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【全英OP2020展望】桃田不在で混戦模様!欧州の雄・アクセルセンが初Vねらう!<男子シングルス>

3月11日から15日まで開催されるBWFワールドツアー・ヨネックス全英OP(イングランド・バーミンガム/Super1000)。格式の高い伝統の大会は、今回で110回目を迎える。ここでは、世界トップの誰もが憧れる全英OPの各種目の展望を紹介。第1回は混戦必至の男子シングルスにクローズアップする。

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【男子シングルス展望】

2019年の前回大会、伝統の全英OPの優勝カップを掲げたのは、日本の桃田賢斗(上写真)だった。同種目では、日本人男子として史上初となる快挙。決勝ではビクター・アクセルセン(デンマーク)との激戦を2−1で制し、見事頂点に立った。

今大会は、その桃田が1月の交通事故の影響により欠場。昨季11優勝の絶対王者不在となり、男子シングルスの優勝争いは混沌となる。そんな中、全英タイトルに強い思いを持つのが、前回大会準優勝のアクセルセン。1999年にピーター・ゲード・クリステンセン(名前は当時のもの)が優勝を果たして以来、男子単のデンマーク勢はタイトルから遠ざかっている。前回はあと一歩のところで桃田に優勝を奪われたが、欧州の雄としては、なんとか歴史ある全英の称号を手にしたいところだ。

アクセルセンは1月のマレーシアマスターズで準優勝、2月のスペインマスターズでは優勝を飾っている

そのアクセルセンは第2シードから頂上をめざすが、同じ山には中国トップの3選手が入った。アクセルセンが準々決勝で激突しそうなのが、石宇奇(シー・ユーチー)。昨季は左足首のケガで思うようなパフォーマンスを発揮できなかったが、今年1月のマレーシアマスターズ、インドネシアマスターズ(ともにS500)ではベスト8に入り、タイマスターズ(S300)でベスト4の成績を残した。2年前の全英OPを制していることもあり、思い出の地で復活をめざす気持ちは強いだろう。アクセルセンにとっては、最初の難所となりそうだ。

ここを勝ち抜くと、準決勝では諶龍(チェン・ロン)、林丹(リン・ダン)といった全英の頂点を知る選手や、インドネシアのジョナタン・クリスティ、インドのスリカンス・キダムビなど強豪との激突が予想される。

左が初優勝をねらうアクセルセン、右は第1シードの周天成

一方、第1シードの周天成(チョウ・ティエンチェン/台湾)がいる山には、アンソニー・S・ギンティン(インドネシア)やアンダース・アントンセン(デンマーク)、大ケガから復帰した韓国の孫完虎(ソン・ワンホ)といった選手が並んだ。日本の西本拳太、常山幹太もこちらの山に入っており、常山は初戦を突破すると2回戦で周天成との勝負になりそう。また、西本も準々決勝まで勝ち上がると、周天成や常山と当たる組み合わせになっている。

【日本選手の1回戦】
(世界ランキングは3月3日付)

常山幹太(WR11位)
1回戦:ソウラブ・バラマ
(インド/WR30位)

桃田の欠場により、日本選手最上位となるWR11位で臨む今回の全英。昨年はベスト8の成績を残しており、2年連続での上位進出をねらいたいところだ。その常山の初戦の相手は、インドのソウラブ・バラマ。過去の対戦成績は、昨年7月のタイOP(S500)の1戦のみで、このときは常山がファイナル勝負を制している。ここを勝ち抜けば、2回戦で第1シードの周天成との勝負が待っている。

西本拳太(WR16位)
1回戦:伍家朗(香港/WR9位)

初戦の相手は香港のエース、伍家朗(ン・カロン)となった。2人の対戦成績は5勝2敗で西本が勝ち越しているものの、直近で対戦したタイマスターズでは、決勝戦で伍家朗に敗れている。西本にとってはリベンジマッチとなるが、2年前の全英OPで対戦したときは西本が勝利をしており、相性のよさを初戦突破につなげたい。なお、西本が2回戦に勝ち上がった場合、王子維(ワン・ツーウェイ)とプラノイ・H.S.(インド)の勝者と対戦する。

【全英選手権】

1899年に第1回大会をロンドンで開催。当初は男子ダブルス、女子ダブルス、混合ダブルスの3種目で行なわれた(翌年から男女シングルスも実施)。バドミントンの国際大会としては、最も古い歴史を持つオープントーナメントとして知られている。

1977年に世界選手権が開催される以前は、世界の頂点を決める大会として世界のトップ選手が出場し、多くの名勝負を繰り広げてきた。

日本選手は1960〜70年代にかけて、女子シングルスに出場した高木紀子、湯木博恵、竹中悦子などが優勝。女子ダブルスでも相沢マチ子/竹中悦子、徳田敦子/高田幹子などが頂点に立っている。最近では2016年に女子シングルスの奥原希望、女子ダブルスの髙橋礼華/松友美佐紀が単複W制覇を遂げたほか、2018年は混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗が、同種目日本勢初の優勝。2019年は男子シングルスの桃田賢斗が、同種目初優勝を果たしている。※選手名は当時

【過去10年の優勝者】

文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO

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