていって、無理のない程度に、というトレーニングしかしていないです。でも(シャトルを打つ)感覚はいままで通り、納得できるぐらいの精度で打てているので、そこに対しての焦りはないかなと思います。

――高校選抜が中止となり、バドミントンの高校生も残念に思っている。桃田選手も高校生のときに東日本大震災で試合(選抜が中止)に出られなかった経験をしているが、当時の心境を踏まえて、高校生たちにメッセージをお願いします

桃田 同じ高校の仲間と一緒に過ごせる期間はすごく限られている。自分も高校時代は、気づけば終わってしまった、という感覚でした。その一試合、一大会がなくなるのはすごくつらいし、目標を失いそうな選手もいると思う。でも、そこで腐らずに、みんなバドミントンが好きだからそこまで頑張れて、選抜に出られるレベルになったと思う。その気持ちをもう一回感じて、踏ん張ってほしい。(夏の)インターハイまでの期間は、もっともっと切磋琢磨して、お互いがレベルを上げて、インターハイではハイレベルな試合をしてもらえればと思います。

――全英OPではライバルたちが試合を行なうが、他の選手のプレーはやはり気になるか

桃田 それは気になります。どんなプレーをして、どんな試合をするのか。ライバルでもあるけど、選手たちのことを尊敬しているし、“この人とこの人が対戦したら、どんな試合になるのか”という気持ちがある。見られる限りは、全試合見たいなと思います。(試合を見たらやりたい気持ちも強くなる?)そうですね。焦ってしまう気持ちが出るかもしれないですけど、そこを抑えるのがいまの課題です。

――事故当時、病院で朴柱奉(パク・ジュボン)監督や中西(洋介)コーチの顔を見たとき、どんなことを思ったのか

桃田 いつもそばで見てくれている方たち。すごく不安で、なんとも言えない心境だった中で、(コーチ陣の顔を見て)すごく安心しました。

――手術後、練習で最初にコートに入ったとき、どんな思いで入ったか。そこから、どういった活躍、道のりを思い描いたか

桃田 コートに戻って練習するときは怖さがあって、“また(シャトルが)二重に見えて打てないのではないか”、“治っていないんじゃないか”という怖さはあったけど、いまはしっかり見えているので、(練習は)すごく楽しいですし、いまはもっとうまくなりたい、上手になりたいという純粋な気持ちで取り組むことができているかなと思います。

――事故当時、「バドミントンはできますか?」とコーチの方に聞いたと報道にあったが、そのことについて

桃田 自分自身はボロボロな状態で、すごく不安だったので、朴監督に「バドミントンはできますか?」と聞いたのは覚えています。「しっかり治せば、またコートに戻ってプレーができるよ」といわれました。(そのやりとりは直後か、病院か?)あんまり覚えていないです。

――事故の後、(マレーシアの)マハティール前首相の夫人がお見舞いに来たり、マレーシアの閣僚が来ていた。現地では(桃田選手への)リスペクトがあったと思うが、感謝の気持ちなどがあれば

桃田 そういう方々から激励の言葉をいただくのは、すごくありがたかったです。本当にずっとぐったりしている状態だったので、すごくうれしかったのを覚えています。

――最後になりますが、どんな“桃田賢斗”でコートに戻ってきてくれますか

桃田 すごい経験をしましたし、この経験によって、自分が伝えられることがたくさんあると思う。責任もあると思うので、それらをすべて受け止めて、自分の力に変えられるような、スケールの大きい選手になって、コートに戻れたらいいなと思います。

(司会)最後に一言、桃田選手よりあいさつをして終わりたいと思います

桃田 本日はお集まりいただき、また、応援してくださるファンの皆様、本当にありがとうございました。引き続き精一杯頑張っていきますので、これからも応援よろしくお願いします。ありがとうございました」

約40分におよぶ会見を終え、最後に一礼する桃田賢斗。記者の質問に対して真摯に考え、一言一言丁寧に答えていた

文/バドミントン・マガジン編集部

写真/菅原淳

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