東京五輪に向けて新勢力の台頭も顕著な男子ダブルスにおいて、技と経験値で一目置かれる存在が、インドネシアの至宝ヘンドラ・セティアワンとモハマド・アッサンだ。昨年の再結成後、そのコンビネーションに磨きをかけ、今年3月には全英オープンで5年ぶりの優勝を果たした。2人に、全英オープンでのプレーや、それぞれが使用するギアへの拘り、そして今後の目標について聞いた。
――3月の全英オープンでは、2014年以来2度目の優勝を果たしました。おめでとうございます。
アッサン “オールイングランド”は、バドミントンプレーヤーにとって特別な大会の一つです。すごくうれしかったです。自分たちのベストを尽くした結果、優勝できて、本当にエキサイティングな気分でした。
――セティアワン選手は右足を怪我されていましたね。そうした状況でのプレーは難しかったのではないでしょうか。
セティアワン すごく特別な大会なので、自分の力を出し切らなくてはいけないと思ったので、それほどケガは気になっていなかったんですよ。
――状態としては?
セティアワン 実際のところは、決勝の第1セットは全然動けないと思ったんですが(笑)。第2セットからは、徐々に調子を取り戻していきました。もちろん、いまは100%の状態です(笑)。
――全英オープンでは、どういったプレー、どういったところがよかったのでしょう?
アッサン プレーというより、コミュニケーションですね。状況がよくないときでも、どうやって修正するか、どうしたらよくなるかというのをお互いに話し合いながらプレーできたというのがよかったところだと思います。
セティアワン 僕も、第2ゲームから、より集中して、動きもどんどんよくなっていったと思います。
ラケットは“武器”
常により良いものを求める
――さて、今シーズンはその後、お二人とも新たなラケットでプレーしていますが、お二人が使用する新しいラケットについて教えてください。
アッサン 僕が使っている『FORTIUS 10 POWER』は、パワーがあるラケットです。特にスマッシュを打つときに、パワーが伝えやすいと感じますね。すごく打ちやすい。
セティアワン 僕が使っている『FORTIUS 10 QUICK』は、ショットをコントロールしやすいラケットです。特に後ろから前に動いて、ドライブなどを打つときにコントロール性能の高さを感じます。
――全英オープン時に使用していた前モデルとの違いは、どのようなところですか。
アッサン 前モデルの『FORTIUS TOUR F』から、パワーが増したという点で、自分によりフィットしている感じです。
セティアワン 前モデルの『FORTIUS TOUR』よりもヘッドが少し重く感じます。僕自身が、ラケットに求めるのは、バランスと操作性。バランスが絶妙なので、パワーと操作性が両立されています。
アッサン 僕らバドミントンプレーヤーにとってラケットは“武器”。常により良いものを求めています。自分自身でいえば、スマッシュがストロングポイントなので、シャトルを打ったときにいかにパワーを伝えられるかということに重きをおいています。
――では、シューズに関してはいかがでしょう。セティアワン選手は『WAVE FANG ZERO』、アッサン選手はニューモデルの『WAVE CLAW』を着用しています。
セティアワン ソール部分のグリップがよいのが気に入っています。方向転換が非常にスムーズで安心感があります。
アッサン 『WAVE CLAW』はフィット感のよさとスピード性が気に入っています。まさに足の一部のような感覚ですね。
――また、セティアワン選手はストリング『M-SMOOTH 65H』を使っていますが、こちらの使用感、感触に関してはいかがでしょう。
セティアワン ゲージが細く、反発力があるのに、コントロール性もある。この2つの性能が両立しているという部分が非常に気に入っています。
――ミズノのギアがお二人の新しい武器になっていることがよくわかりました。では、最後に今後の抱負について教えていただけますか。
セティアワン 東京オリンピックに出場することが一番の目標です。そのためにベストを尽くさないといけないと思っています。
――世界ランク4位ということを考えると、高確率な目標と感じますが。
アッサン そんなに簡単なことではないと思っています。インドネシアでは若い選手が非常に力をつけているので、そうした若い選手より上に居続けるということは僕たちにとってチャレンジだと思っています。
セティアワン いまのところ出場できるのは50%くらいの確率なんじゃないかな。五輪に2組出場するにはトップ8に2組入っていないといけないということを考えると、やはりそんなに簡単なことではないですね。
アッサン 自分たちのベストを尽くして頑張ります。
■PROFILE
ヘンドラ・セティアワン
1984年8月25日生まれ。インドネシア出身。右利き。183cm。2008年北京五輪では、マルキス・キドとのペアで金メダルを獲得。アッサンとは13、15年世界選手権優勝、14年アジア大会優勝などビッグタイトルを手にしている。
パワーと操作性を兼ね備えている。
【セティアワン使用ギア】
ラケット:FORTIUS 10 QUICK
硬めの打感で鋭く切れたスマッシュを叩き込める
73JTB90309 25,000円+税 サイズ:4U5 8月発売
シューズ:WAVE FANG ZERO
すべてのプレーを「より強く」。未体験の履き心地の新生WAVE FANG
71GA199062 13,800円+税 サイズ:23.0~29.0㎝
ストリング:M-SMOOTH 65H
より高いレベルの球持ちと反発性で精度の高いカウンターショットを打ち込める
73JGA93001 1,300円+税 ゲージ:0.65㎜ 7月発売
モハマド・アッサン
1987年9月7日生まれ。インドネシア出身。右利き。173cm。2012年ロンドン五輪ベスト8の成績を残したあと、同年よりセティアワンとペアを結成。16年リオ五輪後にペアを解消し、翌17年の世界選手権はサプトロとのペアで準優勝。
スマッシュによりパワーが増すと実感。
【アッサン使用ギア】
ラケット:FORTIUS 10 POWER
しなりを効かせた打感でより強いパワースマッシュが可能に
73JTB90409 25,000円+税 サイズ:4U5 8月発売
シューズ:WAVE CLAW
速さでゲームを支配する。軽量性と加速性のスピードモデル
71GA191062 11,500円+税 サイズ:21.0、22.0、23.0~28.5cm 7月発売
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https://www.mizuno.jp/badminton/
取材・構成/バドミントン・マガジン