12月14日に開催されたBWFワールドツアーファイナルズ(中国・広州)4日目は、決勝トーナメント準決勝が行なわれた。ここでは男子ダブルスと混合ダブルスのダイジェストをお伝えしよう。
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【男子ダブルス】
遠藤大由(上写真)/渡辺勇大は、世界ランク1位のギデオン/スカムルヨ(インドネシア)と対戦。大会2日目にファイナルゲームで勝利した最強ペアと、再び激闘を繰り広げた。
第1ゲームは、好調のレシーブを主体にラリーを組み立てる遠藤/渡辺。すると、序盤はギデオンにミスが続発して、日本ペアがリードを奪う。中盤で追い上げられたが、インターバル明けから3連続得点。ギデオンのスマッシュによる1失点を挟んで5連続得点で一気にゲームをモノにした。終盤、混合ダブルスとの連戦で疲れているはずの渡辺が、ネット前にダッシュしてクロスプッシュを打ち込んで17点目を奪うなど、充実感の漂う内容だった。
第2ゲームは、ギデオンのスマッシュを返し続けた日本ペアだったが、前衛で素早く動くスカムルヨにつかまった。7−5から8連続失点で引き離され、最後は15-21。ファイナルゲームは、低空戦で負けずに押し返して11-4のリードで折り返し。攻撃に焦りが見えるギデオン/スカムルヨに、しっかりと守備からリズムをつくってリードを生かす展開に持ち込み、隙を突いて攻守交代。連続攻撃で押しきり、最後は21-10でゲームを制した日本ペアが決勝進出を決めた。
男子ダブルス準決勝の結果は以下の通り。
▼準決勝
遠藤大由/渡辺勇大(A1位)②〔21−11、15−21、21−10〕1●ギデオン/スカムルヨ(インドネシア/A2位)56分
セティアワン/アッサン(インドネシア/B2位)②〔21−14、21−9〕0●王齊麟/李洋(台湾/B1位)26分
▼決勝戦
遠藤大由/渡辺勇大 ― セティアワン/アッサン(インドネシア)
【混合ダブルス】
予選リーグ3連勝の渡辺勇大(上写真・右)/東野有紗は、その予選で破った鄭思維(中国/ツェン・シーウェイ)/黄雅瓊(ファン・ヤーチョン)との再戦に臨んだ。大会初日は2−0(15本、15本)で完勝したが、容易に連勝を許してくれる相手ではなかった。試合序盤、東野が果敢に前衛からプレッシャーをかけたが、その逆を突く中国ペア。反応が遅れた東野と、カバーに入る渡辺が重なるシーンが何度も見られた。中国ペアに試合のペースを握られ、第1ゲームは7-21と厳しい内容で奪われた。
しかし、技術なら渡辺も負けない。第2ゲーム序盤、渡辺は相手のタイミングを外すショットを何度も繰り出して11-5のリードで折り返すと、14点目は、東野のバックハンドから技ありクロスネット。ゲーム終盤は東野の低い球が冴え渡り、フットワークで圧倒。最後は渡辺のスマッシュから東野のプッシュにつなげて、21-12で第2ゲームを取り返した。
逆転勝利をめざした臨んだファイナルゲームは、中国ペース。浮いたレシーブを何度も強打されて連続失点した日本ペア。中盤はじりじりと追い上げ、東野が強打をねばり強く返す場面もあったが、最後は力で押し切られ敗戦。2人の快進撃は準決勝で止まった。それでも、世界ランク1位を相手に今大会は1勝1敗、内容面でも手応えはあった。渡辺は「1回勝ったことは大きいし、(中国ペアに)イージーな相手だと思われたくない」と、今後も最強ペアに食らいつく意気込みを示した。
混合ダブルス準決勝の結果は以下の通り。
【混合ダブルス】
▼準決勝
王懿律/黄東萍(中国/A1位)②〔21−17、21−16〕0●デチャポル/サプシリー(タイ/A2位)45分
鄭思維/黄雅瓊(中国/B2位)②〔21−7、12−21、21−16〕1●渡辺勇大/東野有紗(B1位)57分
▼決勝
鄭思維/黄雅瓊(中国) ― 王懿律/黄東萍(中国)
取材・文/平野貴也
写真/BADMINTONPHOTO