11月19日、成田空港内にて、BWFワールドツアー・中国OP(福州/Super750)と香港OP(九龍・Super500)の2大会に出場した日本代表が帰国し、囲み取材に応じた。日本代表は各種目で好成績を収めているが、ここでは中国OPで優勝を飾った桃田賢斗のコメントを紹介しよう。
――2大会を振り返って。
「中国OPは、(10月末に開催された)フランスOPから中国勢が少し調子を上げてきているなと感じていて、準決勝で諶龍選手に簡単に負けてしまいました(18-21、8-21)。次はしっかりと勝ちたいという気持ちがあり、今回そこをクリアできました(準決勝で対戦して19-21、21-17、21-17で勝利)。長いラリーになるとわかっていて、しっかりと強い気持ちで乗り越えて優勝できたんですけど、香港OPでは疲れが限界に達したというか、自分が思っているような動きや試合ができませんでした。1試合を戦うというよりは、1年間を戦い抜く力がまだまだ足りないと思いました」
――「疲れが限界」というのは。
「自分ではスピードを上げなきゃいけないと思っていても思うように動けず、スピードを上げられなくて、ただ返しているだけで、後手後手に回ってしまう感じです」
――その中でも、最後まで全力で戦っていた。
「こうやって試合に出させてもらうようになって、ケガしない限り、試合に出なきゃいけない責任があると思っているので。逃げちゃダメだと思っています」
――「中国勢が調子を上げていた」というのは。
「試合している感じや、試合に対する気持ちも見ていて違いますし、勝ち上がり方も安定していました。いままでは簡単に負けたりしていたけど、しっかり勝ち上がっていたので、ちょっとずつ上がってきているのかなという印象です」
――自分との戦い方でも感じていたのか。
「そうですね。自分が決めに行くウイニングショットの待ち方だったりで、前より決まりづらくなっている印象があります」
――自分の中で、この2大会の位置づけは?
「中国OPは諶龍選手を少し意識していて、そこを勝ててすごく自信になりました。香港OPは、疲れている中、いつも通り動けない中でどうやって勝つか、そういう戦い方を見つけようと思って試合をしていました」
――最近は勝った試合もフルゲームも多くなっている印象があるが。
「研究されているというよりも、自分の体力的なところに課題があるとは思っています。ちょっとの差で本当に毎試合どっちが勝つか勝ってもおかしくない相手なので。ただファイナルゲームが多いことに対しては、とくに意識していないです」
――このあと全日本総合、ワールドツアーファイナルが控えているが。
「いまはツアーファイナルのことは考えていなくて、まず全日本総合では会社の名前を背負ってコートに立つので、しっかり責任を果たしたいと思っています。去年はすごく緊張して、試合の内容もあまり覚えていない状況だったので(編集部注=準々決勝で敗退)、今回は自分の意識をしっかり持って、会場に来て応援してくださる人を元気づけられるような、強い気持ちでプレーしたいと思っています」
取材・構成・写真/バドミントン・マガジン編集部