8月19日より開催されている『第25回世界選手権』(スイス・バーゼル)。大会最終日の25日は、各種目の決勝が行なわれた。ここでは男子ダブルスの保木卓朗/小林優吾とヘンドラ・セティアワン/モハマド・アッサン(インドネシア)の決勝をレポートする。
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快進撃を見せてきた保木/小林は、インドネシアのベテランペアに対し、ファイナルゲームにもつれる接戦で敗れ、金メダルには届かなかった。
第1ゲームから点差の離れないシーソーゲーム。先に11-8と3点差をつけたのは保木/小林だったが、インドネシアペアも緩急をつけた球出しで保木/小林のミスを誘い、すぐに追いつく。勝負は23-23までもつれたが、勝負どころでのショットのバリエーションと集中力を発揮したインドネシアペアが第1ゲームをものにした。
第2ゲームはサービスまわりから積極的に攻めた保木/小林が、序盤から連続得点。ベテランペアはファイナルを見越した戦い方で、後半は力を温存した。
そのファイナルゲームは、ギアを上げたセティアワン/アッサンが多彩なショット、リズムで先手をとった。先に走られる展開となった保木/小林も、インドネシアペアのエース級のショットにもレシーブでコースを突き、ラリーから甘くなった球を果敢に跳び込んで決めにいくなど、随所に見せ場をつくった。敗れたとはいえ、ファイナリストの意地を見せたといっていい。
試合後の記者会見では、「競った場面で相手のほうが簡単なミスをしなかった。ただ、レジェンドペアとやっても僕たちの攻撃は通用していたので、これからもこの攻撃スタイルをもっと出していければ」(保木)、「アタックやレシーブなど単純なショットに関しては、相手とそう変わらないショットを打てていた。つなぎ球、細かいショットのクオリティが相手のほうが完全に上だったから、そういうところで攻撃が出せず、ミスにつながった」(小林)と課題と収穫について語り、確かな自信を手にして、このあとも続く五輪レースに臨んでいく。
決勝で敗れ、最後は悔しさも残ったが、二人で「メダルを取りにいく」と決めた大会での銀メダル。自信とともに、その悔しさも今後の糧になるはずだ。
一方、セティアワン/アッサンは、2013年、15年に続く3度目の世界選手権制覇を果たしている。
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原 淳