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【記者会見】「一日一日を無駄にしないように取り組んでいけたら(桃田)」<会見コメント-3>

3月6日(金)、1月にマレーシアで交通事故に巻き込まれた桃田賢斗(NTT東日本)が、事故後、初めての記者会見を行なった。ここでは、会見で語られた桃田のコメントを紹介する。

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会見コメント→English

――今回の事故でバドミントができない可能性もあった。バドミントンが自身にとって、どういう存在だったと再確認できたか

桃田 自分にとってバドミントンしかない。バドミントンで成長させてもらっている。バドミントンが好きな気持ちがあるから、こういうふうに頑張れているので、取り組む姿勢はあまり変わらず、これまで通り、自分らしく頑張っていければと思います。

――事故当時、なぜこんな時期にというアンラッキーに感じる部分と、それでも生きることができた、というラッキーに感じる部分があった。(メディアも事故を)受け止める中で複雑な思いはあったが、本人はどのような受け止め方をしたか

桃田 事故で亡くなられた方がいる中でラッキーと思うことは一度もなかったです。ただ、起きてしまったことを引きずっても仕方がないし、まだバドミントンを続けるチャンスがあるので、自分のためだけではなく、バドミントン界によい影響が与えられる選手になりたいと思いました。

――バドミントン選手以前に、25歳の男性として、生きることができたという経験を今後にどうつなげていくか

桃田 自分ができること、取り組めることには全力で責任をもって取り組まないといけないと思いました。また、復帰してトレーニングしたときに、いままで以上に頑張りたい気持ちがわいてきたので、この経験が、自分の心の強い部分になったかなと思います。

――目の前のことを一つひとつという中で、金メダルをめざす五輪に万全で迎えるためには、いま、ポイントや課題になってくることは

桃田 いま試合ができる状態にあるかといわれれば、まだ全然戻っていないので、やらなければいけないことはたくさんあります。先は長いですけど、一つひとつ、焦らず、取り組んでいきたい。また、いままで以上に手厚いサポートをしてくれる周りの方々への感謝の気持ちは忘れずに、いつかコートに戻って、コートの中で表現して、恩返しできるように、一日一日を無駄にしないように取り組んでいけたらと思います。

――事故に遭ったとわかったとき、どんなことが頭に浮かんだか。リハビリについて、どういうことをしているのか

桃田 (車内では)寝ていたので、事故に遭ったときは、何が起きたのかわからず、混乱していました。当時の感情はあまり覚えていないです。目のトレーニングについては、「とにかく目を動かす」ことが大事と言われたので、気づいたときに目を動かすトレーニングをしたり、羽根を打ったりしてます。そういうことが、少しでも早く、完全な状態に戻るための方法かなと思います。

――先程の「心が折れそうになった」「激励の言葉に救われた」と話していた。どういう状況のときが苦しくて、また、それ(激励の言葉)はSNSやLINEでもらったのか。どういう人からの激励だったか

桃田 事故に遭ったときは動けない状況でした。また動けるようになるのか、バドミントンができる体に戻れるのか、という不安もありましたし、手術するかどうかの決断のときにも“うまくいかなかったらどうしよう”という、すごくネガティブな感情が出てきたときは、諦めそうになったりはしました。でも、以前、小学校に訪問したときの生徒の皆さんからの手紙だったり、SNSで自分が尊敬しているスポーツ選手からメッセージをいただいたり、そういうものが励みになりました。いろんな方の激励のおかげで、また頑張ろうと思いました。

――これまでは五輪の「金メダル」という言葉を使わなかったが、あえて(冒頭で)話したのは、何か心境の変化があったか

桃田 正直、この時期に試合が出られないのは致命的だと思います。もしかしたら、前のようにプレーすることができないかもしれないし、それはいまもわからない状態。そういう中でも、自分に期待をしてくれている方々がたくさんいて、すごくありがたい言葉もかけてもらっている。自分はそういった方々に恩返ししたい気持ちがすごく強いので、本当に…今後のバドミントン界に、誰もが注目する大会で結果を残して、いろんなことを伝えられる選手になりたいと思い、“金メダルをとりにいく”という言葉を使いました。

文/バドミントン・マガジン編集部

写真/菅原淳

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