10月29日、BWF(世界バドミントン連盟)が発表する世界ランキングが更新された。前週に行なわれたフランスOP(Super750)や、下位大会の結果が反映され、上位陣及び日本勢に順位変動があった。ここでは男女シングルスのランキングを紹介しよう。
【女子シングルス】
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奥原希望(上写真)が、自身初の世界ランク1位に輝いた。
奥原は今季の世界選手権とワールドツアー4大会で準優勝(3大会がSuper500以上)を果たすなど、コンスタントに上位成績を残していた。前週のフランスOPではベスト16に終わった奥原だが、デンマークOP(S750)では準優勝を飾り、さらに、これまで女子シングルスで1位だった戴資穎(タイ・ツーイン/台湾)のポイントが大幅に減少(昨年のフランスOP優勝のポイントが消滅)したことで、奥原が日本人女子シングルスで2人目となる世界ランク1位となった(1人目は山口茜)。
2位はわずか191ポイント差で首位を譲った戴資穎。陳雨菲(チェン・ユーフェイ)が1ランクアップの3位に浮上し、山口茜はフランスOPでベスト4に入ったものの、8月以降の低調が響いて2位から4位に後退した。
フランスOP優勝のアン・セヨン(韓国)が、一気に5ランクアップの11位。長く韓国の1番手だった成池鉉(スン・ジヒュン/13位)を、17歳の新星が上回った。また、フランスOP決勝でアン・セヨンに敗れたキャロリーナ・マリーン(スペイン)が、7ランクアップの10位に浮上。リオ五輪金メダリストが右ヒザの大ケガから復活し、再び輝きはじめた。
日本勢は、3番手の髙橋沙也加が2ランクダウンの12位。4番手の大堀は1ランクアップの19位と、小さな変動があった。若手に目を移すと、インドネシア国際(IC)で準優勝を果たした水井ひらりが、23ランクアップの72位。水井に勝って優勝した髙橋明日香が、19ランクアップの81位。それぞれ、大きく順位を上げている。
【男子シングルス】
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フランスOPではベスト8に終わった桃田賢斗だが、11万ポイント超えの独走で1位をキープしている。2位は周天成(チョウ・ティエンチェン/台湾)で変わらず。3位につけていた石宇奇(シー・ユーチー)は、足首のケガで欠場した影響もあって3ランクダウンの6位に。フランスOPで約1年ぶりの上位大会優勝を果たした諶龍(上写真/チェン・ロン/中国)が3位に浮上。中国の1番手と2番手が入れ替わった。
4位と5位にはアンダース・アントンセン、ビクター・アクセルセンとデンマーク勢が並び、僅差で1番手争いを続けている。桃田の同世代のライバルとして、世界ランク1位にも君臨していたアクセルセンの順位は、今後も気になるところだ。
7位と8位は、ジョナタン・クリスティ、アンソニー・S・ギンティンとインドネシア勢が争い、10位と11位はスリカンス・キダムビ、サイ・プラニース・B.とインド勢が並ぶ。東京五輪出場に向けて、同国内のライバル同士による戦いが続いている。
日本勢は、2番手の西本拳太(12位)、3番手の常山幹太(14位)が、それぞれ一つずつ順位を上げた。同じトナミ運輸というチームの先輩と後輩による、こちらも熾烈な争いだ。
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO