12月12日に開幕するBWFワールドツアーファイナルズ(中国・広州)。大会は各種目8名・ペアが2つのグループに分かれて予選リーグを実施。各リーグの上位2名・ペアが決勝トーナメントに進出し、栄えある優勝を争う。日本からは5種目すべてに出場しており、どの選手・ペアにも優勝の可能性は十分ある。ここでは、1年間の総決算であるWTファイナルズを、日本選手を中心に展望しよう。
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【混合ダブルス】
今季は全英OP優勝、香港OP優勝などで飛躍の年を迎えた渡辺勇大(写真右)/東野有紗が、初のWTファイナルズで優勝に挑戦する。グループBで戦う相手は、2016年リオ五輪銀メダリストのチャン・ペンスン/ゴー・リューイン(マレーシア)と、インドネシアのハフィズ・ファイザル/グロリア・エマニュエル・ウィジャヤ、そして渡辺/東野にとって宿敵ともいえる中国の王懿律(ワン・イーリュ)/黄東萍(ファン・ドンピン)だ。
初戦の相手であるインドネシアペアは、今年になってから結果を出し始めた中堅ペアだ。1月のマレーシアマスターズ(Super500)でベスト4に入ると、7月のタイOP(Super500)で優勝。インドネシア・混合ダブルスの大黒柱だったナトシールが今年で第一線から離れるが、2人がその意志をしっかり受け継ぎレベルを上げている。ただ、渡辺/東野にとっては相性がいいペアで、今季は2戦2勝と勝ち越している。決勝トーナメント進出に向けては、この初戦を勝って弾みをつけたい。
残りの2組はかなりの難敵だ。マレーシアのチャン/ゴーは、今年インドネシアOP(Super1000)で準優勝。ダイハツ・ヨネックスジャパンOPでも4強に入る成績を残した。WT後半戦はやや消化不良といった結果が続いたが、地力はトップクラス。渡辺/東野は10月のデンマークOPでストレート負けを喫しており、過去の対戦も3戦3敗。ハイレベルな舞台で、初勝利をもぎとれるか。
そして、中国の王懿律/黄東萍は、渡辺/東野が今年最も苦汁を飲まされた相手。6月に初めて対戦して以降、渡辺/東野が1勝5敗と負け越している。好ラリーを演じても、最後は中国ペアの力強さ、勝負所での底力にやりこめられることが多かった。しかし、11月の香港OP決勝では、その2人を下して優勝をつかんだ。いいイメージを残しているだけに、WTファイナルズの舞台でもその再現をねらう。
渡辺/東野と3ペアの対戦成績は以下の通り。
WTR6位
ファイザル/ウィジャヤ(左):2勝0敗
WTR4位
チャンPS/ゴーLY(左):0勝3敗
WTR5位
王懿律/黄東萍(右):1勝5敗
▼グループA
鄭思維(ツェン・シーウェイ)&黄雅瓊(ファン・ヤーチョン/中国・1位★)
デチャポル&サプシリー(タイ・3位)
ゴー・スーン・ファット&ライ・シェボンジェミー(マレーシア・7位)
マーカス・エリス&ローレン・スミス(イングランド・8位)
★は世界選手権優勝者
■WTファイナルズ過去の日本人優勝者
2014年:髙橋礼華/松友美佐紀
2015年:桃田賢斗、奥原希望
2017年:山口茜、米元小春/田中志穂
※大会名はスーパーシリーズファイナル
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO