8月19日より開催されている『第25回世界選手権』(スイス・バーゼル)。大会5日目の23日は、各種目の準々決勝が行なわれた。女子ダブルスの髙橋礼華/松友美佐紀の準々決勝をレポートする。
髙橋/松友は、中国の李茵暉(リ・インフイ)/杜玥(ドゥ・ユェ)との126分におよんだ死闘の末に敗れ、2年ぶりのメダルはならなかった。
今大会に入って「いいプレーが出ている」と語っていた髙橋と松友は、レシーブからも多彩なパターンで攻撃に転じる抜群のローテーションをこの試合でも発揮。動きもよかったが、ファイナルにもつれる死闘で、最後は両ペアとも足が止まり、勝負を分けたのは少しの運だった。
第1ゲームは25-23で先制するも、第2ゲームは18―21。ファイナルゲーム前半に、先に異変を見せたのは日本ペアだ。松友が脚を気にする仕草を見せ、体力は限界に近づいていた。わずかなブレークで足にコールドスプレーをかけてもらってコートに戻ったが、後半には中国の李茵暉が脚をつり、終盤は1ポイントごとにコートに座り込んで、脚を伸ばした。
その終盤は両ペアとも十分には動けない状態で、難しい展開だった。19-20で先にマッチポイントを握られたが、これをしのいで20-20。以降、髙橋も松友も渾身のプレーで3度のマッチポイントを握ったが、実らなかった。
逆に、これを耐えた中国ペアは苦しいラリーをレシーブでしのぎ、2度目のマッチポイントでカウンターのドライブを空いたスペースに決め、死闘にピリオドを打った。
髙橋は激戦の疲労で記者が取材するためのミックスゾーンに来ることができなかったが、松友は「悔しいですけど、楽しかったです」と目を赤くしながら話し、「中国ペアも過去最高のプレーをしていたと思う」と勝者を称えた。
激戦での敗戦だったが、髙橋/松友のスポーツマンシップをあらためて感じさせた一戦。敗れたあとも、笑顔で中国ペアへと歩み寄っていく姿は立派だった。
取材・構成/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原 淳