日本一を決める「第73回全日本総合選手権」が、11月26日に開幕した。今年も東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館を舞台に、12月1日の決勝戦まで熱戦が展開される。大会４日目の29日は、各種目準々決勝を実施。ここでは、熱戦を繰り広げた選手たちのコメントを紹介する。
井上拓斗（左）＆金子祐樹（日本ユニシス）
結果：男子ダブルス・古賀輝／齋藤太一（ＮＴＴ東日本）に０－２で敗戦
井上「全然ダメでした。海外のトーナメントもそうですけど、いつも通りといえばいつも通りで…。ただ、こういう場所で、ちゃんとしたというか、いいプレーができなかったことが残念です。
（ベスト８という結果について）去年ベスト16なので、それを踏まえたら、ひとまずよかったかなと思います。納得といえば納得ですけど、決勝の舞台に立ったことがなかったので、やめるまでに立ちたかった。これでやめるわけじゃないけど、チャンスってそんなにないと思うので。１回１回を大事にできていないというのがあると思う。大ケガして来年、今後、出られない可能性も出てくるかもしれない。やれているときに、早い段階で立ちたかった」
金子「勢いでバーッてこられて……勢いもそうですけど、全体を通して完敗だったかなと思います。とくに１ゲーム目は、自分が後ろで打つ展開が数えるほどしかなかったですし、常にレシーブしているような展開で、先に落とされて、こっちから攻撃を仕掛けることができなかった。２ゲーム目も同じような感じでした。５月のランキングサーキットで勝ったときは自分たちが先に仕掛けていい形を多く作れていました。でも、今日は相手に先に仕掛けられて、しのぐことができなかったです。（ベスト８という結果については）意味のない結果だと思います」
五十嵐優（日本ユニシス）
結果：男子シングルス・坂井一将（金沢学院クラブ）に１－２で敗戦
「ファイナルリードした場面で、逆転されて、情けないです。今年は、終盤リードしたところから逆転されることが多くて、そこが課題でしたが、結局、一年間何も変わっていない。
自分のプレーをしっかり出していかないといけないところで弱気になってしまって…。いまの試合もそうでしたが、ちょっとリードすると決め急いでしまったり、自分の中でリズムをしっかりつくってラリーしていこうという中で、焦って早くタッチしてアウトしたり。変わっていないです。
（元チームメートだった坂井との対戦だったことについて）練習でも打ち合っていて、やり慣れているところはあったんですけど…。ユニシスで残っているのは自分だけだったので、そこは絶対に負けられない気持ちをもって臨みました。チームのシングルス陣の中で、坂井さんが抜けて自分が一番年上になり、引っ張っていかないといけない立場になったのに、ここで負けてしまって、本当に残念です。
山下恭平＆篠谷菜留（日本体育大＆日本ユニシス）
結果：混合ダブルス・渡辺勇大／東野有紗（日本体育大／日本ユニシス）に０－２で敗戦
篠谷「世界のトップと試合ができる機会は、こういうときしかない。私たちも海外はまわっているけど、（出場しているのは）位が下の大会なので、こういうふうにトップランカーの球を受けてみて、改めて差があって、自分たちの直すところがたくさんあったなと思います。
山下「自分のプレーは出しきりましたが、通用しなかったかなと思います。次、頑張ります」
峰歩美（再春館製薬所）
結果：女子シングルス・髙橋沙也加に０−２で敗戦
「２ゲーム目のよかったプレーを、１ゲーム目から出したかったのですが…やっぱり（相手の攻撃が）強烈でしたね。なかなかうまくいかなくて。
（総合にはどういう気持で臨んだか？）ここ最近、勝っている試合も多くなかったnので、とりあえず悔いがないように、思いきって試合ができたらと臨みました。（準々決勝は）負けるにしてもファイナルゲームまで競って、もっと長い試合がしたかったなと思いました。（不完全燃焼？）ちょっと…そうですね。どうしても背の高い選手に打ち切られてしまうので、もっと攻めのバリエーションやコントロール、いい配球ができるようになりたいです」
三上楓／霜上雄一（日本体育大）
結果：男子ダブルス・岡村洋輝／小野寺雅之（日本ユニシス／早稲田大）に１−２で敗戦
三上「僕ら４年生なので、霜上との試合は最後。いけるところまでいこう、という気持ちで臨んだ大会でした。抽選の段階で小林（優吾／トナミ運輸）選手がキケンするのを聞いていたので、エイトをねらえると思い、最低限の目標を達成できたのはうれしいです。でも、格上相手との試合は、ファイナルゲームまでいったけど、内容的には、まだまだ。上の選手とは、少しまだ距離が遠いかなというのが自分の中にありました。試合中に修正しきれなかったので、そういうのは、来年から実業団（三菱自動車京都に内定）でやっていくので、格上にも勝てるように、修正してイチから頑張りたいと思います」
霜上「今回、自分が（抽選の）クジを引いて、ベスト８をねらえるところに入ったので、そのチャンスを生かそうと思いました。準々決勝は、昨年ベスト４に入ったペアに挑戦という気持ちでしたが、上の人は点数の取り方がうまかった。今後は上の相手に勝負強くついていけば、追い越せる部分もあると思う。そういう面を社会人（日立情報通信エンジニアリングに内定）になってから身につけていきたいです。
（総合男子シングルス優勝実績のある父とのやりとりはあったか？）『エイトに入ってラッキーだね』といわれました。でも相手（保木／小林）がキケンしたのも知っていたので、それは最低条件だとも。『今日（準々決勝）も勝たないと社会人にいってもついていけないぞ』ともいわれましたが…そこで勝ちきれないのがまだダメなところ。社会人になって、修正していきたいですね」
取材・構成／楊順行、吉井信行、バドミントン・マガジン編集部
写真／菅原淳
