8月17日に開催されたヨネックス秋田マスターズ(Super100/秋田市)は、各種目準決勝が行なわれた。日本代表やS/Jリーグ所属の選手などが出場した今大会で、日本勢は5種目で決勝に進出している。ここでは男女ダブルス・混合ダブルスをダイジェストでお伝えしよう。
男女シングルスはこちら
【男子ダブルス】
日本からはB代表の古賀輝(写真手前)/齋藤太一が準決勝に登場。2017年世界王者の劉成(リュウ・チェン)と、若手の黄凱祥(ファン・カイシャン)ペアと対戦した。「相手は攻撃的なタイプ。レシーブの部分で我慢して、相手のミスを待つようにした」とは齋藤。序盤こそ豪腕・劉成のスマッシュに崩される場面もあったが、13オールの接戦から4連続ポイントなどで抜け出し21-14。第1ゲームを古賀/齋藤が制した。
第2ゲームは中国ペアに奪われたものの、最終ゲームは「出だしで先にやられたら厳しいと思ったけど、そこで5−2でいけたのがよかった」と古賀。疲れが見える相手のスピードを落ちたところを見逃さず、レシーブから積極的に前に出て主導権を握る。中盤以降も守備から自分たちの攻撃につなげた日本ペアが、12-5とリード。「ファイナルゲームでは、上から打つ意識を持ってやり直せたのがよかった」(齋藤)と、後半も相手の追走を振りきった古賀/齋藤が勝利をつかみ、決勝進出を決めた。
▼準決勝
古賀輝/齋藤太一②〔21−14、16−21、21−13〕1●劉成/黄凱祥(中国)54分
張楠/欧烜屹(中国)②〔21−17、16−21、21−10〕1●李哲輝/楊博涵(台湾)50分
▼決勝
古賀輝/齋藤太一 − 張楠/欧烜屹
【女子ダブルス】
女子ダブルスは日本勢から2組が勝ち上がった。前回優勝の櫻本絢子(写真手前)/髙畑祐紀子は、中国の陳笑菲(チェン・シャオフェイ)/張殊賢(ツァン・シューシャン)と対戦。180cmを越える陳笑菲の攻撃に対して「一発があるのはわかっていたけど、(攻撃を)しのぐ中で相手のボディ周りが苦手なのがわかった」と櫻本。相手の強打も堅いレシーブで押し返すと、第1ゲームは21-16で奪取。第2ゲームも「相手はサイド・バイ・サイドに開いて戦うのが好きなペア。ローテーションをさせていこうと思っていた」(高畑)と、得意な形を作らせずにペースを掌握。アウトミスが増える中国ペアに対して、攻撃をしっかり沈めた櫻本/髙畑が第2ゲームも支配して21-14。2−0のストレートで下した日本ペアが、2大会連続で決勝に進出。2連覇に王手をかけた櫻本は「連覇は自分たちにしかできないので、達成できればと思います。でも、まずは自分たちのプレーを出しきりたい」と、決勝に向けての意気込みを語っている。
もう一つの準決勝には、中村麻裕/重田美空が登場。2回戦、準々決勝と日本ペアを下して勝ち上がった2人は、準決勝でインドネシアのマラハー/シャイカーと対戦した。第1ゲームは「相手が引いていたので、自分たちの攻めの形が作れた」(重田)という中村/重田が21-16で先制。リズムのいい攻撃で流れをつかんだかに見えたが、第2ゲームに入るとインドネシアペアが反撃。中村/重田の攻撃をしっかりレシーブしてミスを誘い、第2ゲームを奪ってファイナルゲームへ。「2、3ゲームは自分たちのプレーをやろうという気持ちが強すぎて、うまく立て直せなかった」とは中村。攻め急ぐ中村/重田を冷静にさばいたインドネシアペアが、最終ゲームも制して準決勝を突破。櫻本/髙畑との決勝に挑む。
▼準決勝
櫻本絢子/髙畑祐紀子②〔21−16、21−14〕0●陳笑菲/張殊賢(中国)45分
マルワー/シャイカー(インドネシア)②〔16−21、21−14、21−7〕1●中村麻裕/重田美空56分
▼決勝
櫻本絢子/髙畑祐紀子 − マルワー/シャイカー
【混合ダブルス】
日本B代表の山下恭平(写真左)/篠谷菜留が、決勝の切符をかけて韓国のワン・チャン/チョン・ナウンと対戦。今大会はペアとして5大会目という山下/篠谷は、前半から持ち前のねばり強さで韓国ペアの攻撃をしのぐ。「相手が連続アタックしてきたところをレシーブでねばって、攻めに転じるところまでもっていけた」とは篠谷。苦しみながらも相手のミスを誘ってポイントを奪い、第1ゲームを21-18で先制した。
すると、第2ゲームも「頑張って最後の最後までねばりきれた」(山下)と、レシーブ面で崩れずに得点をつかむと、11オールから4連続得点。先に抜け出した日本ペアは、最後まで相手の攻撃を押し返して21-14で勝利。決勝進出を決めた篠谷は「明日の相手(韓国の高成炫/嚴惠媛)は、何段階もレベルが上がる。持っている力を120パーセント出しきって、勝ちにつなげられたら」と、頂上決戦への気持ちを語った。
▼準決勝
高成炫/嚴惠媛(韓国)②〔21−19、21−19〕0●チェンTJ/ペクYW(マレーシア)38分
山下恭平/篠谷菜留②〔21−18、21−14〕0●ワン・チャン/チョン・ナウン(韓国)40分
▼決勝
山下恭平/篠谷菜留 − 高成炫/嚴惠媛(韓国)
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/井出秀人