6月13日、東京都内で『平成30年度米山稔賞表彰式』が行なわれた。公益財団法人ヨネックススポーツ振興財団が主催するもので、青少年スポーツの振興に関して貢献のあった個人および団体を表彰。過去には日本代表のヘッドコーチである朴柱奉(パク・ジュボン)氏や、2016年リオ五輪の女子ダブルスで金メダルを獲得した髙橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)などが受賞している。
平成30年度の米山稔賞を受賞したのは、ふたば未来学園中の齋藤亘氏(福島県バドミントン協会所属)。他競技からは、日本卓球協会の前原正浩氏、ソフトテニスで東京女子体育大学を指導する武田博子氏が受賞した。
齋藤氏は、昨年の全国中学校バドミントン大会において、男女完全制覇の6冠を達成した富岡第一中(現・ふたば未来学園中)を指導。また、2020年の東京五輪でメダル獲得が期待される桃田賢斗選手をはじめ数多くの世界トップ選手を育成し続け、日本バドミントン界の競技力向上に多大な功績を上げたことを評価されての受賞となった。
【齋藤亘氏コメント】
「ジュニアの指導者として最高とも思える賞をいただき、そして選手たちは素晴らしい活躍を見せてくれている。いま、指導者として、この上ない喜びでいっぱいです。私がここに立てているのは、世界を舞台に活躍する卒業生たちの頑張りと、昨年の全中で全種目を制覇した選手たち、そして福島という地に子どもたちを送り届けてくれた保護者の方々と、ジュニア時代の指導者の方々のおかげです。その皆さまを代表しての受賞だと思っております。
本校は2011年に起こった東日本大震災の影響により、チーム発足から14年間の間に3度校名を変更し、私たちは、その時々に応じて名前を使い分けながら活動を続けてきました。富岡第一中、猪苗代中、そして、4月に広野町に開校し現在活動しているふたば未来学園中です。
いまでこそ、日本一のタイトルを毎年獲得するようなチームになりましたが、14年前の発足当時は、なんの根拠も実績もありませんでした。そんなときからヨネックス様に応援していただいたおかげで、いまの私たちがあります。この場をお借りして感謝申し上げます。
震災から8年が経ったいまでも町民が戻っていない富岡町や広野町ではありますが、スポーツの力で、多くの人が集う町にしていくことが私の夢です。新たな町、新たな学校で、新たな挑戦を始めていきたいと思います。この賞を励みに、これからも頑張って参ります」
【公益財団法人ヨネックススポーツ財団】
青少年スポーツの振興に関する諸般の事業の推進を図り、心身ともに健全な青少年を育成。明るく豊かで活力に満ちた社会の実現に寄与することを目的として設立された。青少年スポーツの振興に関する事業への女性や、スポーツを積極的に行なう学生に対する奨学金の給与などを行なっている。
(※)富岡第一中は2011年の東日本大震災以降、全国中学校大会に出場する際は、避難先で活動場所である猪苗代中として出場していた
取材・文/バドミントン・マガジン編集部