9月1日、東京都・品川区立総合体育館において公益財団法人日本バドミントン協会主催の「バドミントンフェスタ2019」が開催された。バドミントンファンに向けた感謝祭として2度目の開催となる同フェスタには、世界選手権で活躍した日本代表選手や、元日本代表のOB・OGが参加。会場には多くのファンが訪れ、選手によるトークショーや、OB・OGらによるクリニックなどを通して交流を深め、バドミントンの魅力を大いに楽しんだ。
最初に行なわれたクリニックは、ロンドン五輪女子ダブルス銀メダリストの藤井瑞希さん、北京五輪代表の廣瀬栄理子さん、バルセロナ・アトランタ五輪代表の町田文彦さんらOB・OGが講師に。「うまくなりたい」と願う小学生から一般まで多くの愛好家たちがレッスンを受け、貴重なアドバイスに熱心に耳を傾けていた。
特設ステージで行なわれた現役日本代表選手によるスペシャルトークショーには、男子シングルスの桃田賢斗選手、女子シングルスの奥原希望選手、男子ダブルスの園田啓悟/嘉村健士ペア、混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗ペアといった、世界トップランカーが登壇。選手たちが登場するなり、ファンたちから黄色い声援が上がるなど、一気に場内が熱気に包まれた。
はじめに、日本勢が活躍した世界選手権の話がくり広げられ、司会進行を務めた元日本代表の池田信太郎さんから2連覇について話を振られた桃田選手は、「優勝した瞬間が一番うれしくて、時間が経つほど、『そんなこともあったな』という感じです」と話し、すでに次の大会に向けて気持ちを切り替えている心境を語った。
会場内に置かれた質問箱で募集したファンからの質問に答えるコーナーでは、選手たちは終始和やかな雰囲気でトークを展開。「自主練でトレーニングをするなら、どんなことをすればいい?」「海外の試合に必ず持って行くものは?」「どんなゲン担ぎをしているの?」などの回答に、ファンたちは興味津々だった。
トークショーの最後には、この日、25歳の誕生日を迎えた桃田選手に向けたサプライズケーキが登場。「お誕生日おめでとう!」というファンからの声に笑顔で応えた桃田選手は、「こんなに大勢の方に祝ってもらったことがないので本当にうれしい。いい1年にできるように頑張っていきたい」と決意を語った。
会場には、コートのほかにバドミントンを楽しむ「体験エリア」も設置されていた。スマッシュスピードコンテストや、バドミントンストラックアウトなどが行なわれ、それぞれ多くのファンが挑戦して大盛り上がり。パラバドミントン体験コーナーでは、日本障がい者バドミントン強化指定選手の村山浩選手、大濱真選手の指導を受けて実際に競技用車いすを操作し、選手とのラリーを楽しんだ。
この日、会場に駆けつけたファンは約1200人。日本代表のキャプテンを務める嘉村選手は「こんなにたくさん集まっていただいて、すごくうれしいし、ありがたい」と感謝を述べ、「自分の中でも、バドミントンを盛り上げたいという気持ちが強くあるので、ファンの皆さんの力を貸していただければうれしい」と、さらなるサポートを呼びかけた。また、プロとして活躍する奥原選手も「(今日のイベントを通して)バドミントンというスポーツで、ファンの皆さんと一つになっていくことを感じる。もっともっとバードメンバーズが広がって、バドミントンを世の中に広めていけたら」と語り、「オリンピックに向けて、皆さんと一緒に戦っていきたいと、より一層思いました」と決意を新たにした。
そのほかの参加選手も、ファンの応援を肌で感じ、大いに刺激を受けた様子。約3時間にわたり開催されたフェスタは、選手にとっても、ファンにとっても、有意義な時間となった。
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/幡原裕治