11月19日から24日までBWFワールドツアー・韓国マスターズ(Super300/光州)が開催された。日本はB代表選手らが派遣されたほか、A代表選手なども自費参戦して上位進出を果たしている。
24日に行なわれた各種目の決勝戦には、日本から男子シングルスの常山幹太と女子ダブルスの髙橋礼華/松友美佐紀、志田千陽/松山奈未が勝ち進んだ。
男子シングルスの常山は、2回戦でインドのスリカンス・キダムビ(インド)を2−0で下して勢いにのると、準決勝では中国の若手・陸光祖(ルゥ・グァンズ)をファイナルゲーム17本で退けて久々の決勝に進出。頂上決戦の相手は中国のレジェンド・林丹(リン・ダン)だったが、近況苦しい成績が続く二人の対戦は、第1ゲームから接戦となった。
前半は互いにポイントをつかんで8オールとしたが、ここから常山が7連続ポイントで一気に引き離す。しかし、林丹も負けじと連続ポイントで17オールに追いつくと、試合は再び点の取り合いに。すると、22オールから先に2連取した常山が第1ゲームを先制した。第2ゲームに入っても主導権を譲らない展開となったが、中盤から先に抜け出した常山が、レジェンドを12本に抑えて優勝。昨年7月のタイOP(Super500)以来となる頂点到達となった。
日本人対決となった女子ダブルスは、B代表の志田/松山(上写真・左)が髙橋/松友から勝利を奪い、今年のUSOP(Super300)以来の優勝を飾った。
東京五輪への激しい出場権争いを演じている髙橋/松友にとっては、ここで優勝を飾り先行する福島由紀/廣田彩花、松本麻佑/永原和可那に一歩でも近づきたいところだったが、その前に立ちはだかったのが志田/松山だった。決勝戦は第1ゲームこそ髙橋/松友が21-15で制してみせたが、第2ゲームはチャレンジャーの志田/松山が17本で奪い返す。最終ゲーム、スコアは大きく離れず髙橋/松友がリードしながら試合は進んだが、中盤13-14から4連続得点を手にしたのが志田/松山。意地をみせる髙橋/松友に18オールまで並ばれたが、最後は志田/松山が3連取して勝利。国内のトップダブルスを68分の激闘の末に下した志田/松山が、今季2つ目の栄光を手にしている。
このほか、女子シングルスは韓国のエース・成池鉉(スン・ジヒュン)と、17歳のホープ、アン・セヨン(上写真)の地元対決となり、女王に輝いたのはアン・セヨン。国際大会ではこれまで3連敗だった先輩を2−0で退け、Super300以上の大会ではニュージーランドOP(S300)、フランスOP(S750)に続き3つ目のタイトルを獲得している。
男子ダブルスは台湾の1番手、王齊麟(ワン・チーリン)/李洋(リー・ヤン)がリオ五輪銀メダリストのゴーVS/タンWK(マレーシア)をファイナル勝負の末に下して優勝。混合は香港の鄧俊文(タン・チュンマン)/謝影雪(ツェ・イエンスエット)が頂点に輝いている。
また、日本勢は女子シングルスの山口茜、川上紗恵奈がベスト4。男子シングルスの渡邉航貴がベスト8の結果を残した。
決勝戦の結果、日本勢の成績は以下の通り。
▼決勝戦(11月24日)
【男子シングルス】
常山幹太②〔24−22、21−12〕0●林丹(中国)51分
【女子シングルス】
アン・セヨン(韓国)②〔21−13、21−17〕0●成池鉉(韓国)45分
【男子ダブルス】
王齊麟/李洋(台湾)②〔21−19、20−22、21−19〕1●ゴーVS/タンWK(マレーシア)59分
【女子ダブルス】
志田千陽/松山奈未②〔15−21、21−17、21−18〕1●髙橋礼華/松友美佐紀68分
【混合ダブルス】
鄧俊文/謝影雪(香港)②〔21−14、21−15〕0●ゴーSH/ライSJ(マレーシア)34分
▼日本選手の結果
【男子シングルス】
常山幹太…優勝!
渡邉航貴…ベスト8!
西本拳太…2回戦進出
坂井一将…1回戦敗退(途中棄権)
【女子シングルス】
山口茜…ベスト4!
川上紗恵奈…ベスト4!
大堀彩…1回戦敗退
【男子ダブルス】
井上拓斗/金子祐樹…2回戦進出
古賀輝/齋藤太一…2回戦進出
小野寺雅之/岡村洋輝…1回戦敗退
金子真大/久保田友之祐…1回戦敗退
【女子ダブルス】
志田千陽/松山奈未…優勝!
髙橋礼華/松友美佐紀…準優勝!
荒木茜羽/今井莉子…2回戦進出
星千智/松田蒼…2回戦進出
【混合ダブルス】
岡村洋輝/星千智…2回戦進出
権藤公平/栗原文音…1回戦敗退
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO