皆さん、こんにちは! 6月は3大会に出場しました。まずはインターハイ予選の青森県大会から始まり、山形での東北大会を終えた直後には、モンゴル国際チャレンジに出場。東北大会は3日間で13試合していたので、モンゴル国際では連戦の疲労が溜まっていました。
でもなぜか、大会序盤から絶好調で、格上にもライバルにも勝って優勝。大会前は標高が高い会場と聞いて不安はありましたが、シャトルが非常に飛ぶ環境でもしっかり対応していけましたし、“読み”も当たることが多かった。相手のミスもうまく誘えたと思います。
準決勝は、第1シードのインド選手が相手。彼は日本のA代表が出るワールドツアーSUPER500の大会にも出場していて、世界ランキングは41位(編集部注:奈良岡選手は88位)と格上でした。でも、以前一度対戦して勝つことができていたので、戦い方はわかっていたんです。まずは、相手のフェイントに気をつけること。そして、自分から攻めることを意識していけた。ねばり強い選手ですが、コントロールにも気をつけて、思った以上に苦労をせずに勝てたと思います。
今大会の一番の山場は、やはり決勝戦ですね。相手は同世代でライバルのクンラビット・ビティサラン選手(タイ)。世界ジュニアの決勝(2018年11月)で負けていますし、今大会、あらためて強い選手だと感じていたので、最初は勝てると思っていませんでした。実際、球質やスピードなど、これまで対戦した選手とすべてが違った。最初は驚いて対応できませんでした。1ゲーム目は、9-21。自分が守りに入ってしまったのも悪かったです。
2ゲーム目からは「行くしかない」と思い、ガツガツいきました。そうしたら、案外点数を取っていけたので、そこから自信を持ってプレーすることができました。
このゲームを21-17で取って、3ゲーム目は一進一退。どちらも引かずに終盤まで競ったんですけど、最後、22-21でマッチポイントを握ったとき、「ここにきそうだな」という読みが奇跡的に当たったんです。勝った瞬間は、読みが当たった驚きと、勝てたうれしさがこみ上げてきました。じつは、決勝戦の日は誕生日。「今日誕生日だし、勝ちたいな」という気持ちもあったので(笑)、勝ててうれしかったです。
クンラビット選手とは、これで4勝4敗。今後もたくさん対戦していく選手だと思うので、切磋琢磨して強くなりたい。いつかトップの大会で試合をしたいです。
インターハイでの目標は「優勝」
いよいよ今月末(7月31日~8月5日/熊本県八代市ほか)には、インターハイが開幕します。最後の夏の目標は、やっぱり優勝。まずは団体戦で勝って、勢いに乗りたいです。
県大会と東北大会では、3種目で優勝することができました。とくに競ったのは東北大会の団体戦。聖ウルスラ学院英智との準決勝も、ふたば未来学園との決勝戦も3-2での勝利でした。高校選抜で優勝したからといって、プレッシャーを感じることはなかったです。むしろ、自分たちより強いチームはたくさんあるので、少しでも気を抜いたら負けてしまう。気を抜かないようにしようという話は毎回していました。
自分としては、エースとして絶対に勝たなきゃというふうには考えず、試合を楽しめていました。インターハイは、今回以上に厳しい戦いになると思いますが、みんなで一緒に頑張っていきたい。それができれば、結果はついてくると思います。いつも通り、一戦一戦、頑張ります!
奈良岡功大選手に聞く!
☆なんでもQ&A☆
Q.2017年インターハイ準決勝の金子真大選手(現・トナミ運輸)との試合を見て、とても感動しました。3年生を相手に、1ゲーム目は大きく点差を離されたところから見事逆転。2-0で勝利しました。当時のように大差をつけられたとき、奈良岡選手はどんなことを心がけてプレーしていますか?(中学3年生・男子)
A.あの準決勝は苦しい試合でした。1ゲーム目、11-19までリードされてしまったんです。当時考えていたのは、「どうせ取られるなら、2ゲーム目につなげるプレーをしよう」ということ。相手を回していったら疲れてくれて、段々点数が入ってきたので「いけるんじゃないか」という気持ちに変わりました。最後は、29-27で逆転。やはり負けたくなかったので、最後まであきらめたくなかったです。
いまも2年前と変わらず、大差がついても逆転をねらっています。あきらめたように見せて、“じつはねらっている”みたいなところがありますね(笑)。相手が気を抜いた瞬間がねらい目ですから。それに、先を見すえて、相手がここでスピードを上げれば、ここで足が止まるかもしれないということは考えます。もちろん、自分がどこでスピードを上げられるのかも。駆け引きですよね。こういう駆け引きも、逆転には必要なことかなと思います。
編集部TOPICS
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Profile
ならおか・こうだい◎2001年6月30日生まれ、青森県出身。浪岡南小-浪岡中-浪岡高。小学時代は全国小学生大会単3連覇、全国ABC大会単5連覇を達成。中学時代は全国中学校大会単3連覇という前人未踏の記録を打ち立てた。同年9月には、高校2年までが出場する全日本ジュニアで最年少V(16年・17年連覇)。高校に入学後はインターハイのシングルスで2年連続準優勝に輝き、19年3月の高校選抜では連覇と3冠を果たした。そのほかにも、全日本総合本戦出場や17年日本ランキングサーキット単3位、18年大阪国際準優勝など国内外のシニアの舞台でも活躍。18年にはユース五輪で銅メダル、世界ジュニアで銀メダルを獲得した日本のホープ。174㎝66㎏。血液型B。
構成/バドミントン・マガジン編集部