5月20日に開催された世界国別男女混合対抗戦・スディルマンカップ2019(中国・南寧)2日目は、各グループの予選リーグが行なわれた。今大会、第1シードでグループAに入った日本は、リーグ初戦でロシアと対戦した。
世界バドミントン国別対抗戦2019
スディルマンカップ
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スディルマン杯初優勝に向けて大事な初戦、その第1試合に組まれたのは混合ダブルス。日本は世界ランク3位の渡辺勇大/東野有紗を温存し、保木卓朗/永原和可那のペアを起用する。「一番手なので緊張した」という保木だったが、第1ゲームを21−10で先制。第2ゲームは「点数を欲しがってしまって、自分たちのミスで得点をあげてしまった」(永原)と、15オールの接戦となったが、その後に立て直した日本ペアが6連続得点で21-15。2−0で保木/永原が制し、まずは日本が先勝した。
この流れを生かしたかった男子シングルスの西本拳太だったが、強打で押し込む相手に苦戦。「先手先手をとられて受け身になることが多かった」と、第1ゲームを18-21で落とすと、第2ゲームも勢いを止められず17-21。「ネット前ではあまり踏み込んでヘアピンが打てなかった」と振り返り、ロブを上げた展開からの失点を悔やんだ。
これで1−1となった日本。第3試合は男子ダブルスの遠藤大由/渡辺勇大と、2016年全英王者のイワノフ/ソゾノフが対戦した。ロシアの支柱的な存在の二人に対し、日本ペアはなかなか主導権を握れず第1ゲーム19-21で先制を許す。「相手の勢いを止めることができなかった」とは渡辺。第2ゲームはドライブ戦の速い展開からポイントを奪うシーンもあったが、ロブなどで上げた後の強打に苦しみ、流れを引き寄せられず。連続失点などで振り切られた遠藤/渡辺が、16-21で敗れた。「もっと後ろで相手を振ったり、(コートの)前を使ったりするなどして、攻撃場面を作ることができればよかった」(遠藤)。
2連敗で1−2とされた日本だったが、ここから底力を発揮。続く第4試合に登場したのは、女子シングルスの奥原希望(写真)。「相手に王手をかけられてまわってくるとは思っていなかった」と劣勢の場面での登場となったが、「焦りや動揺することはなかった」。その言葉通り、第1ゲームは12-0と一気に先行すると、そのまま相手を引き離して21-6。続く第2ゲームは、ラリーに慣れてきた相手に9オールとされたが、以降はうまく試合を運んで21-16で勝利。日本が2−2のタイに戻して、女子ダブルスにバトンを託す。
そして、その期待にしっかり応えたのが福島由紀/廣田彩花だ。格下相手のペアに対し、第1ゲームは主導権を渡さずに21-5。第2ゲームは福島/廣田が先行しながら試合を進めたものの、18-11から4連続失点を喫して追い上げられる。「長いラリーをとった後、自分のサービスミスだったり、集中力が切れていた」と廣田は振り返ったが、そこは世界屈指の実力で相手を振り切り21-16。後半の女子シングルス&ダブルスで白星をつかんだ日本が、ロシアを3−2の逆転勝利で退けてリーグ初勝利を手にしている。
【グループ1】
▼グループA
日本(1勝)3−2ロシア(1敗)
XD保木卓朗/永原和可那②〔21−10、21−15〕0●アリモフ/デフレトワ36分
MS西本拳太●0〔18−21、17−21〕②ウラジミール・マルコフ50分
MD遠藤大由/渡辺勇大●0〔19−21、16−21〕②イワノフ/ソゾノフ40分
WS奥原希望②〔21−6、21−16〕0●ナタリア・ペルミノワ31分
WD福島由紀/廣田彩花②〔21−5、21−16〕0●ボロトワ/デフレトワ41分
取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳