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【全日本総合2018】前回王者・武下が渡邉に敗戦!佐藤冴も2回戦で敗れる波乱…<男女シングルス>

11月27日から開催されている第72回全日本総合選手権(東京・駒沢オリンピック公園総合運動場体育館。大会3日目の29日は、各種目本戦2回戰が行なわれた。ここでは男女シングルスのダイジェストをお伝えしよう。

トーナメント表・結果は こちら

【男子シングルス】

男子シングルスでは、ディフェンディングチャンピオンの武下利一(トナミ運輸)が敗れる波乱があった。その武下に勝利して準々決勝進出を決めたのは、全日本社会人3位の渡邉航貴(写真/日本ユニシス)。第1ゲームを落とし、第2ゲームも13−14とリードを許した渡邉だったが、終盤に追いつき逆転に成功。ファイナルゲームは終盤に連続ポイントをつかみ接戦をモノにしてベスト8入りを果たした。

また、インターハイ3冠の緑川大輝(埼玉栄高校)が、世界ランキング1位の桃田賢斗(写真/NTT東日本)に挑んだ一戦は、12本、11本で桃田が貫禄を見せた。敗れた緑川は「1回戦に勝って、桃田選手と試合をしたいと思っていましたが、思った以上に差は大きかった。ショットのレベル、1球1球の正確性がすごかった。軽く打っているようなスマッシュでも、自分が追い込まれてしまう感じでした」と、世界王者のプレーに脱帽。それでも「思い切り、自分の持っているものをぶつけた」と、試合後は清々しい表情を見せていた。

A代表組では2016年総合王者の西本拳太(トナミ運輸)、昨年3位の常山幹太(トナミ運輸)、坂井一将(日本ユニシス)らも順当に8強入りを決めた。A代表への返り咲きをねらう五十嵐優と、日本代表復帰をめざす下農走(トナミ運輸)の対決は、下農が2−1で制して準々決勝に進出。インカレ王者の古賀穂(早稲田大)と小野寺裕介(日本ユニシス)の勝負は、過去に総合ベスト4入りを果たした経験を持つ小野寺に軍配が上がった。

 【女子シングルス】

2年前の女王・佐藤冴香(ヨネックス)が、2回戦で敗れた。

その佐藤を破ったのは、今年の全日本社会人3位の漆﨑真子(山陰合同銀行)。1ゲームを先取した漆﨑は、ファイナルゲーム20−16とマッチポイントを握ってから佐藤に20オールまで追い上げられたが、ここから2ポイント連取で接戦に終止符を打った。「シャトルが飛ばないというのもあって、なかなかリズムがつかめなかった。立て直すのが遅かった」と敗れた佐藤。「(相手のプレーを)ビデオで見てねばり強い選手だなという印象だったので、自分が先に攻撃を仕掛けないといけないと考えていましたが、しっかり奥まで返されて、自分がスマッシュを打つ機会が少なかった」と敗戦を振り返った。

来季の日本代表選考にも大きく影響する全日本総合に臨むうえで「優勝をしないとA代表には選ばれないと感じていた」という佐藤だが、「こういう結果になって、自分の反省をふまえながら、もう一度一からやり直せるように、また頑張ります」と、試合後は前を向いた。

このほか、山口茜(写真/再春館製薬所)、奥原希望(日本ユニシス)の2強は、2−0のストレート勝利で8強入り。山口はB代表の髙橋明日香(ヨネックス)を13本、16本で封じて貫禄の勝利を飾っている。

奥原はインターハイ優勝の水井ひらり(ふたば未来学園高)と対戦。高校生を相手に、「初めて総合で優勝したのが高校生のとき(2011年)。あのときは楽しくて何も失うものがなく、必死に球を拾っていたなということを思い出した」という奥原は、「向かって来られる立場にはなりましたが、初心にかえった」と、スタートから水井を引き離して12本、14本で退けた。「初戦よりも自分らしいプレーが出せたと思う」と奥原。2015年以来の優勝奪還に向けて、手応えもつかんでいる。

また、A代表の川上紗恵奈(北都銀行)、13年総合優勝の三谷美菜津(NTT東日本)もベスト8を決めている。30日の準々決勝の注目カードは、髙橋沙也加(日本ユニシス)と大堀彩(トナミ運輸)のサウスポー対決。実力伯仲の好ゲームが繰り広げられそうだ。

初日・予選

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取材・文/田辺由紀子

写真/菅原淳

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