12月16日(月)、成田空港内にてBWFワールドツアーファイナルズ(中国・広州)でファイナリストとなった選手の帰国会見が行なわれた。
日本勢は男子シングルスで桃田賢斗が4年ぶり2度目の優勝を飾ったほか、男子ダブルスの遠藤大由/渡辺勇大、女子ダブルスの松本麻佑/永原和可那がそれぞれ準優勝を果たしている。
以下は、会見と囲み取材に応じた桃田賢斗、朴柱奉日本代表監督のコメント。
桃田賢斗
ツアーファイナルズに入る前に国内でも大会があって、ハードなスケジュールだったのですが、世界トップ8の選手が出ている中で、しっかり5試合勝ち抜けたというのは、すごく自信になりました。年間11大会優勝は史上最多ということですが、これに満足せず、もっと精進していきたいと思います。
自分は風のある体育館でプレーするのは苦手でしたが、今回、そうした環境の中でも風上での戦い方、風下での戦い方というのも少しずつわかってきましたし、自分のスピードも上がってきているというのを感じられました。
いつも(決勝で対戦した)ギンティン選手と対戦すると、ずっと攻められている展開が多いのですが、自分のスピードもある程度出せていたと思いますし、それほど主導権を握られたまま試合が進んでいたわけではなかったので、冷静に相手を見られていたかなと思います。
ずっとスピードを上げているのではなく、点数を取りにいくときにスピードを上げるといったスピードのかけひきというのが最近は少しずつできていると思います。ただ、決勝でもスピードを上げたときのスマッシュで何本かアウトする場面もありましたし、まだまだスピードを上げたときの精度は足りないかなと思います。
ディフェンスにはある程度自信があるので、攻撃という部分をテーマに、2020年も引き続き取り組んでいきたいと思います。来年のテーマを一文字で表すとすると、「攻」です。1年以上、世界ランキング1位を継続できていますが、勝てなくなる時期も絶対くると思うので、そういったときにプレー面で縮こまってしまったり、保守的にならずに、自信をもって攻めていけるように。強気でいけるように、ですね。
今年は自分の成長を感じることができた一年でした。世界ランキング1位になって迎えましたが、自分がイメージしていた世界ランキング1位というイメージとは程遠く、一時期は自分に自信をなくしていましたが、そういう中でももがきながら、練習に取り組んで、結果を出すことができました。いまは堂々とプレーすることができています。
東京オリンピックもだんだん近づいているんですけど、オリンピックレースも続きますし、先を見ずに、自分ができることを少しずつ、精一杯できればいいかなと思います。
朴柱奉ヘッドコーチ
世界トップレベルが集まった大会で、リーグ戦をしてから決勝トーナメントということでオリンピックをイメージして選手はいい経験ができました。
男子シングルスの桃田選手が優勝、また男女ダブルスがそれぞれ準優勝、そして4つの銅メダル。特に桃田選手は今年11回目の優勝です。これまではリー・チョンウェイ選手がつくった1年間で10回の優勝が最多記録でしたが、今回、桃田選手がその記録を破りました。今年のパフォーマンスはすばらしかったと思います。
男子ダブルスの遠藤/渡辺ペアはグループリーグで全勝。グループリーグでも世界1位のペアに勝ちましたが、準決勝でも勝利。決勝も勝つチャンスはあったと思います。女子ダブルスでも日本の2ペアが準決勝までいって、決勝では残念ながら中国ペアに負けました。女子ダブルスの場合は、韓国、中国のペアが来年のオリンピックに向けてもライバルになってくると思います。
女子シングルスは、奥原(希望)選手、山口(茜)選手がベスト4。来年のオリンピックに向けて、今回優勝した中国の陳雨菲選手、世界1位の戴資穎選手、世界チャンピオンのシンドゥ選手、リオ五輪を制したマリーン選手と、いい勝負ができるんじゃないかと思っています。
ミックスダブルスは、渡辺/東野ペアがグループリーグで全勝。世界1位の中国ペアにも勝ちました。準決勝でもう一度対戦して敗れましたが、本当にいいパフォーマンスができました。いままでミックスダブルスは中国が強く、もっと差があるイメージでしたが、今回、試合を見ていたら同じくらいのレベルでプレーできていたと思います。
年末の12月29日から年明け1月4日まで、日本代表合宿があります。東京オリンピックに向かって、また準備していきます。
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部