3月10日に開催されたBWFワールドツアー・Super1000の全英OP(イングランド・バーミンガム)最終日は、各種目決勝戦が行なわれた。日本からは3種目で決勝に進出し、歴史と伝統のある大会の頂点を争った。
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世界が注目した第1ゲームは、桃田が先制する。序盤から主導権を握って試合を進めると、13-11から8連続得点で21-11。一気に突き放し、優勝に王手をかける。しかし、久々のビッグタイトルをねらうアクセルセンも意地をみせる。第2ゲームは取っては取られのシーソーゲームとなったが、10-11の場面からアクセルセンが5連取に成功。このリードをきっかけに試合を優位に進めたアクセルセンが、21-15で第2ゲームを勝ち取った。
勝負の行方はファイナルゲームへ。ともに激戦の連続による疲労もあったが、前半はアクセルセンが仕掛けてポイントを奪いにくる。しかし、これをしっかり耐え抜いた桃田。12-11と拮抗した場面でポイントをつかむと、相手の集中力が途切れたところを見逃さなかった。スピードを上げた桃田が7連続得点で点差を広げると、そのまま押し切って21-15で勝利! 1963年に日本から初めて男子シングルスに出場(小宮好雄)して、56年−−。重かった歴史のトビラが、ついに開かれた。
第1ゲームから積極的な攻撃が展開されるなか、先にリードをつかんだのは松本/永原。11オールから15-11に差を広げると、後半も押し切って第1ゲームを先取した。この勢いで第2ゲームもつかみたかったが、中国ペアも意地の反撃。中盤の競り合いから一度は日本ペアが抜け出し18-15としたが、そこにしぶとく食らいつく。中国ペアが4連続ポイントなどで逆転に成功すると、20オールとなっても最後の2点を陳清晨/賈一凡がつかみとった。
最終ゲームに入ると、流れは一気に中国ペアに傾いた。松本/永原は序盤に6連続失点でリズムを失うと、相手の攻勢を止めらない。積極性が増す中国ペアに11-14から7連続ポイントを奪われ、万事休す。1−2で敗れた松本/永原は準優勝。あと一歩で、全英タイトルを取り逃した。
第1ゲーム前半は渡辺/東野がリズムをつかみ、8−4とリード。しかし、ここから6連続失点で中国ペアに逆転を許すと、渡辺/東野は先行する相手をなかなか捕まえきれない。11-12と接近するも、再び離されて11-15。さらに14-16と迫ってみせたが、ここでも相手ペアの巧みな攻撃に苦戦し、17-21で第1ゲームを奪われてしまう。
第2ゲームは先に渡辺/東野が突き放した。テンポよく攻撃を仕掛けて得点を奪うと、12-4とリードを奪う。このままセーフティリードを保って試合を進めたかった渡辺/東野だが、鄭思維/黄雅瓊の追い上げを食い止めらない。14-13と急接近されると、ここから激しい競り合いを展開。20オールまで勝負はもつれたが、最後の最後で抜け出したのが中国ペア。渡辺/東野は第2ゲーム20-22で敗れ準優勝に終わったものの、2年連続決勝進出の好結果。この1年の成長を、思い出の場所でしっかり示してみせた。
女子シングルスは大会3連覇をねらう戴資穎(タイ・ツーイン/台湾)と中国の陳雨菲(チェン・ユーフェイ/中国)が激突。準決勝で奥原希望を破っている陳雨菲は、現役最強の戴資穎を相手に第1ゲーム21-17で先制。第2ゲームも17オールから気迫の4連続ポイントで制し、全英のタイトルを手中におさめた。男子ダブルスは2014年の全英覇者・セティアワン/アッサン(インドネシア)が、マレーシアの新鋭を抑えて2度目の頂点到達。五輪レースに弾みをつけるタイトルを獲得している。
決勝戦の結果は以下の通り。
【男子シングルス】
桃田賢斗②〔21−11、15−21、21−15〕1●ビクター・アクセルセン(デンマーク)81分
【女子シングルス】
陳雨菲(中国)②〔21−17、21−17〕0●戴資穎(台湾)41分
【男子ダブルス】
セティアワン/アッサン(インドネシア)②〔11−21、21−14、21−12〕1●チア/ソーWY(マレーシア)48分
【女子ダブルス】
陳清晨/賈一凡(中国)②〔18−21、22−20、21−11〕1●松本麻佑/永原和可那83分
【混合ダブルス】
鄭思維/黄雅瓊(中国)②〔21−17、22−20〕0●渡辺勇大/東野有紗41分
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO