日本一を決める「第73回全日本総合選手権」が、11月26日に開幕した。今年も東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館を舞台に、12月1日の決勝戦まで熱戦が展開される。大会2日目の27日は、各種目1回戦を実施。ここでは、高校生で唯一、単複で2回戦に進出した髙橋美優(青森山田高)の戦いをクローズアップする。
今年9月の全日本ジュニアで単複2冠を果たした髙橋美優(青森山田高)。全日本総合では高校生でただ一人、単複の1回戦を戦い、そろって2回戦進出を決めた。
シングルスの相手は佐藤冴香(ヨネックス)。この大会を2016年に制しているベテランを相手に、高校2年生の髙橋が2-0のストレートで勝ちきった。
試合は第1ゲームの序盤こそ4-8とリードされたが、髙橋はここから7連続得点で逆転に成功。果敢に攻撃を仕掛けてリズムをつかむと、第1ゲームを21-16で先制した。
すると、第2ゲームは髙橋のペースに。サウスポーからの鋭いカットや得意のネット前などで得点するたび声を出し、ガッツポーズ。8月にケガから復帰した佐藤は本調子が出ず、ミスを重ねる。最後は髙橋が21-12で勝負を決めた。
髙橋にとって、佐藤は同じサウスポーで、あこがれの選手。「佐藤選手はプレッシャーもあって、ケガ明けで、本調子ではなかったと思います。自分は向かっていく気持ちだけは絶対に緩めないようにして、最後まで自分のプレーを出せたのがよかったです。これを自信にしていきたい」。
2回戦の相手はA代表の大堀彩(トナミ運輸)。「目標はベスト8。前回の初戦で戦って負けているので、明日は今日よりもっといい試合ができるように頑張りたいです」。
ダブルスは、今年の選抜とインターハイを制した大竹望月(写真・右)と登場した。大竹は3年生で、青森山田高を背負ってペアを組むのはこの大会が最後。2人は「ベスト8を目標に声を掛け合いながら練習してきた」(大竹)力を大舞台で発揮した。
相手はS/Jリーガーの加藤美幸/柏原みき(ACT SAIKYO)。5月の日本ランキングサーキットで準優勝した強敵だが、第1ゲームは大竹/髙橋が息の合ったコンビネーションで9-3とリード。その後も先行して21-15でこのゲームを奪うと、第2ゲームは競り合いを抜け出し23-21。マッチポイントを握ってから追いつかれたものの、「藤田(真人)先生が『楽しんで』といってくれて、2人とも笑顔が出た。最後は自分たちのプレーができた」(髙橋)と気持ちで引かなかった。
明日の2回戦は中村麻裕/重田美空(ACT SAIKYO)と対戦する。大竹は「今日勝ててうれしい気持ちもありますが、目標はベスト8に入ることなので、気を抜かずに頑張っていきたい。自分たちらしく攻めて、試合を楽しみたい」と話し、髙橋は「私たちは、2人ともすごく負けず嫌い。滑り込んで拾ったりもするので、そこを見てほしいです!」と笑顔でアピールした。
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳