奈良岡功大(浪岡高)②〔21-14、21-14〕0●下農走(トナミ運輸)
インターハイ王者の奈良岡功大(写真)と、日本B代表のサウスポー・下農走。ともにストレート勝利で1回戦を突破した両者が、2回戦で激突した。
第1ゲーム、4−4から一歩抜け出したのは奈良岡。さらに7−5から、下農の4連続ミスなどで12−5とリードを広げる。前日の1回戦ではクリアーとカット・ドロップを主体に、じっくりゲームを進めていた奈良岡だが、この日はジャンプスマッシュを放つなど攻撃的にプレー。ラリーを奪うと拳を握って雄叫びをあげ、気合十分だった。
下農も左腕からの鋭いショットでエースを奪うが、スマッシュやクロスカットがサイドラインを割るなど、ミスの差がそのままスコアの差に。長いラリーをしっかり取った奈良岡が、21−14で第1ゲームを奪った。
第2ゲームの折り返しは、11−10で奈良岡。インターバル後、12−11と奈良岡が1点リードの場面から、連続5得点で17−11。自らのエースショットと、下農のミスが交互に続き、一気に点差を広げた。最後は下農のロブが大きくバックラインを越え、21−14でゲームオーバー。流れに乗れなかった下農に対し、しっかり勝利を引き寄せた奈良岡。準々決勝の対戦相手は下農のチームメート、日本A代表の西本拳太だ。
◆◆◆コメント◆◆◆
奈良岡功大(浪岡高3年)
「昨日の1回戦は長い試合をして疲れましたが、今日は自分から攻めて行けたのがよかったです。下農選手は、スマッシュも速いしパワーもある。ネット前に出てプッシュを打つのも速いので、それをどう打たせないようにするかを考えて、打たれても対処できるように構えることを意識しました。プレー面では、自分の単発のミスをなくして、得意のラリーで上回れたかなと思いますし、相手より自分のほうが気持ちで勝っていたと思います。
明日の相手はまだ決まっていませんが(試合後に西本拳太選手〈トナミ運輸〉に決定)、誰が相手でも、自分のプレーを貫いていきたい。自分の持っている力を全部出して戦いたいです」
下農走(トナミ運輸)
「相手のレシーブがよかったぶん、自分がラリーをしたら勝てないというのはわかっていたので、最初からスピードを上げてリードする展開にもっていきたかったのですが、出だしで相手に点数を取られすぎて、自分が引いてしまう場面が多かった。相手がレシーブのいいときに、自分の球がどれだけ質よくテンポよくいけるかが、鍵だったと思います。
ラリーをしたら、相手のほうが技術もあるし、ラリー力も高い。自分がリスクを負ってでも攻めて、相手にプレッシャーかけていかないと、相手はミスをしてくれないと思ったので先に攻めることを意識しましたが、自分で先にミスをしてしまい、プレッシャーをかけられなかったです。
レベル的にはわからないけど、相手は高校生で年下。そういう意味で負けたくない気持ちは強かったです。ただ、自分のほうが世界ランキングは下ですし、相手は海外の大会でも勝っているので、自分は挑戦者の気持ちでいかないといけないところを、緊張やプレッシャーを自分のほうがより感じてしまったのかなと思います」
取材・文/平田美穂、バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原 淳