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【WTF2019】4年ぶりの優勝をめざす桃田&奥原が白星発進!山口も世界女王を下す!<初日:シングルス>

12月11日にワールドツアー年間王者を決めるBWFワールドツアーファイナルズ(中国・広州)が開幕した。ワールドツアーランキングの上位8名/ペア(世界選手権優勝者は優先出場)が参戦するこの大会に、日本から5種目すべてでエントリー。昨年は女子ダブルスの髙橋礼華/松友美佐紀が優勝に輝いており、今年も多くの日本選手が年間王者のタイトルをねらいにいく。ここではシングルスのダイジェストをお伝えしよう。

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WTファイナルズ2019
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【女子シングルス】

勝負にこだわる奥原希望(上写真・右)が、自信を深める1勝を挙げた。

大会初日、女子シングルスのグループB・奥原希望は、戴資穎(台湾/タイ・ツーイン)と対戦。第1ゲームは、中盤からじっくりタメをつくって打ってくる相手に逆を突かれる場面が目立ち、主導権を奪われた。相手の11点目は、ネットインしたヘアピンをクロスにネットインで返す鮮烈なショット。17点目は、奥原がクロスに揺さぶり、ストレート返球しかないと思われた場面から戴資穎が意表を突くクロスでポイントを奪った。奥原はコースをなかなか読めず、第1ゲームは、15-21で取られた。

しかし、第2ゲームになると、奥原が戴資穎のミスショットをしっかりと見きってねばり始める。スピードを上げた際の球が甘くなっていたことをベンチから指摘され、すぐに修正。「次の準備を早くするのではなく、球のクオリティを意識した」と改善してリードをつかんだ。第2ゲーム終盤に4連続失点で逆転されたが「攻撃的な守備」(奥原)を貫き、今度は奥原が4連続得点で取り返し、21-18で第2ゲームを制した。

ファイナルゲームは、相手の揺さぶりに、奥原が自慢のフットワークで食らいついた。「私の方がスピードをキープできていたと思う」と話した奥原の9点目は、相手がネット前でクロスへ打ったプッシュに奥原が飛びついて返球した1点。11点目は、ラウンドからのクロスドロップで、戴資穎の逆を突いた。19オールと最後まで競ったが、最後はラインジャッジを迷った相手のミスショットで終了。2−1の逆転で世界ランク1位を撃破し、白星発進をきった。

女子シングルスのグループAに入った山口茜(上写真)は、世界選手権女王のプサルラ・V.シンドゥ(インド)と対戦。第1ゲームは終盤にコントロールミスが続いて失点。2点差まで追い上げたが、甘くなった球を長身のシンドゥに強打された。

第2ゲームも中盤まではネット前に沈めた球を、リーチの長い相手に拾われて苦しんだが、終盤に巻き返す。「思っていたよりいいプレーができた。いつもなら点差が危なくなると、相手の攻撃が怖くなって自分から無理に攻めてしまい、逆にやられてしまうことが多かったけど、昨日、朴さんから『負けてもいいから、高さを使って、よかったときのプレーをできるようにしよう』といわれていた」と話したとおり、相手を前後に揺さぶり、ペースを奪還。18オールからの19点目は、会場がどよめくダイビングクロスレシーブから相手のミスを誘ったもの。カウンターのドライブで21点目をつかみとった。ファイナルゲームは、山口のペース。ラリーで揺さぶり、切れ味のあるスマッシュを決めて圧倒した。

【男子シングルス】

この大会の前身であるBWFスーパーシリーズ・ファイナルズ以来、4年ぶり2度目の優勝をねらう世界ランク1位の桃田賢斗は、同19位の王子維(台湾/ワン・ツーウェイ)と対戦。第1ゲームから主導権を握り、隙を与えない試合運びで完勝。ショットだけでなく「相手は普段からネットを切ってスマッシュをねらうパターンが多い。(風下だった)第2ゲームは、めちゃくちゃ前に出てプレッシャーをかけたのが、うまくはまった」と、戦術的な部分でも相手をコントロールしていた。

海外勢では、男子のグループBが両試合とも大激戦となった。諶龍(中国/チェン・ロン)は、地元の応援を受けて、ビクター・アクセルセン(デンマーク)との技術戦を制した。第2ゲームを失って追いつかれたが、ファイナルゲームに勝利。互いに連続得点が少ない拮抗した展開の中、試合中盤に逆転してそのまま押しきった。ともにカウンターレシーブや打点の高いジャンピングスマッシュなど見せ場が多く、会場が盛り上がった試合だった。

WTランク2位の周天成(台湾/チョウ・ティエンチェン)も、桃田の宿敵であるアンソニー・S・ギンティン(インドネシア)に2-1の熱戦で勝利。ファイナルゲームも最後までもつれたが、最後はギンティンのヘアピンがネットにかかり、25-23で決着した。

日本選手の初日の結果は以下の通り。

▼予選リーグ第1戦(12月11日)

【男子シングルス】

◆グループA

桃田賢斗②〔21−10、21−9〕0●王子維(台湾)29分

【女子シングルス】

◆グループA

山口茜②〔18−21、21−18、21−8〕1●プサルラ・V.シンドゥ(インド)68分

◆グループB

奥原希望②〔15−21、21−18、21−19〕1●戴資穎(台湾)61分

▼予選リーグ第2戦(12月12日)

【男子シングルス】

◆グループA

桃田賢斗 ― アンダース・アントンセン(デンマーク)

【女子シングルス】

◆グループA

山口茜 ― 何冰嬌(中国)

◆グループB

奥原希望 ― ブサナン・ンバルンパン(タイ)

▼予選リーグ第3戦(12月13日)

【男子シングルス】

◆グループA

桃田賢斗 ― ジョナタン・クリスティ(インドネシア)

【女子シングルス】

◆グループA

山口茜 ― 陳雨菲(中国)

◆グループB

奥原希望 ― ラチャノック・インタノン(タイ)

取材・文/平野貴也

写真/BADMINTONPHOTO

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