12月15日に開催されたバドミントンの年間王者を決めるBWFワールドツアーファイナルズ(中国・広州)4日目は、各種目の決勝トーナメント・準決勝が行なわれた。5種目に計10名が参戦している日本勢は、全員が準決勝に進出。ここでは、決勝をかけて争った世界に誇る日本代表選手たちの活躍を紹介しよう。
女子シングルスの決勝トーナメント・準決勝、その対戦カードは抽選の結果、グループB1位の奥原希望(写真)とグループA2位の山口茜による日本人対決となった。
2人は2週間前に開催された全日本総合の決勝で対戦したばかり。その雪辱をねらう奥原と、今大会での連覇をめざす山口の勝負は、双方が“守備”をテーマに掲げていたため、クリアーを起点に仕掛けていく。相手の動きやヒット後の体勢などから、それぞれのリズムで攻撃のタイミングをうかがいドロップ、スマッシュを打ち込んでいった。
両者の駆け引きが際立った第1ゲームは、ほぼ互角の展開。奥原が前後の動きの鋭さで12-6と先行するも、山口(写真)もネット前の攻防から奥原がねらう頭越しのロブに飛びついて追撃。15−14と山口が流れを引き戻してみせたが、我慢比べで競り勝った奥原が21-17で先取した。
第2ゲームも再び我慢勝負となったが、山口はドリブンクリアーなども織り交ぜて奥原の攻略にかかる。しかし、奥原は隙を見せない。「私たちはそれぞれが、どこからどこに打つショットを持っているかを知っている」と、相手のショットを予測してシャトルを拾い続けて長いラリーを展開。そのねばりと根気強さの勝負で観衆を沸かせたが、最後はショットの精度で優位に立った奥原が21−14で押し切り、ストレート勝利。奥原はWTファイナルズで3年ぶりの決勝進出。山口は連覇ならずで、ベスト4に終わった。
男子シングルスのグループBを3戦全勝で1位通過した桃田賢斗(写真)は、グループA2位の孫完虎(ソン・ワンホ/韓国)と対戦。予選リーグでは、ネット際でキレのある動きを見せていた孫完虎が、ワールドツアーランキング1位の周天成(チョウ・ティエンチェン/台湾)、アンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア)に連勝するなど絶好調。しかし、テクニック勝負となれば桃田の得意とするところ。主導権を探る長いラリーで先に崩れたのは孫完虎だった。
第1ゲームは桃田が5連続得点などで21-14。第2ゲームからは、さらにスピードを加速させた桃田が攻撃の手を緩めない。積極的な仕掛けの中で起こるミスはあったが、最後は21-12。危なげない試合運びで勝利を手にした桃田が、3年ぶりの決勝進出を決めている。
【男子シングルス】
▼準決勝
桃田賢斗②〔21−14、21−12〕0●孫完虎(韓国)52分
▼決勝
桃田賢斗 − 石宇奇(中国)
【女子シングルス】
▼準決勝
奥原希望②〔21−17、21−14〕0●山口茜46分
▼決勝
奥原希望 − プサルラ・V.シンドゥ(インド)
【過去の記事】
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取材・文/平野貴也
写真/BADMINTONPHOTO