6月16日に開催された第69回全日本実業団選手権(埼玉県・深谷市総合体育館)最終日は、男女ともに決勝戦が行なわれた。ここでは、再春館製薬所が3年ぶりの優勝を果たした女子のダイジェストをお伝えしよう。
準決勝までの試合で、ともに激戦を乗り越えてきた日本ユニシスと再春館製薬所がぶつかった女子決勝。試合は、決勝戦にふさわしい白熱した戦いとなる。
先手を取ったのは日本ユニシスだった。日本ユニシスは、第1ダブルスの髙橋礼華(写真右)/松友美佐紀が志田千陽/松山奈美とのエースダブルス対決でストレート勝ちを収めると、続く第2ダブルスの星千智/松田蒼も、再春館の小野菜保/福本真恵七を9本、5本と圧倒。ダブルス2本で連勝したユニシスが、一気に優勝に王手をかけた。
しかし、再春館製薬所の悪い流れを断ち切ったのが、第1シングルスに起用された仲井由希乃だ。準決勝のNTT東日本−日本ユニシス戦・第3シングルスで三谷美菜津から殊勲の星をあげていた中西貴映を相手に、仲井は気迫のこもったラリーを展開。第2ゲームを中西に奪われながらも、ファイナルゲーム18本で勝利を収め、崖っぷちまで追い込まれながらも、なんとかバトンを繋いだ。
再春館製薬所は、続く第2シングルスでエースの山口茜がこのバトンをしっかりと受け継ぎ、ユニシスのシングルスエース・髙橋沙也加にストレート勝ち。そして、最後は2017年総合シングルス3位などの実績を持つ峰歩美が、持ち前のねばり強さを武器に海老原詩織から14本、13本の貫禄勝ち。最後まで勝利を諦めなかった再春館製薬所が、大逆転で3年ぶりの栄冠を獲得した。
再春館製薬所 池田雄一監督
「今大会は〔ダブルス2つを落とす〕0−2の状況が頭をよぎる戦いが多くありました。勝つイメージがなかなか湧かなかったのですが、そこで予想外のことをしてくれた選手たちの力がすごかった。終わってみれば、優勝してしまったなという感じです」
▼決勝
再春館製薬所 3−2 日本ユニシス
志田千陽/松山奈未●0〔16-21、14-21〕②髙橋礼華/松友美佐紀
小野菜保/福本真恵七●0〔9-21、5-21〕②星千智/松田蒼
仲井由希乃②〔21-17、18-21、21-18〕1●中西貴映
山口茜②〔21-14、21-10〕0●髙橋沙也加
峰歩美②〔21-14、21-13〕0●海老原詩織
取材・文/吉井信行
写真/井出秀人