2018年は、日本にとって大きな飛躍の一年となりました。5月には日本女子が37年ぶりにユーバー杯を制し、世界一を達成。8月の世界選手権では、男子シングルスの桃田賢斗選手、女子ダブルスの松本麻佑/永原和可那ペアが金メダルを獲得しています。そのほか、国際大会を中心に日本勢は数多くのタイトルを手にしており、世界トップの国へと変貌しています。ここでは、強さを増す日本代表の活躍を中心に、2018年を振り返っていきます。
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<第2回>
全英OPで日本勢が大活躍
毎年3月に開催される伝統の全英OP。新レギュレーションでも格式が高いSuper1000にカテゴリーされ、各種目で世界のトップランカーが参戦した。日本勢はA代表選手らが中心にエントリー。2018年の活躍を大きく占う大会で、JAPANがその強さを示す結果を残した。
最も光輝く成績を残したのは、混合ダブルスの渡辺勇大(写真右)/東野有紗だ。日本は過去の全英OP同種目で決勝進出を果たしことはなかったが、その壁を一気に打ち破る。初戦で香港の鄧俊文(タン・チュンマン)/謝影雪(ツェ・イエンスエット)を下すと、準決勝で張楠(ツァン・ナム)/李茵暉(リ・インフイ/中国)に2−0のストレート勝利を飾る。初の決勝戦では、同じく中国の鄭思維(ツェン・シーウェイ)/黄雅瓊(ファン・ヤーチョン)と激突。渡辺/東野は世界ランク1位に対して第1ゲームを失ったが、積極的に仕掛けた第2ゲームを奪い返すと、そのままファイナルゲームも制して初優勝。混合ダブルスでは、日本人として初となる国際タイトルを手にしている(帰国会見のコメントはこちら)。
女子ダブルスでは、福島由紀/廣田彩花(写真右)、松本麻佑/永原和可那、米元小春/田中志穂の3ペアが準決勝に進出。決勝に進んだ福島/廣田がデンマークペアとの接戦に敗れたものの、同種目での日本の層の厚さを知らしめる結果を残してみせた。また、女子シングルスでは、2017年スーパーシリーズファイナル優勝の山口茜が準優勝。2017年の男子ダブルス・全日本総合王者でもある遠藤大由/渡辺勇大が、ベスト4に進出している。
初の国内カップ戦が開催
3月24・25日に開催されたのは、国内初となるカップ戦「TOP4 TOURNAMENT(トップ4トーナメント)」。2月に終幕した「S/Jリーグ2017」の男女上位4チームが宮城県仙台市のゼビオアリーナ仙台に集結し、頂点を争った。トップチーム同士の白熱した戦いを制したのは、男子がS/Jリーグ覇者のトナミ運輸、そして女子はS/Jリーグ3位の再春館製薬所。両チームは栄光のタイトルとともに、賞金300万円を手にしている。
▼男子順位
優勝:トナミ運輸(S/J優勝)
準優勝:日本ユニシス(S/J準優勝)
ベスト4:NTT東日本(S/J3位)、日立情報通信エンジニアリング(S/J4位)
▼女子順位
優勝:再春館製薬所(S/J3位)
準優勝:日本ユニシス(S/J優勝)
3位:北都銀行(S/J準優勝)、ヨネックス(S/J4位)
選抜団体戦は埼玉栄が男女制覇!
3月25日〜28日に愛媛県で開催された高校選抜では、男女団体戦で埼玉栄がアベックVを達成。男子は2年ぶり11度目、女子(写真)は18年ぶり3度目の栄光だった。個人戦男子シングルスは、奈良岡功大(浪岡高)が1年生王者に君臨。男子ダブルスは団体戦を制した埼玉栄の中山裕貴/緑川大輝が、武井優太/遠藤彩斗との同校決勝を制して優勝。女子個人は水井ひらり(ふたば未来学園)がシングルス・ダブルスを制し2冠を達成している(ペアは内山智尋)。
文/バドミントン・マガジン編集部