5月26日に世界国別男女混合対抗戦・スディルマンカップ2019(中国・南寧)8日目が開催された。準決勝で強豪・インドネシアを下した日本は、決勝で中国と対戦。完全アウエーの中での勝負に挑んだが、過去10回の優勝を誇る中国の勢いを止められず0-3で敗れた。ここでは、コートに立った日本選手と、朴柱奉監督のコメントを紹介しよう。
※渡辺勇大選手は混合ダブルスの試合に備えるため、試合直後のコメントはなし
遠藤大由(右端)/渡辺勇大は李俊慧/劉雨辰に0-2で敗戦
遠藤 オーダーを告げられたのは昨日です。こちらに入ってから、もしかして(決勝での起用が)あるかもしれないという気持ちで準備はしていたので、それに関しては、特に深くは考えずに準備したつもりです。必ず勝ちたいという気持ちが強かったですし、僕自身は、スディルマン杯はこれが最後。4年前も決勝で負けていて、そのときも相手は中国だったので、リベンジするという気持ちが強かった。作戦通り、相手の後ろを使っていったのですが、ただ、最後まで守り切れなかった。また、サービスまわりでもったいないミスをして、相手に楽に得点させてしまいました。負けてしまって、非常に残念に思います。何より、ここまでやってくれた園田/嘉村ペアに本当に申し訳なく思っています。
山口茜は陳雨菲に1-2で敗戦
山口 とくにファイナルゲームの後半から相手がスピードを上げて攻めてきたときに、プレーも気持ちも少し引いてしまった。しっかり相手のコートの後ろを使っていればレシーブできたと思うのですが、それがなかなかできず、押される形になってしまいました。奥原さんがいる中での起用だったので、しっかり(期待に)応えたかったのですが……勝てなかったのは残念です。雰囲気はアウエーでしたけど、日本の選手が一本一本すごく応援してくれて、応援してくれている観客の方もたくさんいたので、それはすごく心強かったです。
桃田賢斗は石宇奇に1-2で敗戦
桃田 チーム全員が、優勝しかめざしていなかったので、すごく悔しいです。この大会、自分自身はエースの自覚をもって臨んだのですが、最後の最後で、次につなぐことができなかった。0-2であとがない展開で、攻撃していくしかないという思いで、第1ゲームはスピードを上げてプレーしましたが、2ゲーム目は相手も思いきってきて、そのショットが入ってきた。相手に攻め込まれて、消極的になってしまい、流れを止めらなかった。体力的にもたなかったところもあり、スタミナ不足です。試合スケジュールというのもあるし、団体戦ならではの疲労感、個人戦とは違うものがありました。でも、ここで勝つのがチームのエースだと思いますし、この悔しさを忘れずに、もっともっと強くなりたいなと思います。
朴柱奉監督
私自身も残念ですが、チーム全体としても、0-3で負けたのは本当に悔しいです。男子ダブルスに遠藤/渡辺ペアを起用したのは、相手の中国ペアに対して園田/嘉村ペアよりこれまでの結果がよかったですし、園田/嘉村ペアは疲労も残っていた。渡辺選手はミックスと兼ねるオーダーでしたが、まずは男子ダブルスで勝負できるようにと考えました。山口選手は、陳雨菲選手に対して奥原選手より結果がよかったですし、プレースタイルを考えても、山口選手のほうがいいと判断しました。
中国は、やはり大きな大会に対する気持ちと集中力が本当に強い。去年までは日本のほうがツアーで優勝していますが、中国はまたカムバックしてきています。日本に帰って反省会をして、選手には、もう1回、昔のようなハングリーさを持ってほしい。厳しいトレーニングをしていかないと中国に勝てないという気持ちで、またスタートしたいです。
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳