11月27日から開催されている第72回全日本総合選手権(東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館)。大会4日目の30日は、各種目準々決勝が行なわれた。ここでは男女シングルスをダイジェストでお伝えしよう。
トーナメント表・結果は こちら
【男子シングルス】
A代表の桃田賢斗(写真/NTT東日本)、西本拳太(トナミ運輸)、坂井一将(日本ユニシス)、常山幹太(トナミ運輸)が登場した準々決勝。世界ランク1位で優勝候補の桃田は、小野寺裕介(日本ユニシス)との勝負を2−0で勝利。「去年はここで(準々決勝)負けてしまったので、意識する部分はありました。でも、コートに入ってからいい感触でしたし、緊張もとれて自分らしいプレーができたと思います」と振り返り、準決勝・常山戦に向けては「手の内はわかりあっているし、今日のようにスマッシュも簡単には決まらないと思う。厳しい戦いになるので強い気持ちを持って挑みたい」と気を引き締めた。
2016年総合優勝の西本は、下農走とのトナミ対決に臨んだ。第1ゲーム12本で西本が先制すると、第2ゲームも西本がリードを奪いながら試合を進める。積極的に仕掛ける下農も16-19から20オールまで持ち込んだが、最後はチャンスを決めれず連続失点。西本が22-20で振り切り、ベスト4入りを決めた。
日本ユニシス対決となった坂井と上田拓馬(写真)の試合は、元A代表の上田が奮起。第1ゲームは坂井の攻撃をさばきながらポイントを重ね、14オールから7連続得点で先制。第2ゲームは坂井が9本で奪い返したものの、ファイナルゲームで意地を見せたのが上田だった。坂井が19-17とリードした場面、「最近の自分だったらあそこですんなり終わっていたけど、(観客席からの)応援があって、最後まであきらめずに戦えた」と、上田が底力を発揮して4連続ポイント。「自分のなかで、(総合は)今回が最後かなっていう気持ちで大会に挑んでいた」というベテランが難局を乗り切り、2大会ぶりのベスト4進出を決めている。
初優勝をねらう常山は、前日の2回戦でチームの先輩である武下利一を破った渡邉航貴(日本ユニシス)と対戦。第1ゲーム、「相手のロブに対して迷いがあった」という常山は3-11とリードを許したものの、「我慢してラリーをしよう」と切り替え、渡邉の攻撃をしのいでペースを奪い返す。すると、5連続得点などで22-20と逆転に成功。第2ゲームは冷静に相手を動かしながらチャンスを作り出し、21-15で仕留めて準決勝進出を果たした。明日の準決勝は、桃田と常山、西本と上田が激突する。
【女子シングルス】
女子シングルス注目のカードとなった大堀彩(トナミ運輸)と髙橋沙也加(日本ユニシス)の試合は、戦前の予想通り激しい戦いとなった。第1ゲームを先制したのは髙橋。果敢なアタックでポイントを奪いにいくと、9−4でリード。中盤に入って大堀もスピードをあげて追走したが、気迫で上回る髙橋が21-18で先制した。第2ゲームは大堀がカット、スマッシュを効果的に決めて21-19で奪い返す。勝負はファイナルゲームにもつれると、最後まで強きに攻めた髙橋が19-10と点差を広げた。大堀も意地の4連続ポイントで詰め寄ったが、最後は髙橋が21点を先に奪い勝利。「今日は何が何でも勝ちたい気持ちが強かった」と振り返る髙橋が、会心の勝利でベスト4入り決めている。
2015年以来の優勝に挑む奥原希望(日本ユニシス)は、ねばりが持ち味の峰歩美(再春館製薬所)と対戦。序盤からペースを握ったのは奥原。10-5、17-12と点差を保ちながら試合を進めた。しかし、劣勢だった峰が14-18から奥原のショットに食らいついてポイントをつかむと、20オールに。このまま一気に逆転か思われたが、ここで踏ん張りを見せたのが奥原。世界トップの底力を発揮して23-21で制すると、第2ゲームは21-8で圧倒。2−0のストレートで勝利した奥原が、準決勝進出を決めた。
前回優勝の山口茜は、川上紗恵奈(北都銀行)に12本、15本で勝利。2回戦でA代表の佐藤冴香(ヨネックス)を下した漆﨑真子(山陰合同銀行)は、三谷美菜津(NTT東日本)との接戦を2−1で制し、初のベスト4進出を果たしている。準決勝は山口と髙橋、漆﨑と奥原が決勝をかけて争う。
初日・予選
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取材・文/バドミントン・マガジン編集部
写真/菅原淳