8月17日に開催されたヨネックス秋田マスターズ(Super100/秋田市)は、各種目準決勝が行なわれた。日本代表やS/Jリーグ所属の選手などが出場した今大会で、日本勢は5種目で決勝に進出している。ここでは男女シングルスをダイジェストでお伝えしよう。
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【男子シングルス】
日本から3選手が準決勝に勝ち進んだ男子シングルス。五十嵐優(写真)と下農走のB代表対決は、五十嵐がファイナルゲームの接戦を制して決勝進出を決めた。
第1ゲームを先制したのは下農。中盤は10-14と五十嵐にリードを許す展開だったが、ここから5連続得点で逆転に成功。ネット前への鋭い攻撃が光り、21-19で第1ゲームを奪った。第2ゲームも下農ペースで試合が進む。連続ポイントをつかみ、11-6でインターバルに入った。
流れは下農がつかんでいたが、ここで諦めない五十嵐が猛追。「6-11で負けていましたが、自分の中でいけるという気持ちで戦っていた」(五十嵐)と、スピードを上げて勝負をかける。すると、連続得点でジワジワと追い上げ15-14。さらに突き放し、21-17で制した五十嵐が1−1のイーブンに戻した。
ファイナルゲームは、第2ゲームを奪い返した五十嵐に主導権が移った。「最後は自分の気持ちが出せた」(五十嵐)と、疲れが見える下農をスピードで抑えて先行。前半に11-4と点差を広げると、その後も下農の追走をしっかり振り切って勝利。五十嵐が決勝進出を決めた。
もう一つの準決勝には、小野寺裕介がインドネシアのフィルマン・アブドゥル・コリックとの勝負に挑んだ。第1ゲームは序盤に5-1と好スタートをきった小野寺だったが、相手の強打に少しずつ崩され9オール。さらにポイントを奪われ9-14とリードを許した。小野寺もねばり強いラリーで13-14まで追い上げたが、積極的な攻撃で仕掛けてくる相手に押されて15-21。第1ゲームを落とした。
「羽根の飛ぶ、飛ばないの部分でやりにくさがあり、そこで意識しすぎてプレーが小さくなってしまった」と小野寺。第2ゲームに入っても、シャトルコントロールがうまくできずに失点。ネット前の勝負でも相手が上回り、最後は8−21で敗戦。決勝進出はならず、小野寺は準決勝で敗れた。
▼準決勝
五十嵐優②〔19−21、21−17、21−13〕1●下農走75分
フィルマン・アブドゥル・コリック(インドネシア)②〔21−15、21−8〕0●小野寺裕介38分
▼決勝戦
五十嵐優 − フィルマン・アブドゥル・ホリック
【女子シングルス】
日本のライバル選手に連勝して上位に進んだ仁平菜月、そして準々決勝で中国のシード選手を下した鈴木温子(写真)の日本人対決となった準決勝。第1ゲームを先制したのは仁平。前半は9オールまでポイントを取り合ったが、ここから勢いづいた仁平が6連続得点などでリード。そのままポイントを重ねて21-14で奪った。
第2ゲームに入ると、今度は鈴木が序盤から得点をつかみ7−2で先行する。一時は10-8まで迫られたが、落ち着いて相手のミスを誘い7連続点。一気に引き離した鈴木が第2ゲームを奪い返した。
ファイナルゲームに入ると、再び積極的な攻撃で先行する仁平に対し、ピタリと追走する鈴木。「相手は負けられないプレッシャーがあったと思う。でも、私としては、そういった部分を利用させてもらいながら戦いました」と、ベテランらしい試合運びでプレッシャーをかける。すると、鈴木が14-18から19-18と逆転。仁平も19オールに戻したが、最後は自身のミスが続いて失点。終盤で落ちついたプレーをみせた鈴木が鮮やかな逆転勝利を飾り、決勝進出を決めた。
もう一方の山からは、韓国の新星、17歳のアン・セヨンが決勝に進出。タイのフィタヤポン・チャイワンに第1ゲームを奪われたものの、第2ゲーム、最終ゲームをねばり強いラリーで制して強敵を下している。
▼準決勝
アン・セヨン(韓国)②〔15−21、21−15、21−11〕1●フィタヤポルン・チャイワン(タイ)51分
鈴木温子②〔14−21、21−12、21−19〕1●仁平菜月62分
▼決勝
鈴木温子 − アン・セヨン
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/井出秀人