小学生時代から頭角を現し、全国大会の男子シングルスにおいて“史上初”や“最年少記録”などの偉業を次々と成し遂げる奈良岡功大(浪岡高校3年)。この連載では、そんなスーパー高校生の日常や素顔に迫っていく。連載第18回は、見事3冠を果たした高校選抜や、直後に参戦した大阪インターナショナルチャレンジ(4月3日~7日)とベトナムインターナショナルチャレンジ(4月9日~14日)について振り返ってもらった。また、Q&Aのコーナーでは、読者からの質問に答えていただく。
皆さん、こんにちは!
高校選抜では、たくさんの応援をありがとうございました。選抜は試合数が多くてすごくキツかったのですが、応援を含めて、チームメートや先生や家族、監督がサポートをしてくれたから乗り越えられました。たくさんの人たちの支えがなければ負けていたと思うので、本当に感謝しています。
あとは、今大会はケガをせずに万全の状態で臨めたことと、自分から相手に向かっていけたことが大きかったです。これまではどこかで守りに入ってしまうことがありましたが、今回は常に相手に向かっていくことができた。目標としていた一戦一戦全力でやるということも達成しての3冠は、本当にうれしかったです。
高校選抜のあとは、大阪とベトナムのインターナショナルチャレンジ大会に出場しました。大阪の結果は、1回戦負け…。相手は同世代の李詩灃選手(リ・シフェン/世界ジュニア銅メダリスト)で、すごく勝ちたかったぶん、選抜の疲労や故障もあり万全の状態で挑めなかったことが悔しいです。李選手は今回、プレースタイルを変えてきましたし、かなり研究されているなと感じました。これで2勝1敗。次は絶対に勝ちたいです。
翌週のベトナムでは、ベスト4に入ることができました。目標は優勝でしたが、大阪の悔しさもあったので、ベスト4まで行けたのはよかったです。準決勝の相手は、優勝した第2シードのインドネシア選手。全体的にうまさを感じる選手で、とくにラウンドからのストレートスマッシュが上手でした。そこでやられてしまう部分も多く、試合の序盤に右手を痛めてしまって自分のプレーができずにストレートで負けてしまいました。次はもっと配球を考えて、相手のいいところを封じられるようにプレーしたいです。
今回は5試合中3試合がファイナル勝負になりましたが、最後の準決勝以外は気持ち的にも体力的にも余裕がある状態でプレーできたのはよかったかなと。シャトルが飛ぶぶんスマッシュを打っていかなきゃいけないことも多いなか、それでもある程度、疲れを感じずにプレーできたのは少し成長できているのかなと感じました。
次は、インターハイにつながる青森県の春季大会と、ランキングサーキットに出場します。ランキングサーキットは、昨年はケガで出ることができなかったので、今回はまずはコンディション調整に気をつけて、一戦一戦しっかり勝っていけるように頑張ります!
奈良岡功大選手に聞く!
☆なんでもQ&A☆
Q.奈良岡選手は僕のあこがれです。フットワークに無駄がなく、動画などを見て参考にしています。フットワークで一番大事にしていることや、心がけていることは何ですか?(中学3年生・男子)
A.僕が一番大事にしているのは、どこに動くにしても右足を出すという意識ではなく、“左足で蹴る”ということです。最初の一歩だけではなく、すべてで左足の蹴る力を使うことで無駄のないフットワークができ、素早く球の下に入れます。世界ランク1位の桃田賢斗選手の一番すごいなと感じる部分は、フットワーク。球の下にしっかり足を運べているから、いい体勢でいいショットが打てるんですよね。そのぶんコースなども見破られにくい。うまい人の試合動画を見るとき、足に注目するのもいいかもしれません。
あとは、素早く動くために読む力も不可欠。僕の場合は相手の体勢を見て読むというより、自分の球出しによって、どこに返ってくるかがだいたいわかります。練習から、「ここに打てばここに返ってきやすい」などと考えてやるといいと思います。意識してやるのと、やらないのとでは、効果は違ってくるはず。フットワーク練習のときだけでなく、ノックのときも足運びを意識するなど、本番をイメージして取り組むことが大切だと思います。
★奈良岡功大選手への質問募集!★
送り先…◎Eメール:bad@bbm-japan.com ◎FAX:03-5643-3841◎郵便:〒103-8482(株)ベースボール・マガジン社 バドミントン・マガジン編集部&バド×スピ!編集部「一本集中 Q&A」係まで。さまざまな質問、お待ちしています!
Profile
ならおか・こうだい◎2001年6月30日生まれ、青森県出身。浪岡南小-浪岡中-浪岡高。小学時代は全国小学生大会単3連覇、全国ABC大会単5連覇を達成。中学時代は全国中学校大会単3連覇という前人未踏の記録を打ち立てた。同年9月には、高校2年までが出場する全日本ジュニアで最年少V(16年・17年連覇)。高校に入学後はインターハイのシングルスで2年連続準優勝に輝き、19年3月の高校選抜では連覇と3冠を果たした。そのほかにも、全日本総合本戦出場や17年日本ランキングサーキット単3位、18年大阪国際準優勝など国内外のシニアの舞台でも活躍。18年にはユース五輪で銅メダル、世界ジュニアで銀メダルを獲得した日本のホープ。174㎝69㎏。血液型B。
構成/バドミントン・マガジン編集部