12月12日に開幕するBWFワールドツアーファイナルズ(中国・広州)。大会は各種目8名・ペアが2つのグループに分かれて予選リーグを実施。各リーグの上位2名・ペアが決勝トーナメントに進出し、栄えある優勝を争う。日本からは5種目すべてに出場しており、どの選手・ペアにも優勝の可能性は十分ある。ここでは、1年間の総決算であるWTファイナルズを、日本選手を中心に展望しよう。
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【男子ダブルス】
ペアとしてWTファイナルズ初参戦となる遠藤大由(写真前)/渡辺勇大。2人はグループBに入り、台湾の陳宏麟(チェン・フンリン)/王齊麟(ワン・チーリン)、廖敏竣(リャオ・ミンチュン)&蘇敬恒(スー・チンヘン)、そして元世界王者のセティアワン/アッサン(インドネシア)と対戦する。
遠藤/渡辺にとっては、初戦のセティアワン/アッサンとの勝負がリーグ突破のカギとなりそうだ。インドネシアペアとは、今年9月のダイハツ・ヨネックスジャパンOPで対戦しており、このときはファイナル勝負の末に遠藤/渡辺が敗れた。セティアワン/アッサンは一時期ペアを解消していたが、今年に入って再結成。7月のシンガポールOP(Super500)で久々の優勝を飾ると、WT後半戦は11月の福州中国OP、香港OPでベスト4に入っている。ともに30歳を超えて以前のようなスピード感がなくなってはいるが、そのぶん円熟味の増したプレーが光る。遠藤/渡辺は全日本総合で遠藤が前衛に入る機会を増やすなど、新たなスタイルに挑戦中。そこでの課題をどこまで修正できるかも、勝敗を分けるポイントになるだろう。
WTR2、3位に入った台湾2ペアは、ともに攻撃が持ち味。とくに2018年の個人と団体戦を合わせて22大会に参戦しているタフネスな陳宏麟/王齊麟は、ベテランの陳宏麟が司令塔としてゲームを作り、王齊麟の強打につなげる。Super500の優勝はなかったが、世界選手権で銅メダルを獲得するなど、大舞台でも結果を残し箔がついた印象だ。レシーブ力に定評のある遠藤/渡辺は、この攻撃をしっかりかわしてチャンスを作りたい。
先週末のS/Jリーグ2018高岡大会にも出場した廖敏竣(トリッキーパンダース所属)/蘇敬恒(金沢学院クラブ所属)とは、今年4回目の対戦となる。過去3戦の成績は1勝2敗。3月の全英OPでは勝利したものの、7月のインドネシアOP、11月の福州中国OPと2連敗を喫している。老獪なプレーで攻撃の起点となる廖敏竣を抑えて、流れを引き寄せたい。
遠藤/渡辺が対戦する3ペアとの対戦成績は以下の通り。
WTR6位
セティアワン/アッサン(右):0勝1敗
WTR2位
陳宏麟/王齊麟(右):0勝1敗
WTR3位
廖敏竣/蘇敬恒(右):1勝2敗
▼男子ダブルス・グループA
ギデオン&スカムルヨ(インドネシア・1位)
韓呈愷(ハン・チェンカイ)&周昊東(ツォウ・ハオドン/中国・4位)
李俊慧(リ・ジュンフイ)&劉雨辰(リュウ・ユチェン/中国・10位★)
アストルップ&ラスムセン(デンマーク・5位)
★は世界選手権優勝者
■WTファイナルズ過去の日本人優勝者
2014年:髙橋礼華/松友美佐紀
2015年:桃田賢斗、奥原希望
2017年:山口茜、米元小春/田中志穂
※大会名はスーパーシリーズファイナル
※遠藤は2012年スーパーシリーズファイナルで、早川賢一とのペアで準優勝の成績を残している
文/バドミントン・マガジン編集部
写真/BADMINTONPHOTO