日本A代表にとって2020年の初陣となったマレーシアマスターズ(Super500)とインドネシアマスターズ(Super500)。日本勢は男子シングルスの桃田賢斗がマレーシアマスターズで優勝を飾ったものの、そのほかの種目では準決勝止まりとなり、厳しい結果に終わっている。一方で、他国は着実に上位進出を果たしており、特に中国、インドネシア、デンマーク勢の活躍が目立った。ここでは、海外勢が活躍した2大会の結果について、男子シングルスから振り返っていく。
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【マレーシアマスターズ】
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2020年の初戦となったマレーシアマスターズには、世界ランキング上位陣が多数出場。そんな中、2019年に11優勝を飾った桃田賢斗が、他国の包囲網をしっかりくぐり抜けてマレーシアマスターズを制してみせた。その桃田と決勝を争ったのは、S500以上の大会では、2019年3月のインドOP(S500)優勝以来の決勝進出となったビクター・アクセルセン(上写真/デンマーク)。決勝戦では桃田に0−2で敗れたものの、久々のセンターコートで第1ゲーム22-24と接戦に持ち込むなど、健在ぶりをアピールした。
ベスト4に入ったのが、開催地マレーシアの期待のエース、リー・ジジャと、香港の第一人者である伍家朗(ン・カロン)。ともに昨年後半は好結果に恵まれなかったが、20年最初の大会で好スタートを切った。ベスト8には、左足首をケガして以来、不調が続いていた石宇奇(シー・ユーチー)や、2016年リオ五輪金メダリストの諶龍(チェン・ロン)、黄宇翔(ファン・ユーシャン)ら中国3選手が入った。また、デンマークのラスムス・ゲンクを2回戦で下しているジョナタン・クリスティ(インドネシア)も、準々決勝に進出している。
▼マレーシアマスターズ上位成績
優勝:桃田賢斗
準優勝:ビクター・アクセルセン(デンマーク)
ベスト4:リー・ジジャ(マレーシア)、伍家朗(香港)
ベスト8:石宇奇(中国)、諶龍(中国)、黄宇翔(中国)、ジョナタン・クリスティ(インドネシア)
【インドネシアマスターズ】
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マレーシアマスターズからの連続開催となったインドネシアマスターズには、桃田が欠場(マレーシアからの帰国途中に、交通事故に巻き込まれる)。主役不在となった大会を制したのは、地元インドネシアのエースとなったアンソニー・S・ギンティン(上写真)だった。2回戦では母国の大先輩であるトミー・スギアルトを2−0で退け、準決勝ではマレーシアマスターズ準優勝のアクセルセンをストレートで撃破。決勝も、今大会の連覇をねらうアンダース・アントンセン(デンマーク)を、1時間を超える熱戦の末に破って優勝。地元ファンの前で久々の栄冠を手にしている。
決勝で敗れはしたものの、準優勝の好成績を残したアントンセン(上写真)は、初戦で大ケガからの復活をねらう韓国の孫完虎(ソン・ワンホ)を下し、2回戦でも日本の西本拳太をファイナルゲームの末に退けてみせた。準々決勝でも難敵・ジョナタン・クリスティを破るなど、昨年一気にブレイクしたアントンセンが、その強さを示しながら上位に勝ち進んでいる。
ベスト4に入ったのは、2大会連続で上位進出を決めたアクセルセン。そして、昨年の香港OP(S500)で初優勝を飾った李卓耀(リー・チョクイゥ/香港)の2人。ベスト8には、2大会連続で準々決勝に進出したジョナタン、石宇奇、黄宇翔に加えて、23歳の趙俊鵬(ツァオ・ジュンペン/中国)が進出した。
▼インドネシアマスターズ上位成績
優勝:アンソニー・S・ギンティン(インドネシア)
準優勝:アンダース・アントンセン(デンマーク)
ベスト4:ビクター・アクセルセン(デンマーク)、李卓耀(香港)
ベスト8:趙俊鵬(中国)、黄宇翔(中国)、石宇奇(中国)、ジョナタン・クリスティ(インドネシア)
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO