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【S/Jリーグ2018入替戦】東海興業がS/Jリーグ復帰!トリパンを2−1で撃破!<男子>

2月24日に『S/Jリーグ2018入替戦』が、立川市柴崎市民体育館で行なわれた。この入替戦は、今季のS/Jリーグ10位のチームと、11月に開催されたS/JリーグⅡの優勝チームが、S/Jリーグ昇格・残留をかけて毎回激しい戦いを繰り広げている。前回はS/Jリーグのシステム変更により入替戦は行なわれなかったが、今回は2年ぶりに実施。ここではS/JリーグⅡ入替戦と合わせて、男子のダイジェストをお伝えしよう。

【S/Jリーグ入替戦】

一週間前に開催された『JTB S/Jリーグ2018』の順位決定戦では、金沢学院クラブに敗れて無念の最下位となったトリッキーパンダース。入替戦では、昨年のS/JリーグⅡを7戦全勝で優勝した東海興業と激突した。

S/J残留をかけて挑んだトリパンは、ダブルスの大黒柱であるリャオ・ミンチュン(台湾)がドイツOP(Super300)に参戦。ベストメンバーが組めない苦しい台所事情のなか、井谷和弥/米田健司で第1ダブルスに臨んだ。

一方の東海興業は、S/JⅡで第1ダブルスを任され、5勝を挙げた森田浩平/間瀬亮介で勝負に出る。すると、先制ポイントをつかんだのが東海興業。森田/間瀬が序盤からロングサービスなどで相手を揺さぶり11−4と先行。さらに相手のドライブをしっかり押し返して21-16で第1ゲームを奪う。第2ゲームに入ると、トリパンの井谷/米田がスマッシュを何度も打ち込んでポイントを奪いにいったが、森田/間瀬が堅いレシーブで対応。「中盤から競り合う展開になると思っていたので、しっかり準備していた」(間瀬)と、13-12から突き放して19-14。ここからさらに激しいドライブの応酬となったが、東海興業ペアが先に抜け出し21-16で勝利。昇格に王手をかける。

第1ダブルスを制してチームメイトに迎えられる森田(中央)と間瀬(右)

勝負所だった第1ダブルスを制した東海興業に流れが傾くかと思われたが、負けられないトリパンもシングルスの福田春樹が意地を見せる。第1ゲームを21-12で制すると、第2ゲームも18-13と先行。ここから東海興業・松本アキラの追い上げに苦しむ場面もあったが、最後は福田が21-19で制して、トリパンが勝敗を1−1に戻した。

昇格か、それとも残留か。この大一番を制したのは、東海興業の武山修三(左)/嘉村昌俊だった。トリパンはベテランの中村寿史と内定選手の藤井一貴(立命館大)のペアで勝負に挑んだが、スピードでは昨年のS/JⅡでMVPを獲得している武山/嘉村が上。第1ゲームを21-12で制した武山/嘉村は、第2ゲームも11本に抑えて2−0のストレート勝利! 東海興業が2009年以来、10年ぶりとなるS/Jリーグ復帰を決めた。

2009年まで当時の日本リーグ1部に参戦していた東海興業。降格後は2部で苦しい戦いが続いたが、ようやく昇格の切符をゲット!久々のトップカテゴリー復帰を決めた

東海興業・小林瑛二郎監督「2部のリーグ戦が終わってからの3カ月は、会社が協力してくださり、選手の練習時間がしっかり確保できました。それがあったからこそ、トリパンさんと同じレベルまで上げることができたのかなと思います。

試合では、第1ダブルスをとれば、シングルス、第2ダブルスが勢いづくと思っていました。森田/間瀬は2部リーグが終わってからの3カ月で崩れることがなく、その期間の遠征でも他のチームの選手に勝ちきれるようになっていました。この二人が自信を持って戦えたのが大きいかったと思います。

本当であればシングルスで決めたかった部分もありましたが、1−1で回ってきても、第2ダブルスがしっかり勝ってくれる気持ちもあったので、焦りはなかったです。昇格を決めて、いい形で会社の皆さんに恩返しができたのはよかったと思います。

ただ、いまのレベルでは1部で勝てないこともわかっています。練習の意識、考え方などを一からを見直して、少しずつレベルアップできたらなと思います」

▼S/Jリーグ入替戦

東海興業(S/JⅡ優勝)2−1トリッキーパンダース(S/J10位)

森田浩平/間瀬亮介②〔21−16、21−16〕0●井谷和弥/米田健司

松本アキラ●0〔12−21、19−21〕②福田春樹

武山修三/嘉村昌俊②〔21−12、21−11〕0●中村寿史/藤井一貴

トリパンの福田はシングルスで白星をつかんで第2ダブルスにつなげたが、チームは無念の降格

【S/JリーグⅡ入替戦】

S/Jリーグ入替戦の前に行なわれた、S/JⅡ8位とチャレンジリーグ優勝チームによる入替戦。22日、23日の二日間で行なわれたチャレンジリーグを制したコンサドーレが、S/JⅡ8位のトヨタ自動車九州と激突した。

S/J初昇格に向けて気合いがみなぎるコンサドーレは、第1ダブルスの大越泉/三浦將誓が、序盤から攻勢を仕掛ける。トヨタ自動車九州の原田和憲/坂中賢太に対して、高身長の三浦が角度あるスマッシュを叩き込んでペースをつかむと、第1ゲームは21-15でコンサドーレが先制。第2ゲームはスピードを上げて対抗する原田/坂中が奪い返したものの、ファイナルゲームに入ると大越/三浦が再び強打で攻め込む。ファイナル前半でスピードが落ちた原田/坂中の隙を見逃さず、そのまま主導権を握った大越/三浦が21-11で勝利。コンサドーレが昇格まであと1勝とした。

第1ダブルスで貴重な勝利をつかんだコンサドーレの大越/三浦(奥)

シングルスはコンサドーレの主将・三枝力起が、トヨタ自動車九州の小森洋佑を圧倒。第1ゲームを21-9で制すると、続く第2ゲームも12本に抑えて、歓喜の勝利! 2017年に創部した若いチームが、S/JⅡ昇格の切符をつかみとった。

2017年4月に発足したコンサドーレ。一時は部員数が減った時期もあったが、チームをしっかり立て直してS/JリーグⅡ昇格を決めた

コンサドーレ・吉田仁監督「まずはホッとしています。入替戦は、チャレンジャーの気持ちをしっかり持って向かっていくこと、これまで積み上げてきたものや練習でやってきたことを出せば大丈夫、ということを選手に伝えていました。(勝因は)第1ダブルスが取れたことです。内定選手(三浦)と大越が組んでの公式戦は初めてでしたが、軸となるトップシングルス(三枝)が安定していたし、第2ダブルスも調子がよかった。だから、第1ダブルスには『(単と第2複の)後ろを信頼して頑張れ』といったら、ちょうど肩の力が抜けて、しっかり勝ってくれました。

(チャレンジLと入替戦は)年に一回なので、大会としての難しさがある。だから、そこを勝てたのがうれしいですし、選手のモチベーションにもつながると思います。今後は北海道での試合や全国大会が入ってくるので、そこを戦いながら、S/JリーグⅡというカテゴリーでしっかり食らいついていくことをテーマにしていきたいです」

コンサドーレ・三枝主将「素直にうれしいです。今年度はチームの人数が少なくなってしまい、団体戦に出られるかどうかもわからなかった。内定選手が決まるまでは4人でやってきたので、大会に出られることがうれしいと感じたし、試合ができることに感謝しながら、勝ちにいこうと思って戦っていました。キツイ時期を乗り越えられたので、昇格できて本当にうれしいです」

▼S/JリーグⅡ入替戦

コンサドーレ(チャレンジリーグ優勝)2−0トヨタ自動車九州(S/J8位)

大越泉/三浦將誓②〔21−15、14−21、21−11〕1●原田和憲/坂中賢太

三枝力起②〔21−9、21−12〕0●小森洋佑

吉原康司/住友聡(試合なし)新宅地塩/具志堅興平

シングルスで快勝したコンサドーレの三枝。2年目でS/JリーグⅡ昇格を決めた

取材・文/バドミントン・マガジン編集部

写真/菅原淳

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