12月13日に開催されたバドミントンの年間王者を決めるBWFワールドツアーファイナルズ(中国・広州)2日目は、各種目の予選リーグ第2戦が行なわれた。5種目に計10名が参戦している日本勢は、トップランカーとの激しい戦いを演じている。ここでは男女シングルスの戦いをダイジェストで紹介しよう。
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予選リーグ:第1戦
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予選リーグ:第2戦
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男子シングルスで3年ぶりの優勝に挑む桃田賢斗(写真)は、20歳のカンタフォン・ワンチョレン(タイ)にストレート勝ち。2連勝で準決勝進出を決めた。
第1ゲームは、カンタフォンが放つライン際へのアタックにてこずる場面もあり、8−11とリードを許す展開。しかし、徐々にリズムをつかんだ桃田が12オールに持ち込むと、相手のサービスレシーブを積極的にスマッシュ。さらにそこからネット前へのランニングプッシュで攻勢を仕掛け、連続得点などで16-12。一気に突き放して制圧した。第2ゲームも、桃田が得意のヘアピンから仕掛けて攻撃場面を増やし、21-7に抑えて圧勝している。
桃田と同じく、2015年以来の優勝をめざす奥原希望(写真)の試合は「すべての環境を味方につけないと勝てない」という言葉が、勝因をそのまま表していた。
予選リーグ第2戦は、元世界女王のラチャノック・インタノン(タイ)と対戦。第1ゲーム、奥原は出足で相手に遅れを取った。クリアーでコート奥に押し込まれる展開となり、その返球が半端なハーフ球となり後手を踏む。なんとかクリアーで逃げようとしたが、その球がサイドラインを割って失点。ミスが重なった奥原が14-21で先制を許した。
しかし、「押し返すのが精一杯で、高さが足りなくて打ち返されていた。コースが甘いんだと思っていたけど、実際は(足りないのは)高さだったと2ゲーム目、3ゲーム目で気づいた」と軌道修正した奥原。しっかり立て直すと、一気にミスが減って21-11。あっという間に第2ゲームを取り返した。ファイナルゲームに入ると、相手のフットワークが鈍ったところを見逃さず、ネット前の攻防で優位に立つ。とくに10点目を奪った技ありのクロスネットは、見事。中盤以降に追い上げを受けるも、終盤に加速して5連続得点で突き放し、2連勝でグループリーグ突破を決めた。ゲーム序盤は強い球で打ち返す作戦だったが、シャトルが飛ばない中でのフィジカル勝負は不利と判断。戦術変更で相手の体力を削り、勝機を見出した奥原の頭脳プレーが光った。
第1戦でプサルラ・V.シンドゥ(インド)に敗れた山口茜は、アメリカのベイウェン・ツァン2−0で勝利。短いラリーで得点を重ねる圧勝で、リーグ突破に望みをつないだ。第3戦で対戦する戴資穎(タイ・ツーイン/台湾)戦に勝てば、決勝トーナメント進出が決まる。
【男子シングルス】
▼グループB
桃田賢斗②〔21−15、21−7〕0●カンタフォン・ワンチョレン(タイ)43分
【女子シングルス】
▼グループA
プサルラ・V.シンドゥ(インド)②〔14−21、21−16、21−18〕1●戴資穎(台湾)61分
山口茜②〔21−10、21−10〕0●ベイウェン・ツァン(アメリカ)29分
▼グループB
奥原希望②〔14−21、21−11、21−14〕1●ラチャノック・インタノン(タイ)65分
取材・文/平野貴也
写真/BADMINTONPHOTO