「第47回全国高校選抜」の競技4日目、27日は、茨城県のひたちなか市総合体育館で試合が行なわれた。男女ともにダブルスが準決勝から、シングルスが準々決勝から実施され、各種目で優勝者が決まった。ここでは、女子のダイジェストをお伝えしよう。
【女子ダブルス】
先に行なわれたダブルスでは、ベスト4に進んだ第1〜4シードの選手たちが準決勝で激突した。その結果、内山智尋/廣上瑠依(ふたば未来学園)は、団体戦の決勝で敗れていた埼玉栄の鈴木陽向/大澤佳歩に対し、第1ゲームを奪われながらも第2ゲームを18本、ファイナルゲームは16本で制してリベンジ達成。決勝進出を決めた。反対のヤマでは青森山田の大竹望月/髙橋美優が、栗原あかり/杉山未来(西武台千葉)に13本、18本でストレート勝ちして優勝へ王手をかけた。
迎えた決勝戦は、激しい戦いとなった。第1ゲームからどちらも譲らず、16オールなどシーソーゲームとなるが、終盤に抜け出した内山/廣上が18本で先制する。しかし、同様に終盤まで競った展開となった第2ゲームでは、大竹/髙橋が21-19で制してスコアをタイに戻した。すると、試合の流れは大竹/髙橋に。大竹/髙橋は、持ち味の攻撃力を生かして攻め手を緩めることなく、ファイナルゲーム16本で春のタイトルを獲得した。
◆優勝コメント
優勝★大竹望月(右)&髙橋美優(青森山田)
大竹「全日本ジュニアと東北大会の個人戦で負けていたので、今回はチャレンジャー精神で臨むことができました。試合ではパートナーと2人で気持ちを一つにして戦うことができたと思います。決勝戦は、1ゲーム目を取られても気持ちを切らさずに最後まで戦えたことがよかったです」
髙橋「決勝の相手は勢いがあって、自分が引いてしまったところがありました。でも、先輩や先生が声をかけてくれて、2ゲーム目の後半からは思いきってプレーができた。いろんな人に助けられた試合だったと思います。日本一になったのは、個人団体を通して初めて。優勝した瞬間は、あまり実感が湧かなかったです」
【女子シングルス】
女子シングルスでは、第1シードの郡司莉子(八代白百合学園)が1年生とは思えぬ堂々の勝ち上がりを見せた。郡司はこの日最初の試合となった準々決勝で、高橋沙弥(青森山田)に16本、14本のストレート勝ちを収めると、続く準決勝ではふたば未来学園の木村百伽に、第1ゲーム13-19のビハインドから逆転。ここでもストレート勝ちを収めて決勝進出を決めた。また、もう一方のヤマでは、栗原あかり(西武台千葉)が、ダブルスとの連戦で疲れの見える髙橋美優(青森山田)をファイナル9本で退けた。
決勝戦、試合の主導権を握っていたのは1年生の郡司だった。郡司は、第1・2ゲームとも競った展開の序盤から、中盤以降に抜け出した。第1ゲームを14本で奪うと、冷静なラリーの組み立てから勝負所では持ち前のパワーで攻めていき、第2ゲームも13本と完勝。女子シングルスでは2014年の山口茜(当時・勝山)以来となる1年生チャンピオンが誕生した。
◆優勝コメント
優勝★郡司莉子(八代白百合学園)
「優勝できて素直に嬉しいです。全試合ストレート勝ちですが、すごく危ない試合ばかりでした。決勝戦は1、2ゲーム目とも11点を先に取れていたので、焦らずにしっかり考えてプレーができたと思います。1年生で優勝できましたけど、ほかの選手はダブルスや団体でも上位を争っている。自分もインターハイでは団体とダブルスも頑張って、みんなと同じ状況でも勝てるようにしたいです」
【女子個人戦の結果】(27日)
女子ダブルス
▼準決勝
内山智尋/廣上瑠依(ふたば未来学園)②〔18−21、21−18、21−16〕1●鈴木陽向/大澤佳歩(埼玉栄)
大竹望月/髙橋美優(青森山田)②〔21−13、21−18〕0●栗原あかり/杉山未来(西武台千葉)
▼決勝
大竹望月/髙橋美優②〔18−21、21−19、21−16〕1●内山智尋/廣上瑠依
女子シングルス
▼準々決勝
郡司莉子(八代白百合学園)②〔21−16、21−14〕0●高橋沙弥(青森山田)
木村百伽(ふたば未来学園)②〔16−21、21−9、21−17〕1●宮﨑淳美(埼玉栄)
栗原あかり(西武台千葉)②〔21−9、21−11〕0●染谷菜々美(ふたば未来学園)
髙橋美優(青森山田)②〔21−12、21−16〕0●小方里羽(諫早商)
▼準決勝
郡司莉子②〔24−22、21−17〕0●木村百伽
栗原あかり②〔21−12、18−21、21−9〕1●髙橋美優
▼決勝
郡司莉子②〔21−14、21−13〕0●栗原あかり
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取材・文/吉井信行
写真/川口洋邦