小学生時代から頭角を現し、全国大会の男子シングルスにおいて“史上初”や“最年少記録”などの偉業を次々と成し遂げる奈良岡功大(浪岡高校2年)。この連載では、そんなスーパー高校生の日常や素顔に迫っていく。連載第15回は、準優勝を果たしたヨネックス/K&Dグラフィックス国際チャレンジ(アメリカ・IC/12月28日~22日)について、そして、2018年の一年間を振り返ってもらった。また、Q&Aのコーナーでは、読者からのお悩み相談に答えていただく。
皆さん、こんにちは!
12月はアメリカで開催された国際大会に参加して、2018年最後の大会が終わりました。結果は、シングルス準優勝。決勝で負けて優勝はできませんでしたが、悪くない大会だったかなと感じています。
内容としてはダメな部分もあったんですけど、これまで負けていた相手に勝てたのは収穫でした。まず、準々決勝では、スペインのパブロ・アビアン選手と対戦。ロンドン五輪にも出ている選手で、今大会のシード選手。中学2年のときに自費で参加したシニアの国際大会(ロシアのホワイトナイツ・インターナショナルチャレンジ)で負けた相手でした。相手はアピールが大きいというか、かけてくる圧力みたいなのがすごいので、そこでやられないように気持ちを強く持っていきました。試合は2ゲーム目を取られてファイナルゲームに。体的にはキツかったけど、絶対に負けたくないという気持ちが強くて、ファイナルはギアを上げて5本に抑えて勝つことができました。
翌日、準決勝で戦った五十嵐優選手(日本ユニシス)には、過去に3回くらい負けているんです。でも、しっかり練習を積んできたので、自信を持っていけた。第1ゲームを15本で取って、第2ゲームは途中で競って長いラリーが3回くらいありましたが、それを全部取れたのが大きくて2-0で勝てたと思います。
ただ、渡邉航貴選手(日本ユニシス)との決勝は、出だしでリードされたのがよくなかったです。第2ゲームは自分も声を出して攻めてファイナルゲームに持ち込めたんですけど、15-21で届きませんでした。プレーは悪くなかったのですが、相手のほうがいいプレーをしていたし、足も最後まで動いていた印象です。
大会前の全日本総合では1回戦負けで、もちろん悔しさはありましたが、今大会は今大会。気持ちを切り替えて、世界ランキングを上げるためにも、ここで絶対に勝ちたいと思って臨みました。総合は、相手の内藤浩司選手(日立情報通信エンジニアリング)の勢いがすごかったですし、この大会の独特の雰囲気にものまれてしまいました。来年のナショナルメンバーからは外れてしまいましたが、早く戻れるように頑張りたいです。
今年1年を振り返ると、優勝がなかったということが一番に浮かびます。でも、そのなかでも、強い選手に勝つこともできたので、そこはよかったところです。昨年からレベルアップはしていると感じるけど、まだまだできる。とくにここが課題というより、いま持っている力を全体的に高められるようにしたいです。
ジュニアの大会だけではなく、シニアの大会も戦う大変さはありますが、一試合一試合に対して一生懸命プレーできたら来年は優勝できると思うので、それに向かって練習をしっかり積んでいきたいです。
奈良岡功大選手に聞く!
☆なんでもQ&A☆
Q.サービスレシーブが単調になったり、そこでミスをして、試合に負けてしまいました。奈良岡選手がサービスレシーブで工夫していることは何ですか? アドバイスをもらえたらうれしいです。(中2・男子)
A.サービスレシーブは感覚でやっている部分が大きいので、とくに考えて打っているわけではないんです。でも、相手が前に来ようとしていたらロブをしたり、そのフリをして咄嗟にヘアピンを打ったり、駆け引きはしています。ただ、その時々で咄嗟にやるものなので、言葉にするのは難しいですね(苦笑)。アドバイスとしては、試合中は考えすぎないほうがいいと思います。ショットやコースを考えて悩みすぎると、球が浮いたり甘くなったりして、中途半端なプレーになると思うので。自分もそうなるときがあります。単調にならないように、試合で考えなくてもいいようにするためには、やっぱり、練習でいろいろ試して、身につけておくことが大事。自分も遊び心を持ちながら、いろんなコース、打ち方を練習で試していました。そういう繰り返しをたくさんすれば、試合で自然にできるようになっていくと思います。
★奈良岡功大選手への質問募集!★
送り先…◎Eメール:bad@bbm-japan.com ◎FAX:03-5643-3841◎郵便:〒103-8482(株)ベースボール・マガジン社 バドミントン・マガジン編集部&バド×スピ!編集部「一本集中 Q&A」係まで。さまざまな質問、お待ちしています!
Profile
奈良岡功大◎ならおか・こうだい 2001年6月30日生まれ、青森県出身。浪岡南小-浪岡中。小学時代は全国小学生大会単3連覇、全国ABC大会単5連覇を達成。中学時代は全国中学校大会単3連覇という前人未踏の記録を打ち立てた。同年9月には、高校2年までが出場する全日本ジュニアで最年少V(16年・17年連覇)。高校1年時にはIH準優勝、選抜では優勝を果たした。そのほかにも、全日本総合本戦出場や日本ランキングサーキット単3位、18年は大阪国際準優勝など、国内外のシニアの舞台でも存在感を放つ日本のホープ。174㎝69㎏。血液型B。
構成/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原 淳