8月5日(月)、『熊本インターハイ』は競技5日目を迎え、八代トヨオカ地建アリーナ(八代市総合体育館)で男女個人戦シングルス・ダブルス準決勝と決勝が行なわれた。ここでは、男子ダブルスのダイジェストをお伝えする。
【ダイジェスト】
この日、最初に組まれたダブルス準決勝の2試合は、ともにファイナル勝負にもつれ込んだ。先に決勝進出を決めたのは、埼玉栄の河村翼/川本拓真。地元・熊本の大声援を受けて躍動する野田統馬/浦隆斗(八代東)に対して第1ゲームを失ったが、気持ちを切り替えて臨んだ第2ゲームは2人の攻撃がさく裂。前衛の川本が積極的に前に入って河村のアタックを引き出すと、このゲームを21-16で奪取。ファイナルゲームはスピード勝負を仕掛けて一気に勝負を決めた。
もう一つの準決勝は、最後まで勝利の行方がわからない接戦に。手に汗握る展開のなか、気持ちで押し切ったのは中島巧/杉本一樹(瓊浦)だ。相手は選抜王者の奈良岡功大/武藤映樹(浪岡)。その選抜では、準決勝で接戦の末に敗れていただけに、リベンジしたい思いが二人のプレーにみなぎっていた。1-1で迎えたファイナルゲームは、19-16から並ばれたものの、臆せず攻め抜いて勝利をゲット。持ち味の攻撃力を随所に発揮して、初の決勝へとコマを進めた。
日本一を決める頂上決戦。この大舞台で力を発揮したのは埼玉栄の河村/川本だった。センスある球さばきと積極性が光る川本がどんどん前に入って攻撃の形を作ると、第1ゲームをわずか8本で奪取。第2ゲームは瓊浦ペアも意地を見せたが、15オールから抜け出したのは埼玉栄ペア。しっかり球を沈めて押し負けることなく21-16で優勝を決めた。
優勝をめざした団体戦ではベスト16に終わり、大きな悔しさを味わった河村/川本。個人戦ではその悔しさを力に変えて、最後に栄冠をつかみ取った。
【優勝コメント】
「団体戦で負けていたぶん、一つでも優勝を持って帰りたいと思っていました。これで、川本との試合も栄としては最後になるかもしれないと思ったら、いろんな思いが出てきて、うれし涙が出てきてしまいました。応援してくれた親や仲間、サポートしてくれたみんなに感謝です」
◇川本拓真
「選抜もインターハイも団体戦を含めて優勝できていなかったし、決勝の相手も選抜で負けていたので、リベンジして優勝できてうれしいです。自分が積極的に前入って翼に打ってもらう形ができたのが勝因だと思います。ミスをしても、パートナーが『切り替えて一本集中していこう』などと声かけてくれるので、安心してプレーできました」
【男子ダブルス結果(5日)】
▼準決勝
中島巧/杉本一樹(瓊浦・長崎)②〔21-15、19-21、21-19〕1●奈良岡功大/武藤映樹(浪岡・青森)
河村翼/川本拓真(埼玉栄・埼玉)②〔16-21、21-16、21-9〕1●野田統馬/浦隆斗(八代東・熊本)
▼決勝
河村翼/川本拓真②〔21-8、21-6〕0●中島巧/杉本一樹
★男子ダブルスの全試合結果(トーナメント)はこちら
★熊本インターハイの熱戦の模様は、8月22日(木)発売の『バドミントン・マガジン』9月号でも紹介します。
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/桜井ひとし