8月19日より開催されている『第25回世界選手権』(スイス・バーゼル)。大会4日目の22日は、各種目の3回戦が行なわれた。ここでは、男子ダブルスの園田啓悟/嘉村健士、保木卓朗/小林優吾、井上拓斗/金子祐樹の試合をレポートする。
園田/嘉村は、世界ランキング11位の何濟庭(ヘ・ジンティン)/譚強(タン・チャン)に、逆転勝ちで準々決勝進出を決めた。
第1ゲームは、20-17とリードしたところから取り切れず、21―23で失う嫌な展開だったが、すぐに切り替えて続く2ゲームを速い展開で攻めきった。
2回戦では「制球が悪かった。いまは自分の調子が悪い」と反省した嘉村だったが、1日で修正。「前で振って決めたいところだったが、シャトルが沈んでくれない。その分、今日はかわす球を使ったり、強弱をつけた」と語ったように、そのドライブやプッシュが効果的に決まり、「復調の兆しは見えてきたのかな」と手応えを得ていた。
また、ジャパンOPで不調に苦しんだ園田も、持ち味のスマッシュだけでなく、レシーブから攻撃の起点をつくるなど、いよいよソノカムらしい低空戦が戻ってきた印象だ。
保木/小林は、世界ランキング6位の韓呈愷(ハン・チェンカイ)/周昊東(ツォウ・ハオドン)に、21-18、21-16のストレート勝利。
第1ゲーム前半は相手のペースで進んだが、6-11でインターバルを挟んだあとに、「そこまでサービスまわりでの処理が甘かったので、しっかりと修正した」(保木)と、明らかに流れが変わった。意識をしたというサービスまわりだけでなく、ラリーになっても保木のネット前での球さばき、小林のスマッシュで攻撃の展開をつくり、中国ペアを突き放した。
男子ダブルスの準々決勝では、ソノカムとホキコバの日本代表対決が実現する。直近のインドネシアOPではホキコバが勝利しているものの、通算成績は先輩であるソノカムが5勝1敗。いずれが勝っても、4強入りでメダルが確定する。
第2シードの李俊慧(リ・ジュンフイ)/劉雨辰(リュウ・ユチェン)に挑んだ井上/金子は、ファイナルゲームの終盤まで競り合う接戦を演じたが、あと一歩及ばなかった。
この試合に向けて「しっかりついていって、終盤の競り合いに持ち込みたい」と話した通りの内容だった。高さもパワーもある相手に対し、試合を通してレシーブでしのぐ展開が多かったが、それでも第2ゲームからはわずかなスキを突いて攻撃に持ち込んだ。
第2ゲーム、中盤のリードを守り切ってものにすると、ファイナルも我慢の展開。しのぐ井上/金子に、李/劉も攻め急いでのミスを犯し、終盤まで競り合いを見せた。最後は李/劉の攻めに屈したが、井上/金子のダイビングレシーブでの得点や、好機で果敢に攻めていくプレーには、会場も大いに沸き、まさに奮闘だったといっていいだろう。
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原 淳