10月19日~21日にかけて香港で行なわれた『Foo Kok Keong International Cup(フー・コック・キョン国際大会)』。男女混合の国別対抗で争われる団体戦で、第7回の今年は9カ国が参加。元オリンピック金メダリストや元世界チャンピオンなど豪華メンバーも参戦し、多くのシニアプレーヤーが白熱したラリーを繰り広げた。ここでは、この大会に出場した元日本代表でバドミントンプロコーチの藤本ホセマリさんに、現地の模様を伝えてもらいます。
こんにちは! 藤本ホセマリです。10月に行なわれたフー・コック・キョン国際大会に参加しました! この大会は、元マレーシア代表のフー・コック・キョンさん(94年アジア選手権単優勝)が主催する、いわば“シニアの国別対抗戦”。ベスト4に入ったチームには、なんと賞金もあります! といっても正直、いままで聞いたことのない大会だったので、どんな大会かわからず参加した感じでした(笑)。
でも、いざ会場に来ると、メンバーが豪華すぎて超~ビックリ! とくにインドネシアチームは、あのレジェンドプレーヤーのタウフィック・ヒダヤット、そして、オリンピック金メダリストのトニー・グナワン、他にも、フランディ・リンペレ、アルベン・ユリアント、トリ・ クシュリアント、マーレフ・マイナキーなど、元ナショナルメンバーどころか、元世界チャンピオンもいるスーパースター軍団でした。
そのほかタイチームは、オリンピック銅メダリストのブーンサック・ポンサナ率いる強豪軍団で、昨年の世界シニアで上位の選手もたくさん。香港やマレーシア、インドも強豪で、正直……世界シニアより断然レベルが高いじゃないかっ!! と思いました。笑
今大会の参加国は、インドネシア、マレーシア、シンガポール、香港、タイ、インド、ミャンマー、オーストラリア、そして日本の9カ国。予選リーグはA~Dグループの4つに分かれ、2位以上になれば決勝トーナメントに進出できます。
試合は男子ダブルス4つ、混合ダブルス1つの5種目による団体戦で争われ(それぞれ11点5ゲーム制)、3勝したほうが勝ちとなります。各種目のカテゴリーは年齢別。男子ダブルスは、出場者の年齢が
・合計70歳以上のペア
・合計90歳以上のペア
・合計100歳以上のペア
・合計110歳以上のペア
混合ダブルスは、男女それぞれの年齢が
・男子45歳以上、女子35歳以上のペア
となります。
日本チームは予選Cグループ(3チーム)で、1回戦でマレーシアチームと対戦。ミックスと90ダブルスで勝利し、2-1でリードするも、その後が続かず残念ながら 2-3 で敗退しました…。
でも、予選リーグ2回戦では、インドチームを相手に日本チームが奮起して5-0で勝利! この結果、日本チームは予選リーグ2位となり、辛うじて決勝トーナメントに進むことができました。
決勝トーナメントは抽選の結果、タイチームとの対戦が決定。ここからは、どちらかが3勝した時点で試合が終わるため、5試合の順番をクジで決めることに。クジで勝ったチームから、一つずつ交互に選びます。クジはタイチームが勝ち、選んだカテゴリーは①男子ダブルス 110。次に日本チームが選んだのは②男子ダブルス 90。そのあとは交互に③男子ダブルス 70、④ミックスダブルス、⑤男子ダブルス 100となりました。
試合は相手のパワーに押されて、男子ダブルス 110、70と連続で敗退…。男子ダブルス 90で1勝したものの、結局1-3で敗退し、日本チームの成績はベスト8でした。
いやー、世界はパワーが違いますね。シャトルもしっかり打たないと飛ばないので余計にパワーが必要でした。でも、日本とは違うバドミントンスタイルの選手と対戦できたのは、本当にいい経験でした。
決勝のカードは、インドネシアチームVSタイチーム! 昨年は2-3で敗れているタイのリベンジなるか?
試合順は①男子ダブルス 100②男子ダブルス 70③男子ダブルス 90④男子ダブルス 110⑤ミックスダブルス。注目は、男子ダブルス 70の「タフィーVSブーンサック」です。
男子ダブルス 100は、インドネシアが3-0で先勝。そして、男子ダブルス70は、3-0でインドネシアが勝って2勝目をあげました! この試合、タフィーのパートナーは、ダブルスの名プレーヤー、アルベン・ユリアント。アルベンが球を作ってタフィーが打つというコンビネーションができていました。私を含め観客は、もっと試合が見たかったと思います。
そして3試合目の男子ダブルス 90は、シドニー五輪男子ダブルス金メダリストのトニー・グナワンが登場! トニーさんは普段から練習をしっかりしていると思われるくらい、しっかり動いていて、パフォーマンスがよかったです。結局、タイペアを寄せつけずに勝利! インドネシアチームは3-0で優勝を飾り、大会6連覇となりました。
試合後は国際コンベンションセンターで閉会式が盛大に行なわれ、そこでもインドネシアチームは大人気! やはりスタープレーヤーになった選手はいつになってもスターで、みんなに夢を与える仕事なんだなと思いました。
来年は、そのインドネシアで開催予定! 次は舛田圭太、佐藤翔治、池田信太郎といった日本のスタープレーヤーを連れていければ、大会がさらに盛り上がるだろうと思いました。
私もまた参加してみたいです。
写真・文/藤本ホセマリ
構成/バドミントン・マガジン編集部